「パッション」を観てきました。
ストーリーは、
自らの地位を広告会社の重役まで押し上げた、野心的な女性クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)。アシスタントのイザベル(ノオミ・ラパス)は、そんなクリスティーンを羨望(せんぼう)のまなざしで見つめていた。しかし、狡猾(こうかつ)なクリスティーンにアイデアを横取りされ、恋人にも裏切られてしまったイザベルは、クリスティーンへの殺意を抱くようになり……。
というお話です。
濃厚なサスペンスで、2人の女の激突が恐ろしいほど詳細に描かれていて、そこに絡んでくる男と女が、また、曲者なんです。最後の最後まで、どの女が勝つのか解らないところが、面白いなって思いました。話の組み方がとっても上手いんです。どの女も頭が良さそうに見えるんだけど、どこか抜けているんですよね。
クリスティーンは、そこまでやったら倍返しされるよって言うほど、しつこく、嘘と嫌がらせを重ねて行くんですね。いくらなんでもって思うような事をする女で、これ、ハッキリ言って、パワハラで訴えられたら負けると思います。こういう人の部下となったら、まず、録音録画が必須です。証拠を集めないとね。でも、イザベルは、ずーっとガマンガマン。イザベルの性格は、才能はあるのに、前に出るのを躊躇するようなタイプで、社交的ではないんです。でも、心の中には、燃える思いがあり、抑えてはいるけど、キレたら恐いぞ~って感じなんです。
最初は、2人とも、結構、良い関係で居るのですが、イザベルに才能があるという事が解り、アイディアをクリスティーンが横取りしたところから、関係がこじれて行きます。上司に仕事の成功を横取りされるって、多いですよね。きっと、誰もが一度は経験しているんじゃないかな。ムカつくんだけど、そういう奴って容量が良くて口が上手いから、部下のを横取りして出世していくんだよね。でも、結局は能力が無いから、上に行っても下の評価が出来ず、無能な人間ばかりが出世して会社を潰す事になる。評価って、難しいです。みんながみんな、スティーブ・ジョブズのように、実力主義なら良いのにね。
話戻して、横取りされたイザベルは、あまりにも酷い仕打ちにガマンが出来なくなり、とうとう、反撃してしまいます。それがイケなかった・・・。その反撃に対しての倍返し、いや、5倍返しくらいされて、最悪の状態になります。精神的にも安定しなくなり、向精神薬を飲み、段々と朦朧とする生活に陥って行きます。それを心配した秘書が、イザベルの補助をするようになるのですが。この秘書も曲者なのよぉ。
仕事の対立、そして男を巡ってのトラブル、同性愛のトラブルなど、色々な問題が絡み、妬みと憎しみが画面いっぱいに広がり始めます。いやぁ、女同士の戦いって、マジでドロドロしていて、隠顕な感じが最悪ですね。そういうイヤな雰囲気を、これほどに引っ張り出して、描くって、やっぱり、この監督凄いです。観ていて、こちらにも、そのドロドロが伝わってきたもん。自分が女って事に、マジで嫌悪を抱くようになる。それほどに、女の厭らしさを描いていました。
クリスティーンへの憎しみが頂点に達したとき、イザベルが取った行動はなんだったのか。でも、それは、もしかして、夢なのかもしれない。向精神薬を服用しているせいで、夢と現実の境があいまいになっているイザベルは、いったい何をしたのか。何もしなかったのか。ぜひ、観て、確認してきてください。最後の最後まで、謎がありますので、楽しんでくださいね。
私は、この映画、お勧めして良いかなとは思いますが、スッキリする映画ではないので、モヤモヤして、嫌な気持ちで終わっても良い方のみ、観て欲しいと思います。元気な時に観た方が良いと思いますよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・パッション@ぴあ映画生活
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