「ゆるせない、逢いたい」の試写会に連れて行ってもらいました。
ストーリーは、
母と一緒に郊外に引っ越した高校生の木下はつ実(吉倉あおい)は、母と考え方が合わない上に新生活になじめず孤独を感じていた。そんなある日、はつ実は古紙回収の仕事をする野口隆太郎(柳楽優弥)と出会う。親に捨てられた隆太郎と孤独なはつ実は惹(ひ)かれ合うが、はつ実の母親が彼女の携帯を壊したことから連絡が取れなくなってしまう。数日後、はつ実の姿を目にした隆太郎は感情を抑えられず、はつ実を襲ってしまう。というお話です。

私、簡単なあらすじを読んだ時は、これは、レイプとかで苦しむ話なのかと思っていたのですが、観てみると、描いているのは、全く違いました。もちろん、レイプは大きな犯罪だし、犯人は罰せられるべきだと思います。でも、もしそれが好きな人だったら、もし信頼している相手だったら、それは、また違ってきます。まず、何故?っていう言葉が出てきますよね。頭では、好きになって、愛になって、その先に身体の関係がある事も解っています。でも、それが一気に押し寄せてしまったら、戸惑い、撥ねつけてしまうかもしれない。恐くなってしまうかもしれない。それは、若ければ当たり前だし、経験が無ければ、なおのことです。

反対に、男性の側からすれば、好きになってしまい、どうしても思いを伝えたいという強い思いが募ってしまったら、本能の部分が出てしまい、強い行動に出てしまう事もあるのかも知れない。もちろん、理性で押さえて欲しいけど、こちらも、若ければ若いほど、理性を保たせるのはキツいことだと思います。本能が出てしまえば、その先に何が待っているかも、きっと、頭の中に解っているのだろうけど、それでも抑えられないのでしょう。それを容認は出来ないけど、でも、私は、その本能の部分がある事は理解出来ます。
だからこそ、この話は、とても重要な事を描いていると思うし、そういう時の大人の対処の方法が間違っていると、大変なことになるということも描いていて、とても良いと思いました。この話、ちょっと間違えたら、この続きの話が、「さよなら渓谷」になっていたと思います。「さよなら渓谷」は、大人の対処の方法が間違っていたという典型でしょう。子供の心を壊してしまったんです。だから、彼女は、大人になっても辛い人生を送っていたのだと思います。
今回は、今一歩のところで、はつ美が自分の意思表示をしたことにより、壊れてしまうのを回避したと思います。本当に良かった。事実に向き合わなかったら、いつまでも引きずる事になってしまうから、忘れる事は出来なくても、その事実に押し潰されることは無くなったのではないかと思います。
一番の問題は、母親が弁護士で、変に法律などの事に詳しくて、子供の話を一切聞かずに、自分の思い通りに娘を動かそうとすることです。娘の為にって言っているけど、ただ、自分の所有物を傷つけられたから報復をしたいというようにしか見えないんです。そこに心が見えない。子供の心はマニュアル通りではなく、個々の心を持っているので、個人を尊重しないとね。はつ美がとっても可愛そうでした。

もし、私が母親なら、まず病院へ連れて行って、診察をして貰って、証拠を揃えて、警察へは行きません。相手の男を捕まえてきて、袋にしますね。それこそ、報復です。それは合法では無いけど、でも、娘に、どうしたいか決めさせます。好きなら、そこで相手と話して決着を付ければよいし、イヤなのに強引にと言う事であれば、犯罪と言われようと相手を潰します。たとえ自分が犯罪者になろうと、娘の為ならやると思う。娘の望むようにしてやるのが、親の役目だと思うから。法律は守ってくれるものでは無いです。法律は利用するものです。だから、警察に頼ろうとするのは最後にしなければね。それまでにやれることはやって、収集が付かなければ、証拠を持って、警察に行きましょう。頭を使って、バカな親と思われないように気を付けてくださいね。

この映画、とても重要な事を描いていたと思いました。レイプって、本当に色々な事情があって、ただ、相手を犯罪者にすれば良いと言うものでは無いと思います。だって、犯罪者として警察に突き出しても、何年かすれば、社会に出てきてしまう。この映画のようなケースであれば、話し合うことが一番の解決だと思うし、女性も傷が大きくならずに済むと思いました。相手も、自分のやったことを直視することが大切でしょ。それとは違い、欲望の為だけのレイプなら、それなりの報復が必要なんじゃないかな。刑務所に入れても、出所したら同じ事をするでしょ。性犯罪は更生なんてしないもん。本当に、影の仕事人みたいな人たちに、すべて局部を切るようにして貰いたいよ。

この映画、私は、超お勧めしたいと思います。あまり上映館が無いようなのですが、もっと色々なところで上映して欲しいな。出来れば、若い子に観て欲しい。もちろん、親の年代にも観て欲しいけど、若い子に、こういう事もあるのだと言う事を理解して欲しいです。辛い内容の部分もあるけど、主演の2人がとても柔らかく演じていて、こういう映画なら、教育的にも見せた方が良いと思いました。色々な事を知ってこそ、良い成長があるからね。皆さんも、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。