今日も、まだ交通機関が怖い状態だったので、本の感想などなどを書きたいと思います。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日も、まだ、交通機関が安定していなかったし、長靴でゆっくり歩かないと心配な感じの状況だったので、映画館に出かけるのは諦めました。観たい映画は沢山あるんだけどねぇ。仕方ないですね。だって、雪が積まれているし、車はチェーンを巻いているし、日蔭はシャーベット状になっていて滑るし、怖いんですもん。転びたくないもんねぇ~。


という訳で、最近読んだ本について書いちゃおうかな。


「掏摸」  中村文則


東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎かつて一度だけ、仕事をともにした闇社会に生きる男。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前が死ぬ。逃げれば、あの子供が死ぬ……」運命とはなにか。他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の想い、その切なる祈りとは。

というお話です。


本屋さんの書評が良かったので、読んでみました。

うーん、私は、あんまりスッキリしなかったなぁ。スリの話なんですけど、ある事件に巻き込まれて、逃げられなくなり、利用されるという話なんですけど、勧善懲悪じゃないんですよ。全てを勧善懲悪にしろとは言いませんが、やっぱり、救いが欲しいんですよね。現実は、そうは行かないんだろうけど、小説なんだから、と思ってしまうのです。本を読む時って、どうしても主人公に自分を重ねて、入り込んでしまうでしょ。だから、辛い内容を読むと、その後、落ち込むんですよね。入り込み過ぎだって言われるんだけど、でも、そういう性質は変えられないのよぉ。

という訳で、この本は、あまり入り込まないで読める人にはお勧め出来るけど、入り込む人には、落ち込むので、あんまりお勧め出来ないかな。(笑) 本としては、面白いんですけどね。



掏摸(スリ) (河出文庫)/河出書房新社

¥494
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「最愛」  真保裕一


十八年間音信不通だった姉が、意識不明で救急病院に搬送された。重傷の火傷、頭部の銃創。それは婚姻届を出した翌日の出来事だった。しかも、姉が選んだ最愛の夫は、かつて人を殺めた男だという……。姉の不審な預金通帳、噛み合わない事実。逃げる男と追う男。「姉さん、あなたはいったい何をしていたんだ……」慟哭の恋愛長編。

というお話です。


真保先生の本なので、面白いかなって思って、読んでみました。”最愛”という意味が、最後の最後で判り衝撃を受けます。両親を事故で無くし、小さい頃にそれぞれに、親戚の家に預けられた姉と弟。別れて生きた為に、色々な問題を抱え、お互いに疎遠にならざるを得なかった2人。知らなかった姉の18年間を辿る内に、その壮絶な生き様と、彼女の深い愛を知る事になります。


彼女は、一人で生きる為にとても強い女性となり、正しい事を貫き、弱い人を助けるような、まるでヒーローのような人でした。弱い男性に寄り添い、助ける為に、事件に巻き込まれたのです。その事件とは何なのか、弱い男性とは誰なのか、何故、そんなに不器用な生き方を選んだのかという事を、弟が探って行き、衝撃の真実にたどり着くのです。愛って、誰にも止められないし、自分で止めようと思っても、止める事って出来ないですよね。愛してしまったら、どうしようもない。理由など、どうでも良い、愛しているんです。それって、人間なら判りますよね。それは、美しい事でもあり、恐ろしい事でもある。そんなお話でした。


これは、結構、読み進んでいくと、面白いです。謎を追って行く感じが、推理サスペンスっぽくて、どんどん先を読みたくなる話です。こういうのって、気持ち良く読めるから、移動中とかに読むのに良いんじゃないかな。私は、お勧め小説です。



最愛 (文春文庫)/真保 裕一

¥630
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「モルフェウスの領域」  海堂尊


桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。
というお話です。


この話は、時間軸で言うと「ケルベロスの肖像」の後になるのかな。だって、”なんちゃらセンター”が崩壊して東城大学が破綻した後の話ですから。コールドスリープというシステムが開発され、それで眠っている男の子と、その管理をしている女性の話なんです。結構、シビアな内容で、これ、もし、コールドスリープシステムで、不治の病を抱えた人が眠るようになったら、確かに、こういう問題って起きてくるよなって思えるお話でした。眠ったは良いけど、起きてみたら、世界が変わっている訳でしょ。自分の責任は自分で取れと言われても、子供だったらどうしようもないじゃないですか。親が残っているかも判らないし、何が何だか、理解するまでに時間がかかりますよね。まして、お金の問題も出てくる訳でしょ。自分の好きで眠ったのに、お金が尽きていたら、どうするんだろう。問題が山になっているんです。でも、システムがあるからって、進めてしまう。問題ですよね。iPS細胞や、STAP細胞が作られ、これから人間の病気の有り方が変わって行くという今、こういう小説って、とても大切な事を教えてくれているような気がします。

私は、この小説、お勧めしたいな。”チーム・バチスタ~”のグッチーも出てくるし、マドンナヴェルデの曾根崎も出てきますよ。面白いです。主人公の女性が、どういう選択をするのか、楽しみにしてください。



モルフェウスの領域 (角川文庫)/角川書店

¥580
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他に、やっと「脳男」を読み終えたり、何冊かあるのですが、またにしますね。とにかく、今は、ソチオリンピックを深夜まで観ていて、全然、寝る時間がありません。ああー、今、葛西さんが銀メダル貰ってるぅ~。この人、凄い人ですね。この年齢でも、まだ頑張れるんだって判って、私も、ボヤボヤしてちゃダメだなって思いました。レジェンドって、確かに、この人の為にあると言って良いかも。最高齢で銀メダルって、マジ、凄いっ!本当に、おめでとうございます。

明日こそ、普通の生活に戻れるかなぁ。映画に行きたいし、仕事もあるし、雪を何とかしてぇ~!
という訳で、皆さんも、読書に、ソチオリンピックに、楽しんでくださいね。カメ

今は、この「指し手の顔」を読んでいます。これも面白いね。脳男が生田君だって思って読むと、もっと気持ちが良いです。原作の脳男って、ちょっと普通っぽいんですもん。

指し手の顔(上) 脳男2 (講談社文庫)/講談社
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指し手の顔(下) 脳男2 (講談社文庫)/講談社
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