ラテンビート映画祭「ダヤニ・クリスタルの謎」を観ました。
ストーリーは、
2010年、米国アリゾナ州とメキシコの国境に位置するソノラ砂漠で、ある出稼ぎ労働者の遺体が見つかった。この場所は国境警備隊が「死の回廊」と呼ぶ危険区域である。遺体は身分証明書を所持しておらず、手掛かりは彼の刺青「ダヤニ・クリスタル」の文字のみ。映画では、この謎の遺体の人物像と、刺青に残されたダヤニ・クリスタルの意味を探っていく。ナビゲーターを務めるメキシコのスター俳優、ガエル・ガルシア・ベルナルは、この映画のプロデューサーも兼ねている。
というお話です。
これは、ドキュメンタリー映画です。メキシコからアメリカに不法入国し出稼ぎ労働をするために、たくさんのメキシコ人が国境の砂漠を渡って行きます。この砂漠は、簡単に渡れるようなものではなく、途中で行き倒れてしまう人々も多いようです。砂漠に放置されたメキシコ人の亡骸。国境警備隊が回収し、遺族を探そうと思っても、証明書も無く、探すための手がかりもほとんどないものが多く、そのまま、無縁仏となってしまう人も少なくないそうです。
そんなメキシコの移民の現状を、ガエル・ガルシアが、彼らの足跡を追いながら、読み解いていくドキュメンタリーです。

アメリカは、移民の労働力に頼る面もたくさんあるのに、それを認めずに、不法移民は強制送還という措置をとっています。映画の中では、アメリカが移民も認めれば良いのにと言っていたけど、アメリカの立場になれば、アメリカ人でさえ、職業が無くて、貧困な生活をしている人がいるのに、他国の人間を優遇するなんて、出来る訳がないというのでしょう。私は、どちらの言い分も解ると思います。出来れば、自国の国民は、自国で仕事を持って生活してくれるのが一番なのだと思うのですが、経済力が無い国は、どうしても、全ての人が生活するためのお金を手に入れることは難しいのでしょう。仕方ないとは言いながらも、でも、他国に迷惑をかけるのはどうなんでしょうか。
この移民の問題は、アメリカだけではなく、スペインでも、イタリアでも、日本でも問題になっていますよね。日本は、不法移民を取り締まる方だから良いけど、他国に不法移民を出している国は恥ずかしくないんですかね。だって、自分の国の国民が、自分の国に見切りをつけているんですよ。政府にマトモな政治家が居れば、そんな恥ずかしいことをさせてはいけないから、経済を良くするために起爆剤を打とうとか、政策を考えるべきなのに、何もしないって、どういうことなの?不思議です。
もし、それでも国民を養っていくだけの経済力が無いのなら、隣国に政府が頭を下げて、年間、何人くらいかを受け入れて欲しいとお願いするべきじゃないのかな?勝手に入国して、勝手に仕事をするのは許されないでしょ。生活のためだって言うのだろうと思うけど、自国民の人権もあるわけだからね。
そういう事をすべて解決出来るようになったら、不法入国するために過酷な旅をしなければならなくて、その途中で死んでしまうような人も居なくなると思うんですけど、そんなに上手く行く訳無いのかな。難しい問題です。日本に居ると、そんなに苦しいとか生きられないっていうことに出会ったことが無いので、家族の為に決しの覚悟で旅をして、仕事をしに行くという気持ちが解らないんです。
でも、こういうドキュメンタリーを観ると、ボンヤリ生活している自分のしあわせを本当に感じます。何も考えずに、ボーっと映画を観ていちゃいけないんですよね。でも、趣味だからなぁ。
スミマセン。あまりこういう移民って、実感が無いので、何とも、彼らの気持ちに寄り添った感動が書けませんが、こういうドキュメンタリー映画は、NHKとか民法テレビで、特集としてやったら良いんじゃないかな。ちょっと、映画で、お金を払って、このドキュメンタリーを観るのは、あまり納得出来なかったけど、TVなら良いかも知れません。
もし、観る機会があったら、観て、考えてみてくださいね。
http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/lbff2013/movies/whoisdayani.php