「悪の法則」を観てきました。
ストーリーは、
メキシコ国境付近の町で弁護士をしている通称カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、恋人ローラ(ペネロペ・クルス)との結婚も決まり人生の絶頂期にあった。彼は実業家のライナー(ハビエル・バルデム)と手を組み、裏社会のブローカー、ウェストリー(ブラッド・ピット)も交えて新ビジネスに着手する。その仕事は巨額の利益を生むはずが……。
というお話です。
法則を操る黒幕は誰なのかっていうフレーズですが、始まって直ぐに解ると思います。最初に思った人で当たりでしょう。私は、まさか、こんな簡単な訳がないと思って、色々考えましたが、何の裏もなく、そのままスルーでした。これだけ捻りが無いのでは、アメリカで成績が悪かったのも頷けます。みんな、なーんだって思ったんだと思いました。
主人公のカウンセラーは、彼女との結婚も決まって幸せな時を過ごしているのですが、そこで、欲をかいてしまい、つい、裏の仕事に手を出してしまいます。ま、メキシコと言えば、お決まりの麻薬取引ですね。お金さえ沢山あれば、彼女との生活も楽になるし、幸せになれると思ったのでしょう。浅はかですねぇ~。裏の仕事など慣れていないのに、最初から大きな取引をしようとするので、もちろん、横から狙ってくる奴も居る訳ですよ。
で、まんまと横取りされるのですが、もちろん、麻薬カルテルもそんな横取りを許す訳がありません。取り返す手立てを講じて、再度、狙ってくるのですが、既に、その時点で、カウンセラーたちの出番はありません。もう、カウンセラーたちがグルで、横取りしようとしているか、横取りの手助けをしたという事になってしまっています。言い訳など関係ありません。彼らが責任を取らなければならないんです。
簡単に儲かる話など、ある訳がない。必ず大きなリスクを背負うことになるという認識が無いところに、このカウンセラーの甘さがあります。今まで、順調な生活を送ってきて、危険な目には合ってこなかったのでしょうね。痛い目に合えば良いとは思いますが、あまりにも大きな代償を払わなくてはならないことになり、さすがに同情してしまいました。足は何度も噛まれた方が、危険な事に関しての感が働くようになる。噛まれたことが無い人間は、いきなり切断という場面に来ると対処が出来ない。その典型ですね。
この世のお金は、限られているので、誰かが手に入れれば、誰かが無くしているんです。株や為替の市場を見ていれば判りますよね。もちろん、現実のお金も同じです。誰かが儲けたいと思えば、誰かが損をしているんです。みんなで分け合えばよいのに、必ず、誰かが独り占めをしたいと思う。そんな世界に巻き込まれないよう、気を付けましょう。
カウンセラーは、ちょっとした欲の為に命の危険に晒され、恋人も巻き込まれ、最悪の状態に向かって進んでいきます。もう、こうなると、「アホだねぇ、あんた」って言うしか無いですね。救いようがないんです。一度、悪に睨まれてしまったら、どんなにもがいても、逃れることは出来ません。ただ、犠牲になるだけなんです。諦めるしか無いですね。
途中で、笑える部分などもありますが、結構、ハードな内容で、ただ、カウンセラーが落ちていく様を見せられるだけですので、元気な時に観た方が良いと思いますよ。疲れますから。蛇に睨まれたネズミは、呑まれるしかないんですよ。仕方ないんです。それを徹底的に見せられるというお話でした。それにしても、笑えるセリフが結構、ありましたね。ある部分が、ナマズ(コリドラス)の口のように見えるとか、なんか、生々しくて、大笑いしたかったけど、ちょっとためらってしまうほどでした。男の考えることは笑えるなぁ。会社で飼っているコリドラスを見る度に、笑ってしまいそう。(笑)
私は、あまりお勧めは出来ない内容だけど、でも、出演者が豪華なので、観るべきかも知れません。ハリウッドスタウーの姿だけでも、観る価値があるかも知れませんね。ストーリーは、スッキリしないし、首切り殺人が多いのでキモいし、結構、残酷な内容なので、覚悟して観に行ってください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・悪の法則@ぴあ映画生活