「エンダーのゲーム」を観てきました。
ストーリーは、
強大な軍事力を持つ昆虫型生命体、フォーミックとの宇宙戦争を続けている人類。その第2次侵攻に備えるべく、世界中から優れた少年兵士たちが防衛軍ベースキャンプのバトルスクールへと集められ、宇宙で戦う技術と知識をたたき込まれていた。そんな中、戦いを終わらせる特殊な能力を秘めているとして少年エンダー(エイサ・バターフィールド)もベースキャンプに送られる。生命を持つ者同士が戦争で殺し合うことに強い疑問を抱きながらも戦士の才覚を発揮し、少年戦士の指揮官となるエンダーだった。
というお話です。
SF小説としては、とても有名な話なのですが、私は原作を読んでいないので、比較することは出来ません。でも、映画を観て、大体、原作は、こんな風なんだろうなっていうイメージはつかめました。今、この映画を観ると、それほど驚きは無いだろうけど、原作が書かれた頃は、ゲーム的に戦争をするという感覚が無かったと思うんです。だから、大きな賞を貰えたと思うし、この小説を元に、色々なアニメやゲームが出来たのだと思います。
映画としては、結構、無理して沢山描こうとしたからなのか、ダイジェストっぽい感じで、あまりエンダーの心情を深く描いたりはしていなくて、ちょっと、そこら辺は残念でしたね。エイリアンと戦う前のバトルスクールの部分を、もう少し削って、エンダーの心を細かく描いていたら、ラストの激しいエンダーの心の動きも、良く理解出来るようなつくりに出来たと思うんですけど。ちょっと、浅い感じがしました。
話に関してですが、エイリアンに攻められて、何とか食い止めたけど、また攻めてくる”ハズ”だと言って、子供たちを集めて、兵士として訓練するって、それ、どーなのかなぁと思いました。攻めてくるハズって、もしかして攻めて来ないかも知れないのに、戦う気満々って事でしょ。もし、攻めて来なくて、こちらから攻撃を仕掛けるって事なら、今度は、自分たちが侵略者って事になる訳で、それって、極悪エイリアンが自分たちって事になる訳で、それって、間違っているよね。でも、先手必勝と言うから、本当に戦争になったら、そういう事も必要なのかも知れません。戦争って、難しいよねぇ。

良く、対話すればって言う人も居るけど、今の日本を見て解るように、対話をして、良かれと思って、譲歩してあげたら、今度は、それを楯に取って、もっと要求してくるという国が近くにいくつもあるでしょ。対話になって無いんですよ。良い様に利用されるだけ。相手は、裏切る事など全く気にならない民族なんです。だから、対話をすれば、良くなるなんて思うのは、本当に戦った事の無い人間なんだと思います。地球上でもこんなに理解し合えないんだから、異星人と理解し合おうって、超難しいよね。まして、昆虫型エイリアンって、虫と意思の疎通が出来そうにないもんなぁ。動物や爬虫類ならまだしも、虫でしょ~。ムリよねぇ。(笑)ちなみに、カメとは意思の疎通が出来ます。(笑)
そんなエイリアンを知りもしないで戦わされるエンダーは、やっぱり、かわいそうだなと思いました。戦うなら、まず、敵を知るところから始めるはずでしょ。それなにに、大人たちは、相手がエイリアンで昆虫型だという情報しか与えず、悪い奴だから倒さなければならないと言うだけ。それって、子供からすれば納得は出来ないよね。もちろん、ゲームをして、勝ちたいって気持ちはとても解るんだけど、ゲームの敵は命の無いモノでしょ。相手に命があると解ったら、やっぱり、簡単に全滅させるなんて出来なくなるよね。WIN WINになれれば良いのに、戦争では、そんな事はあり得ないのでしょう。悲惨な事です。
この映画では、子供がゲームとして戦争をするという、命というものを認識させないで戦わされてしまうという、仕組んでいる大人の汚さが描かれていたと思います。子供は無垢で、純粋にゲームを楽しむので、必死で戦う大人よりも先が読めるのだと思いました。恐ろしい事です。こんな未来にならないように、子供には、命というものの大切さを教えて行きたいですね。
私は、この映画、SF好きな方には、お勧めして良いと思います。普通の恋愛映画とか、アクション映画とかが好きな方には、ちょっと物足りないかな。SFの定義や、この作品から、SFというものが広がって行ったんだというところを楽しめる方には、面白い作品だと思います。ぜひ観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・エンダーのゲーム@ぴあ映画生活
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