「四十九日のレシピ」を観ました。実は、この映画、夏に入るころに、スニーク試写会で観たんです。でも、情報は一切出さないでくださいと言われていたので、公開まで、感想を待ちました。
ストーリーは、
熱田良平(石橋蓮司)が急に妻の乙美を亡くして2週間が過ぎたころ、派手な身なりのイモ(二階堂ふみ)が熱田家を訪問する。突然現われ、亡き妻から四十九日を無事に迎えるためのレシピを預かっていると言い彼女の存在に良平は目を白黒させる。そこへ夫(原田泰造)の不倫で、離婚届を突き付けてきた娘の百合子(永作博美)が東京から戻って来て……。
というお話です。
これ、NHKでドラマ化されたんですね。全く知りませんでした。でも、この映画、すっごく良いです。私、何度泣いたことか。内容は、泣かせようとしている訳では無いのですが、女だと、この映画に出てくる女性の気持ちがとっても解るので、自分と照らし合わせてしまって、泣けてくるんです。
主人公の百合子は、夫と別居し、実家に帰ってきます。夫の浮気が原因なんですが、相手の女に子供が出来たと言うんです。色々な努力をしても子供が出来なかった百合子は、義母からなじられ、それでも寝たきりの義母の介護を親身にしていました。本当に辛い毎日だったところに、浮気相手に子供が出来たと言われ、ブチ切れて、家を出てきます。当たり前じゃいっ!!
これって、映画の中だけの話じゃなくて、結構、現実にもある話だと思うんですよね。子供が出来ないからって、義父母からなじられたり、友達からまだ出来ないのとか言われたり、女としての役割をしていないような言われ方をして、本当に苦しいんです。
でもね、子供を産んだから産まないからなんて関係ないんですよ。産める人間は産めばいいし、やりたい事がある人間は、子供なんて産む必要は無いんです。だって、子供が居たら迷惑でしょ。自由は無くなるよね。自分の時間を捨てても子供が欲しいと思う人は産めばいい。だから、産んでないからって、気にする必要は無いんです。子供を産んでなくても、素晴らしい人間は素晴らしいし、子供を産んでも堕落した人間は堕落しているから、子供だってマトモに育たない。子供を何度も捨てる親がいるのだから、もし、時間が出来たなら、そういう子供の補助をしてあげればいいんじゃないかな。それも、ステキです。そんな事も、この映画の中に描かれているので、ぜひ、観て頂けたら良いと思うんですけど。
百合子の母親は、2週間前に亡くなったのですが、実は、その母親、継母なんです。百合子の継母も、生涯、子供を持たず、良平(百合子の父)と再婚して、しあわせに暮らしていました。でも、彼女にも、もちろん感情があり、色々な思いがあったんです。だから、自分が亡くなったら、このレシピを見て、そして四十九日を祝って?欲しいと書いてあったんです。それが、また、イイのよ。あ、と気が付くような事が書いてあって、1ページ1ページ読んでいく内に、段々と心がほぐれて行くというのが解るんです。
彼女も子供を持たず、本当の自分の子供でない娘と、生きている間には、あまり上手く行かずに、過ごしてしまいました。でも、継母でも、すごく娘のことは思っていたんです。その思いを解ってあげて欲しい。
ある日、家族が亡くなったら、しばらく、何をして良いのか、解りませんよね。ボーっとしてしまうと思うの。まして、男性は、妻が亡くなったら、御飯も作れないし、何を食べたら良いのかもわからないし、もう、アブアブって感じで溺れそうになってしまうんじゃないかな。この映画では、そんな状態の良平のところに、イモちゃんという女の子がヘルプにやってきてくれて、御飯を作ってくれたりするんです。このエピソード、笑えますよ。
そんなところに、今度は日系ブラジル人のハルも現れ、百合子も帰ってきて、みんなで”お母さん”の四十九日を楽しもう?という事になります。この四十九日を楽しむ?という感覚も、映画を観て楽しんでください。これ、ステキだなって思いました。本当は、亡くなった人も、こんな風に四十九日に送られたら、嬉しいんじゃないかと思いました。しんみり、お経をあげられるだけなんて、寂しいよね。まぁ、伝統だから仕方ないんだろうけどさ。
ああー、面白い映画だったので、既に、文章が長くなってしまったぁ~!!ゴメンナサイ。どうしても、感動した映画の感想は、思いが沢山あって、長くなっちゃうんですよ。でも、ここら辺で止めます。
この映画、私は、超お勧めです。万人が楽しめますが、出来れば、女性に観て欲しい。女っていうものが背負った色々なサガは、自分でぶち壊して行くしかないんだって思えて、私は、本当に感動しました。この映画を観た後に、原作を購入して、読んでいます。良かったです。ぜひ、観てください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()
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