「遥かなる勝利へ」を観てきました。
ストーリーは、
1943年、かつてロシア革命の英雄として名をはせた元陸軍大佐コトフ(ニキータ・ミハルコフ)は、ドイツ軍要塞を囲むソ連軍の一員となっていた。スターリンの大粛清の犠牲者である彼は、強制労働収容所に送られたものの今やただの一兵士として生き長らえていたのである。ある日、彼らは酩酊(めいてい)した上官に要塞への正面突破という無理難題を押し付けられ……。
というお話です。
この映画は、ソ連の激動の歴史を3部作として制作され、その最後の作品となっています。もちろん、1作でも、十分解る作り方になっていますが、話が3作繋がっているので、全部観ると、最初の3人の男女が、最後にどうなるのかと言う事が判ります。1作目は「太陽に灼かれて」、2作目は「戦火のナージャ」、で、この「遥かなる勝利へ」となります。私は、「戦火のナージャ」は観たのですが、「太陽に灼かれて」は観ていません。
実は、あまり「戦火のナージャ」の印象がありません。だから、この映画は、シリーズ初めてのような感じで観ました。コトフは、ロシアの英雄だったのですが、失墜し、今や、前線に立つ一兵士となっています。そこへ、コトフと因縁のあるドミートリが訪ねてきます。コトフは、過去の因縁から逃れるために、ドミートリから逃げるのですが、結局は捕まってしまいます。ドミートリが訪ねてきた訳は、再度、コトフに階級を与え、ドイツの要塞を落とす為に指揮して欲しいということでした。断る事は出来ず、司令官として、今まで一兵士として戦っていた戦地へ向かいます。そして、ドイツ要塞への攻撃を始め、今までに無い作戦を遂行することになります。そんな戦いの中、行き別れていたコトフの娘ナージャは、コトフが戦う兵士の中に居る事に気が付きます。
「太陽に灼かれて」で描かれた人物たちの行き着くラストが、この映画では描かれています。コトフは、ナージャは、ドミートリは、どんな最後となるのか、その目で確認してくださいね。思ったのですが、これ、3作、連続で観れば、とっても面白くて、楽しめると思うのですが、忘れた頃に上映されたのでは、やっぱり前の内容を忘れてしまうので、感動が薄れてしまいますね。
コトフという英雄を中心に、ロシアがどんな歴史を辿ってきたのかと言う事が判り、面白いと思います。英雄だった男が、スターリンの大粛清により一兵士に落とされ、また、戦争が混迷してきた時、スターリンに呼ばれ、戦争に利用されるという、人生を時代に壊された男が、最後にとった行動とは何だったのか、面白いですよ。
とにかく、ドミートリっていう秘密警察の男が、どこまでもコトフに意地悪で、イヤな男なんです。まぁ、彼にも理由があるんですけど、でも、性格悪いなぁって思って、ムカつきました。どこの国でも、秘密警察なんて部隊に所属している人は、性格が悪くなるのかも知れませんね。この男の最後にも、注目してくださいね。
コトフの妻も、コトフの娘も、コトフが戦争に翻弄された影響により、大変な運命を辿る事になってしまいました。戦争というのは、戦う人間だけでは無く、全ての人々の人生を狂わせ、命を弄ぶ事になるんです。国を滅ぼすことになるかも知れないような戦争を、どうして人間は起こしてしまうのか、そんな疑問も投げかけてくる映画でした。
とは言え、3作、続けて観ないと、本当の感動は感じられないような気がしました。やっぱり、コトフを巡る沢山の人々の人生を、続けて観てこそ、面白いかと思います。
私は、この映画、お勧めしたいんですけど、これ1作だけ観るより、DVDなどで、3作続けて観る事をお勧めいたします。この3作目だけ映画で観て、1,2作目をレンタルするのも良いかな。私も、これから1、2作目を観ようと思っていますが、やっぱり、この作品を観ると、前の作品が気になってくるんです。3作、続けて観たら、本当に面白いだろうなぁ。私もこれから楽しみです。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・遥かなる勝利へ@ぴあ映画生活
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