【東京フィルメックス】「若さ」若さで突っ走っても、何の役にも立ってない事がほとんどです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

東京フィルメックスで、「若さ」を観ました。


ストーリーは、

テルアビブの衛星都市ペタ・ティクバに暮らす兄弟、ヤキとシャウル。父親が職を失い、重苦しい空気が家族を覆う中、18歳になって兵役についたヤキは初めて銃を手にして巡回の任務につく。一方、シャウルは美しい少女の後をつけ、撮影した少女の映像を携帯でヤキに送る。ある日、二人は少女を誘拐して小部屋に監禁し、少女の家族に身代金を要求する。だが、彼らはその日が"シャバト"であることを忘れていた。正統派ユダヤ教徒である少女の家族は電話をとることをしない。時間は刻々と過ぎてゆく......。

というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-若さ


経済格差、兵役、宗教など現代イスラエルが抱える様々な問題をあぶり出す監督デビュー作。


イスラエルの現代って、こんな風なんですね。ほとんど、日本と変わりがないんです。日本と同じように、景気が悪くなって、リストラがあり、ホームレスなども増え、国全体が、何となく暗い感じなの。主人公の家族は、中間層だって思っていたのに、景気の下落で、仕事の数も減り、生活のレベルが下がり、ギズギズした生活になって行く。そんな家族の姿を、生々しく描いています。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-若さ

兄のヤキは、兵役について、休暇に帰ってきます。弟のシャウルは、まだ学校に行きながら、バイトに励んでいます。そんな2人の父親はリストラされ、新しい職を探しているのですが、どうしても見つかりません。母親は内職をしているのですが、それだけでは、家の家計は火の車です。住んでいるアパートも取られそうになり、両親が困っている姿を見て、兄弟は、誘拐を企てます。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-若さ

ある女の子を標的として、誘拐に成功するのですが、家に電話しても電話に出ず、メールで写真を送っても返信が無いんです。ちょうど、ユダヤ教の安息日に当たっていて、どうも、彼女の家は、宗教を厳密に守る家族のようで、いつもほっつき歩いている娘が、たまに帰ってこなくて、連絡が無くても、あまり気にしていないのかもという感じでした。


兄弟は、とにかく、直ぐにお金が必要なのに、安息日が終わるまで待てないと言って焦るのですが、どうしようもないですよね。折角、危険を冒してまで誘拐したのに、なーんにもならないじゃんって焦って、彼らが取った行動とはなんだったのか。それは、映画を観てくださいね。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-若さ

本当に、若い頃って、目先の事しか考えてなくて、何とかなるよねなんて思いながら行動してしまうんですよね。確かに、そういう行動力が必要な時もあるし、大切な事だけど、ハッキリ言って、若い頃のそういう行動は、必ず、肩透かしです。結局、何の役にも立たなかったってことがほとんどです。でもね、こういう行動って、役に立たなくても、大切なんですよ。その経験は、それから一生、自分の宝になるはずだし、良い事も悪い事も、それからの人生の糧となるんです。だから、なんでもやってみることって、大切ですよ。


ま、でも、この兄弟の思いは、やっぱり空回りで、すごく家族への愛があるんだけど、やっぱり、若いってこういう事よねって思ってしまうような結末でした。でも、きっと、この兄弟は、ずっと仲が良いと思うし、相手の事を、深く思ってあげられるような心の持ち主に成長して行くのでしょう。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-若さ

この監督のデビュー作だそうですが、本当に、細かいところまで考えられていて、凄いなって思いました。良く出来ている作品です。日本公開は、どうなのかしら。イスラエルの現状が、とても日本に似ているので、日本公開しても、これ、共感を得られるんじゃないかなと思いました。


私は、お勧めしたい作品なのですが、公開が解らないので、もし、観る機会があったら、観てみて下さいね。ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




東京フィルメックス 「若さ」   http://filmex.net/2013/fc01.html