「42~世界を変えた男」を観ました。
ストーリーは、
1947年。ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、黒人青年ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と契約、彼をメジャーリーグ史上初の黒人メジャーリーガーとして迎える。だが、白人以外には門戸を開かなかったメジャーリーグにとって彼の存在は異端なものでしかなく、チームの選手たちはもちろん、マスコミや民衆からも糾弾される。そんな状況ながらも、背番号42を誇るようにプレーするジャッキーの姿は次第に人々の気持ちを変えていく。
というお話です。
私、あまり野球に興味が無いので、この作品も、それほど興味があって行った訳では無いのですが、途中から手に汗握る感じになってきて、途中で涙が出そうになりました。とても良い感動作になっていたと思います。でも、きっと、本当は、もっとえげつない嫌がらせや、大変な事もあったんでしょうね。白人にも黒人にも、とりあえずは受け入れられやすいような内容になっていたと思います。
アメリカで、メジャーリーグに初めて入った黒人の選手のお話なのですが、戦後、直ぐだったんですね。映画の中で、日本がドイツの敗北から2か月後に降伏したっていうニュースが流れたりしていて、日本は、全て最初からやり直しをしたけど、アメリカも、やり直しをしていたんだなって思いました。
そんな時代に、一緒に戦争を戦ったのだから、白人も黒人も一緒に生活して行けるのだと、平等なのだという考え方を始めたアメリカ人たちの成長を描いていて、人って、少しづつでも、前に進んで、いや、進化して行くのだという事を感じました。
差別される黒人の方の苦しみも解りますが、私は、差別する白人の気持ちも解ります。だって、黒人の人って、良く知らないし、身体は大きいし、力は強いし、身体能力も凄いですよね。やっぱり、最初は怖いし、平等になったら、きっと自分たちが倒されてしまうという恐怖があると思うんです。だから、差別して相手に有利にならないようにしていたんじゃないかな。それに対して、この主人公のジャッキーは、差別するな!とか、殴り返したりとか、そういう事は一切しないんです。自分の努力している姿を見せる事で、平等に扱って欲しい、同じ人間なんだという事を訴えて行くんです。

日本でもヘイトスピーチされたとか、大騒ぎする団体が居ますよね。でも、騒げば騒ぐほど、人間って、受け容れたく無くなるんです。文句ばかり言って何の努力もしない人々なんて受け入れたくないですよね。そんな人間の心理を解って、このジャッキーは、どこまでもガマンします。そのガマンは、本当に涙が出るほど苦しそうでした。でも、どこまでも頑張るんです。そんな姿を見れば、差別している方は、自分が間違っていたかもって思いますよね。
ジャッキーの努力は、白人の固かった心を溶かして、同じ人間なのだということを認識させていきます。たかが野球なんだけど、されど野球なんです。それくらい影響力があったんですね。あまりにも凄くて、驚いてしまいました。ジャッキーほど真摯な態度でプレーをして、耐えて耐えていれば、差別用語を連発している人も、自分の下品さを恥ずかしく思うようになるのでしょう。自分が汚く思えてくると思います。
この映画は、難しい内容ではありません。でも、その真っ直ぐさがとても心を打ちます。ジャッキーが我慢して我慢している姿は、本当に涙が出るほど可哀想だけど、彼の努力が実って行くのを感じる事が出来ます。そして、ジャッキーを何があってもメジャーリーグに入れて、活躍させたリッキーの素晴らしさも、感動出来ると思いますよ。白人でも、ちゃんと解っていた人がいたんですね。勇気をもって、黒人を受け入れさせたリッキーという人物は、素晴らしいと思いました。
私は、この映画、超お勧めしたいと思います。こういう良い映画は、子供にも観せてあげて欲しいな。とても良い教育になると思います。アニメが大人気だけど、こういう映画も良いですよ。お時間が合ったら、ぜひ、観てきてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・42~世界を変えた男~@ぴあ映画生活