「かぐや姫の物語」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、(もちろん、知っているとは思いますが。)
ある日、竹取の翁は竹やぶの中で美しい女の子を見つけ、天からの授かりものとして育てることを決める。女の子は竹の子のような速度で成長し、翁は竹やぶで見つけた金を基に都に屋敷を建設。女の子は“かぐや姫”として高貴な姫になるべく教育を受ける。沢山の求婚を受け、幸せに暮らせると思ったのですが・・・。
というお話です。
昔から、日本人なら一度は聞いたことがあるお話ですよね。「かぐや姫」という話は、おとぎ話でありながら、考えれば考えるほど、不思議な話で、SFとして話されても良いですよね。だって、月から来てるって、宇宙人じゃないですか。地球に簡単に来させることが出来るということは、すごい科学も発達していて、もし、攻めてこられたら、一発で負けてしまうほどの力を持っているはずでしょ。昔は、神が月に住んでいると思われていたからだと言われれば、まぁ、そうなんだろうけど、とっても不思議な気がします。
お話の根底に流れているものは、人間の情と、自然との交わり、昔から伝わる日本の伝統や理も伝えられています。でも、こういう昔話を聞く度に、お金持ちになれば幸せになれるような話に聞こえて、不思議に思いました。かぐや姫でも、竹取の翁は竹林で月からの金を手に入れ、お金持ちとなって大きな屋敷などを手に入れているし、一寸法師も鬼と戦って宝物を持って帰ってくるし、花咲爺さんも犬が小判を掘り当てるし、みんな、お金持ちになって、しあわせになりましたってお話でしょ。まぁ、お金はあった方が良いけどね。
ひとつ、かぐや姫が他の話と違っているのが、お金持ちで幸せなんだけど、姫は月へ帰ってしまう。ここで、姫が育ての親からの愛を貰っていなければ、月に帰るのも仕方ないと思うんだけど、育ての親は、とても姫を大切に思っていて、愛しているのに、どうしてすべてを捨てて月に帰ってしまうのか、どうしても納得が行かないんですよね。約束事だからっていうのは解るけど、それも罪って事なのかしら。
罪と罰って言うけど、姫は何が悪かったのか、良く解らなかったんですけど。だって、ただ、月から送られて、大切に育てられて、普通の人間の子供として育った訳でしょ。翁夫婦は、とても姫を愛して、姫もそれに答えていた。もちろん、娘だから、わがままを言う事もあるけど、それって、普通の事でしょ。結婚がイヤで無理難題を言うのも、あの年頃の娘なら当たり前。とってもかわいいと思ったんだけど、それがイケなかったのかなぁ。
そういえば、かぐや姫って、帝に求婚されるでしょ。それを拒んで、月に帰るのですが、これ、あの時代にすごい話ですよね。神として地上に居る帝を裏切る行為をするかぐや姫って、普通なら打ち首でしょ。かぐや姫は、月に帰っちゃったから良いけど、残された翁たちは大丈夫だったかしら。とても心配です。
話は、昔話なので、その内容については、ま、ここら辺にしておいて、とにかく、映像が素晴らしかった。絵が美しいんです。鉛筆で書いた線に、水彩で色を付けて行ったようなアニメーションに仕上がっていて、これこそ、日本のアニメだと印象付ける映像だと思いました。もう、このアニメを見せられてしまったら、CGで作成されているアニメのペッタリした絵は、薄っぺらく見えてしまい、絵の評価なんて出来なくなってしまうと思います。
ジブリ作品なので、私が言うまでも無く、皆さんが観に行ってくださると思うのですが、私も、お勧め映画です。この懐かしい日本の美しさを、堪能していただきたいし、昔話って、何か、教えてくれているような気がします。知っているお話なのに、何故か、観た後にすごく感動してしまう作品で、ぜひ、観に行って欲しいと思います。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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