【TIFFコンペ】「ハッピー・イヤーズ」夫婦が大人になり切れてないと子供が悲しい思いをする。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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TIFFコンペティション 「ハッピー・イヤーズ」を観ました。TIFF19作目です。


ストーリーは、

夫は新進芸術家、妻は専業主婦。そんな2人の間には、可愛い男の子が2人います。家族4人の生活は、しあわせそうに見えていたのですが、段々と、その生活は崩れて行きます。散々な結果に終わった夫の展覧会、献身的だった妻の不倫。それまで満足していた日々が終わりを告げた事を知った2人が取った行動とは何だったのか。そして、子供たちの気持ちはどうだったのか。
というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ハッピー

このお話、私が普段から思っている、夫婦は、お互いに依存したり、束縛したりするのでは、長続きしないし、もし続いたとしても、どちらかが壊れてしまうという事を描いていて、とても理解出来ました。この夫婦、夫は売れていない芸術家なんですが、プライドだけは一流芸術家であり、モデルを使っては、浮気を繰り返しています。でも、彼にとっては身体だけの関係で、心はいつも妻の方を向いているんです。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ハッピー

妻は、そんな夫を信用出来ずに、仕事場に行ったり、打ち合わせに付いていったり、彼の仕事に口出しをするようになります。これねー、アウトなんですよ。我が家も、お互い、絶対に仕事関係に口を出さないというのが暗黙の了解になっています。サラリーマン夫と専業主婦ならば、夫は仕事の守秘義務を護って、家では仕事の話をほとんどしないだろうし、妻も無理やり聞き出すような事は夫の不利になる事が解っているからやらないでしょ。でも、自営業などだと、どうしても仕事と家庭との境界が曖昧になるんです。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ハッピー

小さい会社をやっていて、最初は夫婦で仕事をしているのは仕方ないとしても、人を雇うようになっても、妻が会社の中に入るのは、やっぱり不味いですよね。上手く行かなくなる典型です。仕事と家庭とは、区別を付けないとね。仕事上では、異性との会食もあるだろうし、家族より優先しないといけない事もあるのに、いつもなじられたりしたのでは、仕事を進められません。まして、夫婦で出て行ったのでは、取引先の方に何だろうと思われてしまいます。そんな事が、この映画の中に描かれていました。夫が怒るの、当たり前だよなぁ。私だって、怒るもん。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ハッピー

妻の恐ろしいところは、押しかける時に子供も連れて行く事。切り札だよね。子供の前では激怒出来ないし、いやぁ、女は恐ろしいです。そんな事をなじられた妻は、今度、ある人と浮気をします。これも、女、恐ろしいよねぇ。自分の意見が通らないと、今度は浮気って、お前中心に世界が回っていると思ってんじゃねーよって思ってしまいました。ああー、こんな女にはなりたくない。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ハッピー

あ、つい、妻の事ばかり書いてしまいましたが、この映画は、夫婦間の事を描きたいのではなく、夫婦がこんな状態で、自分たちのことで手一杯である時、子供の気持ちはどうなのかという事です。子供は、自分たちは2人の目に写っていないのだと思い、いつも寂しい思いをしています。お願いだから、僕たちを見て欲しいと思っているはずなんです。でも、親はそれに気が付かない。親になったくせに、大人になれて居ないんですよ。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-ハッピー

これは、この映画の監督の自伝だそうです。自分の事を描くのはとても時間がかかり、15年も時間を取ってしまったそうです。でも、自分が子供の頃に感じた事を、今映像に描くことが出来て、満足そうでした。この映画、日本上映あるのかな。出来れば、公開して欲しいな。大人になり切れない親に見て貰えない子供の寂しさを、この映画を観て、感じて欲しいです。親になったら、自分も大切だけど、子供の方も見てあげて欲しい。きっと、子供は、無垢な目で親を見つめていると思いますよ。ぜひ感じて欲しいです。
もし、観れる機会が訪れたら、ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ



東京国際映画祭 コンペティション「ハッピー・イヤーズ」
http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/lineup/works.php?id=C0011