「ソウルガールズ」を観てきました。
ストーリーは、
1968年のオーストラリア。アボリジニの居住区で生活しているゲイル(デボラ・メイルマン)、ジュリー(ジェシカ・マーボイ)、シンシアは、小さな頃から歌うことが大好きな3姉妹。いとこのケイと一緒にカントリーミュージックを歌いながらシンガーとして成功をつかもうと奮闘していたが、コンテストに出場しても先住民族に対する偏見や差別から落選させられてばかり。意気消沈する四人だが、ミュージシャンを自称する男デイヴ(クリス・オダウド)と出会い、彼からソウルミュージックのレッスンを受ける。
というお話です。
何となく、お話としては、ドリームガールズのオーストラリア版って感じで、先の見える映画でした。でも、判っているからこそ、楽しめるってところもあるので、結構、楽しめるし、感動する映画ですよ。デイヴと出会うまでは、なんか、ゴタゴタしていて、あんまり面白くないんですけど、デイヴと出会い、歌手として成長して行く姿は、本当に楽しめます。
アボリジニというのは、オーストラリアの先住民であり、差別を受けているんです。白人が黒人を差別するように、まるで汚い物を見るかのように、アボリジニたちを遠ざけているのですが、たまに、アボリジニの中に色の白い子供が生まれる事があり、アボリジニの数が増えるのを嫌う白人は、白い子を連れてきて、白人の子として育てるという政策を取っていました。だから、アボリジニたちは、白い子が生まれると、白人から隠していたのですが、ケイは運悪く、白人に捕まってしまい、白人の家で育てられます。
4人の女の子のグループから一人抜け、結局、バラバラに歌手を目指して奮闘していたのですが、ある日、デイヴと出会い、もう一度、4人で歌いたいと思い、白人の家にいるケイを訪ね、一緒に歌おうと誘います。そして、再結成した”サファイアズ”は、その歌声で、ベトナム戦争で疲れた兵士たちを癒す旅に出ます。
戦地では大盛況で、その声に誰もが癒されます。4人とも、大人気で、彼氏が出来たりして、なんか、これからどんどん人気が出ちゃうんじゃないの~って感じを醸し出しているんだけど、そんな中、戦況が悪化し、あっと言う間に、彼女たちも戦火の中、逃げなければならず、戦争の恐さを思い知ります。
彼女たちの成長を描きつつも、世界の情勢を組み込んでいて、キング牧師の死によって、沢山の黒人が悲しがり、打ちのめされている姿も描かれていました。キング牧師により、差別が無くなるのではないかと期待していた人々は、黒人だけでなくて、アボリジニにもたくさんいたという事を、初めて知りました。アボリジニという人々が差別されている事さえ、ほとんど知らなかったので、こんなに酷い扱いを受けていたという事に驚きました。色が白いと言うだけで、親から引き離されるとか、驚きです。酷い時代です。
それほど、何か凄い事が起こる訳では無く、彼女たちの成長物語なので、安心して観ていられますが、ちょっと物足りない気もしました。”ドリームガールズ”の時は、一人が脱退したり、お金の問題があったり、色々あったけど、この映画は、それ程、色々な事はありません。でも、実際に居たグループのお話なので、当たり前ではあるのですけどね。
私は、この映画、まぁまぁお勧めしても良いかなと思います。但し、単館系の映画などでも、納得出来る方でないと、眠くなると思います。歌がとっても心地よいし、気持ち良くなるんですけど、派手な内容ではない為、気持ち良くて眠くなるんです。(笑)でも、良い映画だと思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さいね。
ぜひ、楽しんできてくださいね。