「エヴァの告白」を観てきました。
ストーリーは、
1921年、エヴァ（マリオン・コティヤール）と妹マグダ（アンジェラ・サラフィアン）は戦争の影響で情勢が不安定な祖国ポーランドを離れ、ニューヨークに到着する。だが、入国審査で医師に肺病と診断されたマグダは隔離され、二人は離れ離れに。入国を拒否されたエヴァは、ブルーノ（ホアキン・フェニックス）という見知らぬ男性のおかげで強制送還を免れる。
というお話です。
ポーランドから新天地に来て、必死で働いて幸せになる話かなって思っていたのですが、結構、ハードな話で、そんなに簡単な話ではありませんでした。エヴァは、妹と２人でアメリカに渡って来るのですが、妹は、肺の病気を疑われ、税関から出る事が出来ません。病院に隔離されてしまったんです。一人残されたエヴァも、アメリカに身寄りが無いんじゃないかと疑われ、ポーランドに送還されそうになるのですが、ブルーノに出会い、寸での所で助け出されます。
ブルーノは、初めて会った時に、エヴァに一目惚れをしたのではないかと思います。エヴァはとても美しく、儚げに見えて、守りたいと思ったのではないでしょうか。でも、ブルーノは、心の内を打ち明ける事はせずに、自分の仕事場でエヴァを働かせ始めます。
ブルーノの仕事は、ストリップショーなどをプロデュースすることで、何人もの女性を使っています。その一人として、エヴァを使う事になるのですが、エヴァの美しさは群を抜いていて、沢山の男の目に止まります。男の欲望の前に、お金が必要なエヴァは、仕方なく、身体を売る事に。ブルーノは、出来れば、エヴァにそんな事をさせたくないのだろうけど、お金を稼ぐ為には仕方が無く、エヴァの元締めとしてお客に斡旋するんです。その２人の姿は、とても悲しそうで、辛そうに見えました。
そんな２人の間に、オーランドというマジシャンが現れます。オーランドは、ブルーノの幼馴染なのですが、ある事がきっかけで、２人は仲違いをしているんです。オーランドは、エヴァに求婚し、とても優しく、紳士的に振る舞っていて、エヴァも、オーランドに惹かれて行きます。でも、ブルーノに助けて貰った恩があり、妹も、まだ助け出せていないので、簡単にブルーノに付いていく訳にはいきません。
エヴァは、妹を助け出す事に必死で、あまり２人の気持ちに気が付くことが無くて、配慮もしないので、ブルーノとオーランドは、２人で張り合い、険悪な状態となって行きます。ここで、エヴァが、２人の状態に気が付いて、どちらかを好きと言うか、どちらも気に入らないと言っていれば、悲劇に繋がらなかったかも知れないのに、エヴァは、自分の事しか考えていません。まぁ、女って、こういう人が多いんですけどね。自分中心にしか脳が働かない女って、結構、居るのよねぇ。ハッキリ言って、周りからすると迷惑です。
エヴァは、自分が妹を助けるためのお金を稼ぐために身体を売っている事を罪と思っていて、教会で懺悔をします。もちろん、聖書の”ヨハネの黙示録”に、”姦淫を地の王たちと行っている淫婦”という記述があり、姦淫は悪い事という考え方もありますが、マグダラのマリアは娼婦だったのではないかと言われながらも、イエスの足を香油で洗い、イエスの復活の証人にもなっている。イエスは、娼婦であろうと、汚れていようと、人の為に身を捧げる彼女を慈しんだのだと思います。だから、人の為に身を捧げるエヴァは、神に許されていると思いました。告白をしようとしなかろうと、神は慈しんでくださっていると思いますよ。
エヴァの告白を聞いて、考えを変えるブルーノの姿は、良かったですよ。エヴァの為に自滅して行く男を楽しむ、いや、悲しんでください。ホアキンが、いじらしい男を演じていて、ステキですよ。そこで告白しちゃえば良いのに～って、何度もイライラさせられましたが、そういう訳には行かないんだろうなぁ。可哀想でした。
そうそう、一番ムカついたのが、エヴァの叔父さん。自分の親族なのに、全く助けてくれないなんて、酷いと思いました。そりゃ、自分が生活するので精一杯というのもあるのかも知れませんが、せめて、仕事を紹介するとか、住むところを探してやるとか、少しは助けてやってもバチは当たらないと思うんだけどね。迷惑であるとは思うけど、その仕打ちはどうなのよっていう感じでした。酷いよね。
思っていた内容とは違い、ラブストーリーが中心の映画でした。３人の愛の行方を追うというもので、教会でのエヴァの告白を聞いたブルーノが、どういう行動に出るかがミソですかね。素直じゃない男って、面倒で難しいなぁ。
私は、この映画、お勧めしたいなと思いますが、単館系のゆっくりと進む映画が好きな方が良いと思います。早い展開が好きな方には、ちょっと退屈な部分が出てくるかな。じっくりした映画なので、疲れていない時に観て下さいね。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・エヴァの告白＠ぴあ映画生活