【劇シネ】「フランケンシュタイン」カンバーバッチのフランケンは、本当に素晴らしいものでした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

演劇を映画にした”ゲキ×シネ”「フランケンシュタイン」を観に行ってきました。


ストーリーは、

ドイツのある村で目覚めた怪物は、自分が何者かを知らず、手や足の動かし方も知らず、声も知らず、産まれたままの姿で放置されていました。怪物は動き方を覚え、盲目の老人に出会い、教育を受けます。言葉を覚え、本を読み、音楽を知り、沢山の事を知って、ただ一つ、自分の持っていたフランケンシュタインの日記を手掛かりに、自分を作っただろうフランケンシュタインを探す旅に出ます。怪物は遠く離れたフランケンシュタインの元へ辿り着き、醜さゆえ人間達から忌み嫌われているので、自分の妻となり得る異性の怪物を造ってくれるように要求します。フランケンシュタインは、仕方なく作り始めるのですが、あと一息のところで、これは神への冒涜だと思い、怪物の女を壊してしまいます。創造主たる人間に絶望した怪物は、復讐のためフランケンシュタインの妻を殺害。憎悪にかられるフランケンシュタインは怪物を追跡し、北極海まで追って行く。

というお話です。


フランケン

この舞台、本当に良かったです。すごい感動でした。私が観たのは、怪物をベネディクト・カンバーバッチで、フランケンシュタイン博士をジョニー・リー・ミラーのバージョンです。これ、カンバーバッチさんが目的なら、この怪物役がカンバーバッチというバージョンを観ないと、博士の出番が少ないから、残念よね。まして、怪物は、ほとんどパンツ一丁だから、カンバーバッチ好きには、とても有難いバージョンだと思います。


まず、最初に怪物が産まれる場面からなのですが、産まれて直ぐって、もちろん、何も判らないですよね。自分が手や足を持っていることすら知らない。それの使い方も知らない。赤ちゃんは、産まれて泣くことしか出来ず、周りの動く人間を観て、動き方を学ぶんです。見本が無ければ、どう動くのかも解りませんよね。そんな産まれたてを、素晴らしく演じていて、この人、凄いなって思いました。だって、産まれ出たら、座るという事も知らないし、足で立つと言う事も知らない。とても不思議だけど、本当の事なんです。改めて、人間の初まりと言う事を考えました。とっても面白い着想です。


フランケン

色々な事を学んでいく怪物。もちろん、手ほどきをする人間が必要です。そこで盲目に老人が出てくるのですが、その醜い姿が見えない人には、怪物の心の美しさが見えるのですが、姿が見える人間には、姿の醜さしか見えないんです。目に見えるものしか人間が観ていないという事を描いていて、ここでも考えさせられました。


フランケンシュタイン博士の元にたどり着き、自分の妻となるべき人造人間を造って貰う事になるのですが、怪物は、何処へ行っても、その醜さゆえに襲われたり、怖がられたり、常に孤独だったんです。だから、自分と同じ人造人間で、自分を恐がらない相手が欲しかった。ただ、自分を愛してくれる人が居れば良かったんです。でも、その願いは簡単には叶いません。フランケン博士は、自分の研究を恐れ、怪物を恐れ、自分が作ったにも関わらず、恐れて、ドイツに捨ててきたんです。親が子供を捨てて、どうするんですか。ここでも、現代の親が子供を愛さない姿が見えて、何て奴だって怒りが込み上げました。自分が作ったんです、自分が望んで造ったんです。最後まで責任を取れって!トンデモナイよ。


フランケン

怪物は、無垢な姿で生まれ、無垢な心を持っていたのに、人間の醜さを学び、嘘を学び、復讐心を学び、フランケン博士の妻を殺してしまいます。でも、怪物にも心が宿っていて、罪悪感というものも学びます。殺人をした後に、心が痛い事を知るんです。ここで、本当に人間と同じ心を持ったのだと思います。


自分を造ったフランケン博士への憎しみと愛を知ったのだと思いました。人間とは、不思議なものですね。結局、綺麗な事だけでは無く、汚い事も知ってこそ、人間として完璧になるんです。美しいだけの方が、よっぽど幸せだと思うのですが、それだけでは人間では無いんですよね。悲しいけど、それが神が人間を造った時に吹き込んだものなのでしょう。


フランケン

本当に、人間って不思議。人間が人間を造る事は神への冒涜と言いながら、クローン技術などをどんどん研究して、人間も作れるようになってしまっている。技術の進歩を止める事が無いんです。でも、この技術の進歩により、今まであった自然が壊され、自然を壊した代償として、異常気象があり、人が死ぬことになる。このフランケンシュタイン博士と怪物と同じなんです。進歩した技術=怪物 を造り、恐れながらも喜び、そして怪物に家族を殺される事になる。怪物を止めたいと思いながらも、自分の技術を愛している。人間は、何なんでしょうね。色々なメッセージが隠されていて、感動でした。


カンバーバッチさんも、ジョニーさんも、舞台でこれ程の演技をしているからこそ、ドラマや映画で安定した演技が出来るのでしょうね。本当に、素晴らしかったです。海外の舞台って、まず観る事が出来ないし、有名な俳優さんが、舞台で演じている姿も観る事が無かったので、この映画を観れて、とても嬉しかった。ナショナル・シアター・ライブって、もっと上映してくれないのかしら。”戦火の馬”も観たいし、トム・ヒドルストンが主演の舞台もあるようだし、もっと観たいなぁ。こういう企画、もっとやって欲しいです。


フランケン

出来れば、舞台の映像前の宣伝のような部分とか、舞台裏の部分などにも、字幕を付けてくれると嬉しかったな。簡単な英語なら解るけど、トム・ヒドルストンが舞台の説明をしていた時の専門用語らしきものが解らなかったし、フランケンシュタインの舞台を説明してくれている部分も、良く解りませんでした。もし、DVDで出すのなら、付けて欲しいです。

本当に、もっと観たい。カンバーバッチのフランケン博士版も観てみたい。そういえば、”戦火の馬”の舞台を日本でやるようで、チケット販売が始まるようです。私は、”戦火の馬”の映画で、超感動をしたので、ぜひ舞台を観に行きたいと思っています。また、大泣きしてしまうだろうなぁ。渋谷のシアターオーブでの上演です。


フランケン

とても長くなってしまいましたが、それ程、感動したという事で、ご理解下さい。もし、また、観る機会があったら、ぜひ、観てみて下さいね。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ





《ナショナル・シアター・ライヴ『フランケンシュタイン』》@ぴあ映画生活




フランケンシュタイン [DVD]/ボリス・カーロフ,コリン・クライブ,メイ・クラーク
¥1,500
Amazon.co.jp

スター・トレック イントゥ・ダークネス ブルーレイ+DVDセット【2枚組】/クリス・パイン,ザッカリー・クイント,ベネディクト・カンバーバッチ
¥4,935
Amazon.co.jp

SHERLOCK / シャーロック [DVD]/ベネディクト・カンバーバッチ,マーティン・フリーマン,ルパート・グレイヴス
¥9,975
Amazon.co.jp