「Steve Jobs / スティーブ・ジョブズ」の最速試写会に連れて行ってもらいました。
ストーリーは、
誰からも天才と認められるも、周囲との衝突が絶えないスティーブ・ジョブズ(アシュトン・カッチャー)。既存の組織に所属するのに向いていないと悟った彼は、自分のような友人らと自宅ガレージをオフィスにしてアップルコンピュータ社を設立する。革新的な商品を次々と放ってはヒットさせ、たった4年で株式の上場に成功、IT界の寵児(ちょうじ)となるジョブズ。しかし、意見の相違がある社員は問答無用で解雇、創立時メンバーを冷遇するなど、独善的な言動を繰り返すように。その果てに、彼は自身の会社から追放されてしまう。
これほど有名なスティーブ・ジョブズの歴史なんだけど、彼の人となりは、あまり知らなかったのだという事を知りました。変人で嫌われ者だったというお話ですが、ハッキリ言って、私には、とても共感出来る部分が多かったです。
仕事を始めて、利益を生み出し、それを使って、また会社を大きくして行くには、貪欲にならざるを得ないし、必要無い人間には辞めてもらうのは当たり前でしょ。今、流行りのブラック企業と言われるかも知れないけど、ワ○ミとかのように労働力として使い捨てるのとは違いますよ。成長中の会社には、働いてくれる人間にしか払うお金は無いんです。ちょっとプログラムを組んだら”タバコ吸ってきます”と抜けたりするような人間に払う賃金は無いんですよ。

会社って2種類あって、完璧に能力主義の会社と、労働力を使って安定した供給をする会社ですよね。能力主義の会社は、簡単に解雇って当たり前なんです。能力が無ければ無駄なんですから。8時間でノルマを全て終わらせられる人と、16時間かかってノルマを終わらせる人が居たら、16時間かかる人には、半額の給料で良いですよね。だけど、今の日本の計算って、残業が多い、能力の無い人間の方が給料が高くなるんです。スティーブは、そういうのは許さず、働いていない人間、能力の無い人間は、解雇をしていきます。当たり前ですよ、彼自身がすごい働いているんですから。

そんなスティーブですが、最初から天才で、成功ばかりの人生ではありません。今回観てみると、普通の人よりも、失敗が多かったのではないかと思ったくらいです。何故なら、彼は、いつも新しいものにチャレンジしていて、その度に、壁にぶつかり、這いつくばって努力をしていくんです。彼ほど、リベンジの多かった人って、珍しいんじゃないかしら。もちろん、今流行りの倍返しして行くんです。だから、大きくなれたんです。
「他人の人生を生きて時間を無駄にしてはいけない」というスティーブの言葉があるのですが、人に言われてやるだけでは、人の人生なんです。自分で創造することが大切だと言っているんです。もちろん、凡人には創造なんて出来ないと思うけど、ほんの小さな事でも、自分で考えてやる事が大切でしょ。全て教えて貰わないと出来ないと言っている人間は必要無いのよ。スティーブも、こいつはダメだと思ったら、直ぐに解雇していました。

人を解雇しているばかりでなく、自分もアップル社を解雇されてしまった彼は、ピクサーを成功させ、また、アップル社に戻ってくるのですが、このピクサー関係に関しては、全く描かれていません。NeXTという会社を立ち上げ、その会社をアップル社に買収させて復帰する部分は、軽く触れられています。あ、軽くというと間違いかな。復帰する部分は、結構、しっかり描かれています。
天才・変人って言われるけど、普通の男性ですよ。ただ、完璧主義で、仕事が好きで、自分の創った会社を愛していただけだと思います。普通だからこそ、学生の時に子供が出来たと言われうろたえるし、疑ってしまう。完璧主義だから、いい加減に仕事をしている人間を許せない。自分がこんなに働いているのに、なんであいつは働かないんだ。自分の会社の製品は、万人に愛して欲しいから、性能の良い物にして、価格を抑えたい。こうやって彼の望みを並べると、マジで普通です。ただ、普通と違うのは、望みに関して妥協をしない事。とことん追求してしまうこと。諦めてしまわない事。

でも、会社は利益を求めることが必要だし、経費が莫大になったら潰れちゃうという事が、若い頃のスティーブには、あまり理解が出来ていなかったのかなと思いました。だから解雇されちゃったのだと思います。でも、会社を心底愛している人間が居なくなったら、やっぱり、その会社はダメになるよね。スティーブを解雇した役員たちは、まだ若いスティーブに、会社の根本を教える必要があったのに、その努力を怠った事が、アップル社衰退につながったのだと思いました。
アシュトン・カッチャーは、ジョブズをとても良く研究していて、本当に彼に見えます。あの、ちょっと前かがみで、手を前で握って歩いている姿は、観ていて、嬉しくなってしまうほど似ていました。

この映画、超お勧めです。会社に勤めている方も、会社を経営している方も、家で待機している方も、みんな、この映画を観て、働き方を考えるべきだと思いました。雇用されているからって、言われるままの仕事をしているのでは、その内、使い捨てにされます。反対に雇用する方は、自分も一緒に仕事をして能力の有無を見極めてやらないと、無駄な時間と賃金を使う事になります。能力のある人間に安い給料じゃ、良い社員は居なくなり、無駄な社員ばかり残ってしまいます。能力に見合った報酬を払ってあげないとかわいそうです。但し、能力とは仕事の能力で、口の上手さではありません。口の上手い奴ほど仕事は出来ません。神経が口に行ってますからね。(笑)
ぜひ、楽しんできてくださいね。超お勧めです。これは、変わりません。
P.S : 最後に一つ、どんなに天才でも、お風呂には入って欲しい!臭いのはダメっ!!周りに迷惑ですから~!!!裸足も、怪我するかも知れないから、ダメ!(笑)
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