TIFFワールドフォーカス「ホドロフスキーのDUNE」を観ました。TIFF17作目です。
ドキュメンタリーなので、簡単な内容は、
ホドロフスキー監督が進めていたSF小説「デューン」の映画化が、いかに衝撃的な企画であったか、そしていかに中止に追い込まれたかを振り返る、驚きと爆笑と感動と勇気のドキュメンタリー。アレハンドロ・ホドロフスキー監督は、1974年にSF小説「デューン」の映画化を企画するが、撮影に至る前に中止となってしまう。映画史上最も有名な「実現しなかった映画」の顛末を、ホドロフスキー自身が解説する本作は、映画作りへの情熱と勇気の衝撃の記録である。その計画の壮大さや、予定されたスタッフやキャストの豪華さは驚異的であり、いかにこの企画がその後の映画界に影響を与えたかは必見である。
という内容です。
この映画、衝撃的でした。ドキュメンタリーなんですけど、これ、映画好きの方は、必見だと思います。今の映画界があるのは、この企画があったからこそだと思える作品です。そのDUNEのコンテは素晴らしくて、これ、複製して販売したら、1冊ン十万円でも購入出来ないかもって言うほどの情報量であり、そこに企画されていた内容も、あまりの壮大さに驚くことばかりだと思います。
いやぁ、私、この映画「DUNE」という名前が入っていただけで観ようと思ったのですが、何故か、大人気で、チケット購入に苦労しました。このホドロフスキーという監督は、素晴らしい監督だったんですね。いや、だったじゃなくて、監督なんですね。カルト的な人気があると映画の中では紹介されていましたが、映画オタクの中では、神的な存在のようです。
「DUNE」と言うと、私、確か、小学生の頃に早川文庫で出ていた小説を読んだと思うのですが、何故、そんな子供なのに読んだのかと言うと、確か、表紙を”石ノ森章太郎”先生が描いていて、009とかが大好きだった私は、その絵だけで購入して読んだと思うんです。その小説の中には、宇宙が息づいていて、カルチャーショックを受けたことを覚えています。
もちろん、子供だったので、全てを理解した訳では無いのですが、強い印象が残っています。レトが殺され、レディージェシカと息子のポールが追われて砂漠を逃げてフレーメンに助けられ、サンドウォームが現れ、スパイスを飲んではいけないという話があったり、フレーメンのチャニという女性と出会ったり、もう、今思い出しても、直ぐに頭に内容が浮かんでくるほど、子供の脳にはショッキングだったのでしょう。何度読んでも、新しい発見があるSF小説で、また読みたくなってきました。
DUNEは、デヴィット・リンチによって映画化されましたが、結局、成功はしませんでした。あの壮大な話を、簡単に映画化するのは、やはり難しかったのでしょう。もし、ホドロフスキーさんの創ったコンテを元に、もし、現代で映画を作れるのなら、CGも発達しているし、結構、素晴らしいものが出来るのではないでしょうか。今なら出来る作品だと思います。でも、配役が難しいでしょうね。
ホドロフスキーさんが企画した段階では、皇帝の役をダリ(画家)、男爵をオーソン・ウェルズ、フェイドをミック・ジャガーという配役をしていたそうで、今では信じられない配役ですよね。もし、実現していたら、マジで驚くような映像になっていたと思います。
もし、今、創ろうとするなら、全編フルCGで、モーションキャプチャーを使って、顔だけ、ダリやミックの顔を入れるということは出来るでしょうね。日本なら出来るんじゃないの?アニメーションも織り交ぜて、ディフォルメをバリバリすれば、すごい勢いのある作品に出来るんじゃないかしら。金山さんが居ないけど、それを受け継いでいる人がいるもん、大丈夫ですよね。
ああー、観てみたいなぁ~、DUNE~。私の子供の頃からの夢です。あの美しい砂漠の中を不気味に動き回るサンドウォーム、水を消費しない為のスーツ、メランジで青くなった目、本当に映像になったら、ステキでしょうねぇ。
本当に、夢のような話を一つにまとめたドキュメンタリーです。これ、本当に面白いので、映画好き、SF好き、アニメ好き、は必見ですね。カンヌでもすごい話題になったので、既に、日本公開が決まっています。2014年にアップリンク系での公開ですので、楽しみにしてくださいね。これ、私、また観ても良いし、DVD出たら買っちゃうな。あのコンテの映像がコレクション出来るなら、DVDくらい、安いもんです。
私は、超超お勧め映画です。ま、私のDUNE愛もあるんですけど、それにも増して、こんな企画があったという事が驚きです。それも、1970年代になんて、信じられません。そんな昔に、こんな素晴らしいことを考えていたというのが驚きです。あの時代に1500万ドルくらいの予算だって言ってたかな。スターウォーズでさえ、700万ドルの予算だったんだから、すんごいでしょ。もう、信じられない企画だったんです。そんな映画の歴史を変えた企画を、ぜひ観てみて下さい。感動しますよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
東京国際映画祭 ワールドフォーカス 「ホドロフスキーのDUNE」
http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/lineup/works.php?id=W0001
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