未体験ゾーンの映画たちで、「ブロークン・アイデンティティ」を観ました。
ストーリーは、
個人情報が網膜を調べるだけで完全に把握できる近未来。ある日、山小屋を訪れた医師ハイメ(アルバロ・ゲレロ)は、奇妙な風体の青年が倒れているのを発見する。記憶を失いおびえる青年を介抱したハイメは彼を病院に連れていくが、彼の網膜はどのIDとも合致しなかった。そんな中、青年を追ってとある組織が動き出し……。
というお話です。

医師のハイメは、台風の中で怪我をした男を見つけます。家に運んで看病をするのですが、山小屋での看病だけでは助けられないと解り、自分の勤めている病院に連れて行きます。近未来の病院では、人の網膜で人物確認をするのですが、この彼の認証は出来ず、登録が無い事が判ります。存在していないはずの男を治療するため、ハイメは、自分の友人の手を借り、病院の奥の部屋に彼を隠し、彼の全身検査を行います。そうすると、クローン手術でしか使わない薬品が彼の身体に使われていることが判ります。

この世界では、クローン移植は認定されていなくて、まさに、これから認証を受けるというところなんです。でも、まだ移植手術はしてはいけないのに、既に、彼の身体に移植手術が施されていると言う事が判り、それって、どういうこと?って調べて行きます。そんな中、彼の身体は、どんどん悪くなり、早く手術をしなければならないのですが、調べなければならないし、変な組織に命を狙われるし、絶体絶命になってしまいます。

そして、彼のクローン手術をした人間が判ってくるのですが、何故、彼の登録が無いのか、何故、彼にクローン手術が施してあるのか、何故と言う事が沢山あって、こんなんで、解決するのかよって思うのですが、解決します。(笑) クローン手術という言葉に振り回されますが、クローンが重要な項目では無いんですよ。彼の登録が無いのは、もっと、深い、人間のドロドロしたものが関係しているんです。解った時は、えっ?と思うと思いますよ。

メキシコの映画なのですが、これ、近未来としなくても、十分、成り立って、面白かったハズだと思いました。近未来のクローンというもので、目新しさを求めたのかも知れないけど、あまり役に立っていないような気がします。現代の設定で、SFとしなくても、この内容でまとめたら、人のドロドロした憎しみや恨みや欲望などが交錯して、面白く出来たろうと思います。

ハイメという人物なのですが、普通のオジサンであり、全然、ヒーローっぽくないところが、とても面白いと思いました。良く、普通のオジサンに見えて、すごい銃の使い方をしたり、アクションをしたりする映画もあるけど、このハイメは、最後まで、普通のオジサンでした。そんなところが新鮮だったかな。敵となる組織も、とんでもなく金持ちだったりして、メキシコの貧富の差ってすごいなと思いました。

ちょっと、違った世界を楽しむことが出来る映画だと思いました。私は、この映画、お勧めしても良いかと思います。B級で、ちょっと途中で振り回されるけど、最後は、そういう事かって納得出来るようになっているので、楽しめると思います。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
