「共喰い」血の呪いに翻弄され、親を愛しながらも恨んでしまう自分を慈しむことは出来るのか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「共喰い」を観てきました。


ストーリーは、

昭和63年。高校生の遠馬(菅田将暉)は、父(光石研)と父の愛人・琴子(篠原友希子)と暮らしている。実の母・仁子(田中裕子)は家を出て、近くで魚屋を営んでいた。遠馬は父の暴力的な性交をしばしば目撃。自分が父の息子であり、血が流れていることに恐怖感を抱いていた。そんなある日、遠馬は幼なじみの千種(木下美咲)とのセックスで、バイオレンスな行為に及ぼうとしてしまい……。

というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-共喰い

まだ原作を読んでいないので、比較が出来ないのですが、ラストは、原作と違うようですね。原作の先も描いていたようです。特に違和感は無かったので、上手く出来ていたんじゃないかな。内容が凄い激しいものなのに、映像は、淡々としていて、そのメリハリが、怖さと辛さを引き立たせて、人間って、なんなんだろうと考えさせられました。

誰でも、親のイヤな部分を見てしまった時、自分も同じ血を持っているのだから、同じようなことをしてしまうのかも知れないと思った事があるのではないでしょうか。子供の頃は、親が全てだったから、それが正しいと思っていただろうけど、成長してくると、社会の常識を解ってくるから、外れた事をすると、嫌悪感を覚えたと思います。同じように、遠馬は、父親の性癖を嫌悪しており、自分も同じような事をしてしまうのではないかと不安に思っています。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-共喰い

父親の円は酷い男で、今ならDVで訴えられているような暴力をセックス時に浴びせるんです。女性なら、観るだけでも耐えられないような映像だと思いますが、現実に、こんな男も居るのでしょうね。そんな男なら、直ぐに捨てて逃げれば良いのに、何故か、どの女も、逃げないんですよね。私には理解が出来ませんが、セックス時以外は優しく接するので、感覚がおかしくなってしまうのかも知れません。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-共喰い

そんな酷い父親を間近で見て、自分の内側にある本当の姿を見ているのかも知れないと、不安を抱く毎日の遠馬。ある日、彼女の千種とのセックス中に、首を絞める行為をしてしまい、自分の中の父親の姿を見つけ、彼女にも拒否され、頭の中は自己嫌悪でいっぱいになってしまいます。これ、本当に可哀想に思いました。だって、親は親。子供は子供。親が詐欺師だからって、娘も詐欺師になる訳ではないでしょ。だけど、子供の頃から、親のそういう姿を見ていると、もしかしたら無意識にマネをしてしまうかもって、すごく不安になる気持ちも解るから、遠馬を見ているのが辛かったです。

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その後、ある大事件が起こるのですが、その事件によって、話は急展開し、すごいクライマックスに突入します。これは、凄かったなぁ。この父親、今まで、どうして犯罪者として捕まらなかったんだろう。今なら、必ず警察に逮捕されていると思います。マジで酷い男です。周りの女も、どうして訴えなかったの?信じられません。こんな男が町に居たら、噂になって、直ぐに警察が来ると思うけどなぁ。昭和の終る時って、こんなに女性の権利が低かったのかしら。不思議でした。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-共喰い

それにしても、すごい話でした。これ、ラストは、原作と違うそうですが、凄かったですよ。ネタバレにならないように気を付けて書きますが、ずーっとそれまで、男に殴られて抱かれる女性ということで、女性が虐げられる立場となっているのですが、ラストの場面で、未来は、女性が男性を虐げるようになるのかもと思わせるような情景が流れました。平成は、女の時代になったのかもと、考えさせられました。


でもね、女も良い気になっていると、次の時代は男の逆襲を受ける事となるかも知れません。私は、いつの時代も、女性の頭が悪くなると社会は崩壊すると思っているので、女性の方、頭を使って、男性を虐げるのではなく、上手く使ってくださいね。どんなに頑張っても、力では男に負けるし、体力も有りません。弱い分、頭で補わなくては社会が回らないんです。今までも、これからも、女性、がんばろうっ!

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-共喰い

私は、この映画、お勧めしても良いけど、文学小説とかを読む方とかなら良いと思いますが、映画を楽しみたい方には、ちょっとお勧め出来ないかも知れません。面白いという要素は全く無く、全体に、ずーっと、重く、暗い話しが続くので、暗い小説などで慣れている人は良いけど、映画を楽しむ方には、ちょっと酷かも知れません。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ





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