ミュージカル「Love Never Dies/ラブ・ネバーダイ」を観てきました。この作品は、オペラ座の怪人の続編として、アンドリュー・ロイド=ウェバーが書いたものです。
ストーリーは、
パリ・オペラ座の失踪から10年。ジリー親子の助けを得てニューヨークに移ったファントムは、コニーアイランド一帯の経営者となり財をなしていた。クリスティーヌの幸せを願い一度は彼女の前から姿を消したファントムだったが、その想いが消えることはなかった。
一方、ラウルと結ばれたクリスティーヌは一児の母となり、高名なプリマドンナとして活躍していたのだが、幸せに影を落としたのは、ラウルがギャンブルでつくった多額の借金だった。そんな折、クリスティーヌにニューヨークで催されるコンサートへの出演依頼が舞い込む。借金返済のため、仕事を引き受ける決意をしたラウルとクリスティーヌ。息子グスタフを伴い渡米した彼らの前にファントムが現れ、隠された衝撃の真実が明らかとなる…
というお話です。

オペラ座の怪人の続編ということで、とても楽しみに行ったのですが・・・、これ、言ったら怒られるかも知れませんが、お話が、お昼の奥様劇場に成り下がっていました。私の好きなオペラ座の怪人が、低いメロドラマになってしまったのが、とても悲しいです。どうしてこうなるの?だって、オペラ座の怪人から考えると、話が繋がってないんですよ。
スミマセン、今回は、ネタバレをしないと感想が書けないので、ラストなどは書きませんが、ある程度、途中までのネタバレをしますので、知りたくない方は、この後は、読むのを控えて下さい。スミマセン。
( *´艸`)( *´艸`)( *´艸`)

では、本心を書かせて頂きましょう。このストーリーは、オペラ座の怪人が好きな方は、忘れた方が良いと思います。全てのイメージを崩してしまうからです。とにかく、酷い・・・。昼メロはダメでしょ~!!あのね、オペラ座の怪人の話のとても大切な部分というのは、クリスティーヌの思いでしょ。ファントムは師匠であり、ラウルは幼馴染。ファントムへの愛は、恋愛では無く、尊敬の愛であったハズで、ラウルへの愛は、恋愛だったんですよ。だからこそ、地下での、ラウルを助けて欲しいからファントムにキスをするという場面があるのに、その基本的な部分が、崩れてしまっているんです。
ファントムに会ったクリスティーヌが、最初に言う事が、「貴方との夜が忘れられなかった。」なんです。はぁ?ですよね。あんた、嫌がってたくせに、何言ってんの!!ラウルを愛してたんじゃないのっ!若くてイケメンで、お金持ちのラウルが好きだったんでしょ。(笑) もー、クリスティーヌが、マジで嫌な女になってるんですよ。友達に、こんな奴いたら、信用出来ないから仲良く出来ないよね。あっちにはこう言い、こっちにはこう言いって、会う人会う人に良く思われようとして、本当は貴方が好きって言いまくるんです。最低女だなっ!

で、衝撃の事実なんですが、実は、息子のグスタフが、ファントムの子供なんです。それを聞いた時、はぁ~!!!って口が空いてしまいましたよ。一体、あんたら、いつヤッたんじゃい!地下でベッドに寝ていた場面はあったけど、その時、ファントムに襲われて、一発ヤッたわけ?!あんなに清純そうにしてたくせに、クリスティーヌ、やることヤッてんじゃん!一発必中って・・・。それで、知らんぷりして、ラウルに”貴方の子よ。”って言ってたって、どーよ!それ、ラウルが大沢君状態じゃん!DNA鑑定が無いから確実には解らないだろうけど、それ、マジで許されないでしょ。酷い話だよなぁ。空いた口が塞がりません。
ファントムは、グスタフに素晴らしい音楽の才能がある事に気が付き、クリスティーヌに問いただすと、その事実が明かされます。その”本当は貴方の子よっ!”みたいな展開って、最悪なんですけど~。あのさぁ~、そこは嘘でも、ラウルの子ですって言わないとダメでしょ。そう言われても、音楽の才能を観て、自分の子だとファントムが確信するって言うなら解るけど、クリスティーヌが自分で”貴方の子”って言っちゃダメだよ。もー、最低の話になってしまいます。
もひとつおまけで、どうしてラウルが、ギャンブル三昧で借金だらけになっているわけ?オペラ座の怪人を観た限り、ラウルはギャンブルを好んでやるタイプじゃないですよね。彼が、借金まみれで、アルコール依存症状態だなんて言われても、それ、違うラウルじゃないの?って言いたくなってしまいます。例えば、事業に失敗してしまって、借金まみれになり、アルコールに依存していると言われれば、納得出来たのに。
アンドリューさん、何があったの?どうしてこうなっちゃったの?もー、残念でした。
私が観た舞台は、市村さんがファントム、クリスティーヌが平原さん、ラウルが橘さん、グスタフが加藤清史郎くんだったんです。市村さんは、文句に言いよう無く素晴らしいのですが、平原さんは、何を歌ってもジュピターに聞こえてしまって、あの癖のようなものが鼻についてしまいました。橘さんは、ちょっと私は、ダメだったなぁ。そして、一番良かったのは、加藤清史郎くん。いや~、驚きました。凄い練習をしたのかな。清史郎くんだけは、一切、音が外れないんです。半音でもなんでも、スッと出て、気持ち良く聞けるんです。これからが楽しみですよね。第二の三浦春馬くんになるのではないかと、とても期待しています。背が大きくなると良いけどね。でも、小さいままでも、伊藤くんみたいに演技が上手くて、安定した俳優になれるだろうし、本当に、清史郎くんだけは、素晴らしいと思いました。
ラストは、舞台を観るか、海外でやった舞台のDVDが出ているようなので、そちらを観て頂ければと思います。でも、オペラ座の怪人のファンであるなら、観ない方が良いかも知れません。ファントムのイメージが崩れます。昼メロで、「おくさ~ん、イイじゃないですかぁ~。昔は仲良くしていたじゃないですかぁ~。」って感じのファントムは、観たくないでしょ。
私は、この舞台、ちょっとお勧め出来ないです。市村さんの舞台は、いつも素晴らしいんだけど、今回は、ストーリーが酷いです。あのファントムとクリスティーヌとラウルが、昼メロ三角関係を繰り広げる話なので、どーも、あのオペラ座の怪人の世界観からかけ離れてしまっているんです。そんな訳で、私は、どうしても、納得が出来なかったんです。でも、続編なので、気になったら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
ラブ・ネバー・ダイ 日生劇場
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