【TIFF特別招待】「武士の献立」日本の食は遺産になるほど美しい。もちろん味も最高峰! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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TIFF特別招待作品「武士の献立」を観ました。TIFF18作目です。


ストーリーは、

春(上戸彩)は人並み外れた料理の才能と味覚を持っていたが、勝ち気過ぎてたった1年で婚家から離縁を言い渡される。加賀藩で料理方を務める舟木伝内(西田敏行)に料理の腕を見込まれた彼女は、彼のたっての願いで伝内の息子安信(高良健吾)のもとへ嫁ぐことに。だが、包丁侍の家に生まれた跡取り息子の夫は料理が大の苦手で……。

というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-武士の

この作品は、チケットが手に入ったものの、この前に演劇を鑑賞だったので、間に合わないかと思っていたのですが、なんとか、間に合いました。入ったら、既に、舞台挨拶が始まっていましたが、映画の内容は、ちゃんと最初から観れたのでラッキーでした。


加賀藩の料理方のお話なのですが、料理方の家に生まれたのに、主人公の安信は、料理がとっても下手で、やる気も無いんです。次男なので、全く継ぐ予定では無かったのですが、長男が病死し、仕方なく、後継ぎとなるべく、料理を勉強し始めたのです。あまりの不出来に、父親の伝内は心配して、江戸で料理上手な春を見つけて、息子の嫁にと加賀へ送ります。


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上戸さん演じる春は、料理は上手いモノの、この時代の女としては、慎み深くも無く、言いたいことを言うタイプで、最初の結婚は1年で離縁されてきました。だから、今回も期待せずに嫁に行ったのですが、今回は、夫の安信は気が乗らないようでしたが、相手の両親に大事にされ、結構、上手く行くんです。


そんな時に、加賀のお家騒動と言われる、有名な後継ぎ騒動が起きて、それに巻き込まれて行く2人。藩は、二つに割れそうになったり、謀反を起こす者が現れたりして、安信も刀を握ろうとするのですが、料理方なら、戦うのは包丁でだろうと言われ、藩の騒動を納めるために、包丁を振るう事にするのです。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-武士の

細かい出来事がもっともっとたくさんあって、人々の心が変わって行く様が、とても良く描かれていました。最初は、姉さん女房で口うるさい春を嫌がっていた安信でしたが、段々と春の温かさに触れ、料理というものの大切さにも気が付き、身も心も料理に捧げて行く安信の姿は、ステキに見えました。


そして、夫の為、家の為に、自分のやるべきことをする春という女性の姿は、日本の良き時代の上品で気高く、温かい女性、まさに”母”という姿を描いていて、感動でした。映画の中では、まだ春は母親になっていないのですが、その家を守る為に動く彼女の姿は、家を守る母親のように見えたんです。きっと、このお話の先に、幸せな家族の姿があるのでしょうね。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-武士の

この映画を観て、日本という国の美しさ、日本人という民族の素晴らしさを感じました。風景も美しいのですが、とにかく、料理の映像が素晴らしいです。洋食や中華のように、ドーンとしたものでは無く、細かい細工を施し、器とのバランスを重視して、まるで芸術品のように料理が作られている事に驚きます。もちろん、味も繊細ですよね。日本のダシは、どの国にも負けないと思います。日本、再発見というような映像でした。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-武士の

料理だけでは無く、日本の所作の美しさも、良く描かれていました。畳の縁を踏まないとか、手の合わせ方とか、やっぱり、ジャパニーズカルチャーは素晴らしいなぁ。美しいです。本当は、日本人なら、着物を着て、このような所作が出来るように勉強しなければいけなかったのかも知れませんね。そういう事をしてこなかった自分を、ちょっと寂しく思う今日この頃でした。ちょっと、母親にお茶とかお花とかお琴とかを習ってみようかな。まだ、間に合うかな。(笑)


上戸彩さん、こういう母親っぽい役も上手くなりましたね。おしんの時も思ったけど、年齢にあった役を上手く演じられていて、感動でした。素晴らしい女優さんになりました。これからも楽しみです。共演の高良くんは、言うまでもなく、どんな役も上手いので、この2人は、今後も楽しみですね。周りの方達は、大御所ばかりだったので、安心でした。お父さん役の西田さんは、優しいお父さんでした。やっぱり、好きだなぁ。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-武士の

私は、この映画、超お勧めしたいと思います。日本の文化を正面から捕えて描いていて、改めて、日本ってステキだなと思わせてくれる作品です。内容も、義理とか人情とか、仕来たりとか、愛情とか、そういうものをとても大切にする日本人の姿は、今の日本人にも通じるものだと思います。欲のみを追う人間たちとは違うのだという事を思い出させてくれて、原点に戻れると信じたいです。公開は12月かな。ぜひ、観に行ってみて下さい。絶対に損は無いと思いますよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ






東京国際映画祭 特別招待作品 「武士の献立」

http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/lineup/works.php?id=S0006



武士の献立@ぴあ映画生活