「エージェント：ライアン」を観てきました。
ストーリーは、
ウォール街にある投資銀行のコンプライアンスと経済テロ阻止を目的としたCIA情報分析班のアナリストという、二つの顔を持つジャック・ライアン（クリス・パイン）。ある日、モスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不審な動きをキャッチし、上官ハーパー（ケヴィン・コスナー）にエージェントの現地派遣を要請する。しかし、彼から返ってきたのはライアン自身による調査命令だった。チェレヴィン・グループへの監査を装ってモスクワへと飛んだライアンだが、そんな彼に同グループの警護員が襲い掛かってくる。
というお話です。
ジャック・ライアンが、まだ若い頃のお話です。確かに、今までのジャックは、既にＣＩＡの分析官だったけど、今回は、最初、学生の頃のジャックから始まっています。う～ん、最初ですが、ハッキリ言っていいですか！海外でも、ジャック・ライアンシリーズの中で、この作品が一番人気が無かったのですが、今回のジャック・ライアン役のクリス・パイン、ジャック・ライアンのイメージとかけ離れていると思いました。
ジャック・ライアンというのは、知的で、スマートでなくちゃダメなの。クリス・パインのジャックは、頭悪そうなのよっ！ただの筋肉バカに見えちゃうんです。だから、どこかに潜入して、時間勝負でデータを盗むとか、なーんか、ドタドタ見えちゃって、みっともないのよね。今までは、アレックとかベンとか、ハリソンとかが演じていたでしょ。それほどアクションはやらなくて、頭脳勝負っぽいんです。心理戦とかもあったし、そういうところが良かったんだけど、今回は、ただのアクション映画になっちゃっていて、ジャック・ライアンでなくても良いんじゃないのって感じだったんです。
内容としては、中東にパイプラインを通す事をアメリカが承認してしまい、ロシアがヨーロッパに売っていたガスの儲けが減ってしまう事が判り、ロシアは反撃をするために、アメリカの為替をバンバン買って、大きな事件が起こった時に一気に売って、アメリカの暴落を目論んでいるんです。もし、一気にアメリカ＄が下がったら、会社も潰れて、投資家も破産し、アメリカ経済は破綻してしまう。結構、解りやすい作戦を立てていて、映画を観ている人には、とっても解りやすかったと思いました。
でも、作戦としては、結構、粗い感じでしたね。もう少し、繊細な計画を練らないと、アホな筋肉バカのライアンにも解ってしまいますよ。”レッド・オクトーバーを追え”とか、良く練られた話だったけど、今回は簡単な感じでしたね。今回は、トム・クランシーの原作があった訳では無いとのことだったので、まぁ、仕方ないのかな。彼が書いていれば、もっと面白くなったでしょうね。
この為替関係のテロっていうのは、ある程度、毎日のように実際に行われている訳で、あながちウソでは無いので、面白いと言えば面白いのですが、その謎を解くのが筋肉バカのジャックなので、どーも、胡散臭いんですよ。頭脳派のジャックなら、おおっと思って、ドキドキ感が増していくのですが、今回は、どーも、”はぁ？アンタ、本当に解ってんの？”って感じがしてしまい、緊迫感があまり無かったですね。
そうそう、一番ダメって思ったのは、ジャックがバイクでテロの車を追って行くところ。ジャックは、自分でバイクとかに乗って、アクションとかはしないのよ。車でエージェントに追って貰って、自分は助手席で、謎を解いたり、敵と対話をして説得していったりするようなタイプの人間なので、これはあり得ないと思いました。それって、ジャックじゃないよぉ～！！
今回は、内容に関しては、それほど文句は無いのですが、主役が、ジャック・ライアンのイメージでは無かったので、辛かったです。ジャック・ライアンというキャラクターは、トム・クランシーの有名小説の主人公だし、既に、沢山の小説の中でイメージが固まっているキャラクターなので、そのイメージから外れていると、やっぱり、好まれないんじゃないかしら。だから、海外では興行成績が悪かったんだと思います。だって、ジャック・ライアンって、のちに、アメリカ大統領になるんですよ。それが、筋肉バカじゃダメでしょ～！！
という訳で、私は、まぁまぁ、お勧めしても大丈夫かなぁ？って感じです。ジャック・ライアンシリーズを知らない方なら、イメージが無いので、このジャックでも受け入れられるかも知れません。もし、ジャック・ライアンに興味を持ったら、ぜひ、他のジャック・ライアンシリーズも観てみて下さい。とりあえず、若い頃の筋肉バカなジャック・ライアンを観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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