【演劇】「さらば八月の大地」山田洋治監督の初めての舞台演出。今、中国の話はちょっと微妙です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「さらば八月の大地」を観てきました。


ストーリーは、

時は、日本と中国との関係が悪化していく太平洋戦争時代。舞台は満州の満州映画協会撮影所。中国人の映画助監督の張凌風(中村勘九郎)は、仕事に対して誠実で、監督からも好かれる真面目な青年。張凌風は、撮影所で懸命に働く日本人の撮影助手(今井翼)と厚い友情で結ばれていく傍ら、日本人女優・陳美雨(檀れい)と恋に落ちていきます。日本と中国、この2つの国の国境を越えた友情や恋に燃える若者たち。

というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-さらば八月

日本が中国を統治していた時代に、中国にあった映画撮影所のお話です。第二次世界大戦の末期、既に、映画館なんて、ほとんど営業していなかったと思うのですが、まだ、映画を撮っていたんですね。そんな時代に、撮影所で、日本人と中国人が一緒に映画の撮影をしていたんです。撮影所の理事長は、軍部にも顔が利くようで、撮影所の人間には、結構、自由にさせていたようです。理事長が言うには、満州映画協会なんだから、満州人に観て貰える映画を撮影するんだということでしたが、映画監督には、その意図が解っておらず、どうしても日本人的な映画の撮影になってしまい、いつまでもまとまる事がありません。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-さらば八月

そんな中、戦況は日本に不利な状況となり、中国人は、統治していた日本人を良く思っていないので、段々と立場が変わって行きます。それにしても、観ていて思ったのは、日本が統治していたってことは、植民地だった訳でしょ。で、戦争で解放されたってことなら、それで終わりじゃないの?なんで、いつまでもしつこく文句を言い続けるの?植民地だったんだから、解放されただけで十分でしょ。フランス、イギリス、スペイン等々、植民地を解放したら、別に、その後、文句なんて言わせないですよね。まして、国民たちがすごい運動をして取り返したんじゃなくて、タナボタで解放されたんでしょ。全く国としての力が無かったのに、本当に酷い国だなぁと思い返しました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-さらば八月

話戻して、この話の中では、映画を作るということでは、日本人も中国人も同等で、同じように撮影所の中では仕事をしているんです。日本から来たばかりの池田五郎(翼くん)は、まだ、それに慣れていなくて、中国人を差別するような発言があったりするのですが、時間が経つにつれ、張(勘九郎さん)と解り合えるようになります。同じ映画人として、一緒に良いものを作るのだということを共有したのです。


折角、解り合えて、映画制作出来ると言う時に、敗戦の連絡があり、日本人は日本に帰る事になります。敗戦でショックを受ける者や、悲しむ者、喜ぶ者、様々な姿が描かれ、その時代の背景がどんなものだったのか伝わってきました。


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山田監督は、初めての演出だったから仕方ないのかも知れませんが、舞台の幕が多過ぎて、ちょっと違和感がありました。結構、最近の舞台は、舞台装置を変える時も、幕を下ろさないで、そのまま、ササッと黒子が変えてしまったり、長塚さんの舞台などは、最少の小道具のみで、後は、役者の演技で、舞台を変えて行く様子を観せたりなので、幕を毎回下すと言う事が不思議に見えてしまいました。


確かに、山田監督なので、舞台としての絵は素晴らしくて、光の当たり方なども美しいので、満足は出来るんです。でも、舞台だと、役者の顔などがアップで見える訳では無いので、細かな心の動きでも、大げさにやって貰わないと、解りにくいんです。きっと、悲しんでいるんだろうなぁとか、怒りがあるんだろうと思うのですが、ちょっと上の方の席だと解りにくかった部分がありました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-さらば八月

内容に関してですが、あまり盛り上がりが無いので、淡々と進んで行くし、ちょっと暗めの舞台なので、眠くなってしまうんです。日本人と中国人の友情と言いながらも、どーも、やっぱり、日本人が悪く描かれているように思えてしまって、というか、日本人はバカで悪者という感じが根底にあるように見えて、どうしても素直に楽しめ無かった部分がありました。


もちろん、私の偏見があるのだと思うのですが、中国人とは、いつになっても仲良く出来ないよなぁと思った今日この頃でした。(笑)


俳優の方々は、もちろん、上手いので、文句の付けようがありません。特に、撮影所の理事長高村役の木場さんは、舞台の全てを引き締めていて脱帽でした。勘九郎さんは、中国人の役だったので、普段の雰囲気とは違いました。壇さんは、やっぱりお綺麗なので、それだけで目が行ってしまいました。特に、歌を歌う部分があるのですが、さすがに宝塚、本当に上手かったです。翼くんは、元気で若い青年の役だったので、ピッタリでした。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-さらば八月

もう上演は終わってしまうのですが、もし、気になったら、調べてみて下さいね。

ぜひ、楽しんでください。カメ





さらば八月の大地   http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/schedule/2013/11/post_116.php