生瀬さん、池田さん、古田さんのユニット、”ねずみの三銃士”の舞台「万獣こわい」を観てきました。チケットを取っぱぐれて、チケット、手に入らないかなぁと探していたら、「おけぴ」さんのサイトで、交換を出している人がいらして、運良く手に入りました。ありがたい事です。
ストーリーは、
東京のとある住宅街の古い喫茶店。「どんづまり」の名で親しまれたその店を買い取ったマスターは、妻・陽子とオープンに向け準備をしていた。そこへ、突然、一人の少女が飛び込んできて「助けて下さい」と訴える。”トキヨ”という名の少女は、8年間、マンションに監禁され、家族を殺され、逃げてきたのです。マスターと陽子に助け出されてから7年後、成人したトキヨが「どんづまり」に訪ねてきます。その後、幸せな生活を送れたので恩返しがしたいと、カフェの手伝いを申し出ます。2人は、トキヨを温かく迎え入れて、カフェも順調に営業していたのですが、トキヨの里親である”アヤセ”が訪ねて来てから、段々と、彼らの運命が崩れ始めて・・・。
というお話です。
とっても良く出来たお話で、オオッ、確かに”万頭恐い”だなって思いました。”万頭こわい”っていう落語を知っていますか?ある時、恐いものは何だという話をしているところへ、恐いものなど無いという男が入ってきて、本当に無いのかと聞くと、ただ一つ、万頭が恐いというんです。万頭が目の前に出てきたら、恐くて恐くてって言うんです。周りの男たちは、ここぞとばかりに、男の寝ている時に、男の枕元に山盛りの万頭を置いて、脅かしてやろうと思うのですが、その男は、”恐い恐い”と言いながら、美味しそうに万頭を平らげてしまうという話です。そうです、男は、好きなものをワザと恐いと言って、だましたんです。
そんなお話をベースに、このお話は始まります。トキコは、一見、普通の高校生に見えましたが、実は、色々問題があるんです。それは、観て貰わないと解らないんだけど、恐ろしいんですよ。そんな彼女を、誰もが、普通のカワイイ女の子としか見ていなくて、どんどん、巻き込まれて窮地に立って行く。
そうそう、先日見た「ジャッカス クソジジイのアメリカ横断チン道中」のように、老人と子供には、無防備になってしまい、騙されているとは思わないというのと同じように、可愛くて優しい女の子には、誰もが無防備になって、疑う事をしないんです。恐ろしいですよね。「ジャッカス」のように、かわいいイタズラなら良いんですけど、そうじゃないところが、超恐ろしいんですよ。マジでゾッとしました。
かわいい夏帆ちゃんに振り回されるオッサン3人と、栄子おねー様、小松さんの絡みが凄かったです。ネタバレになるような事が書けないのが残念ですけど、もう、本当に凄いとしか言いようがないんです。そんな凄い内容の中に、大笑い出来るような面白さがあって、笑いっぱなしなんですが、ゾッとするんです。こわいんですよ。
この3人のお芝居は、3作目らしいのですが、私は、今回、初めて観に行きました。もう、舞台の上で、楽しみながら、自分たちの思い通りに進めているという感じで、アドリブも随分あるんじゃないかなぁ。自分たちでも笑っちゃっているんじゃないかと思えるような部分もあったりして、スッゴク楽しいんです。そんな楽しそうに演じているのに、残酷な事をやっていたりして、不思議でしたよぉ。
一番のお気に入りは、長ネギで叩くところ。(笑)なんか、笑っちゃうんですよ。叩いているんだけど、笑っちゃうの。何なんだろう。こんなに残酷なのに、笑えるって、いけませんよね。(笑)舞台を観た後に、フランスパンを買って帰る道すがら、このフランスパンで叩いたら痛いだろうなぁなんて考えてしまいました。ああー、ヤバイっ!気を付けなくちゃ。
とにかく、面白い舞台でした。この面白さを、ネタバレしないで伝えるのは難しいです。でも、観て損はしない舞台なので、もし、観れる機会があったら、観てみて下さいね。
万獣こわい パルコ劇場 http://www.parco-play.com/web/play/manju/index.php
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