「アップサイドダウン 重力の恋人」を観てきました。
ストーリーは、
富裕層が暮らす星と貧困層が暮らす星が、上下で接近するように引き合っている世界。下の星で貧しい暮らしを送っていたアダム（ジム・スタージェス）は、とある山頂で上の星の住人であるエデン（キルステン・ダンスト）と出会って恋に落ちる。ロープを使って彼女を自分の世界に引き下ろそうとするアダムだったが、星の境を監視する警備隊に発見されてエデンは上の星へと落下してしまう。それから10年後、エデンは死んだと信じ込んでいたアダムだったが、彼女が生きていることを知って再会を誓う。
というお話です。
SFとしては、ちょっと設定にムリがありますが、まぁ、許すとしましょう。もう、だって、めちゃくちゃだもん。これに文句をつけ始めたら、１～２日間くらい書いても終わらないかも知れないもん。(笑)とりあえず、２つの惑星がくっついているという事みたいですね。で、その２つの惑星を一緒に大気が包んでいるという事なので、星同士を建物でつないだり、自然の山などが繋がっていたりするようですね。
ここで面白いのは、人の身体は、生まれた方の星によって、重力のかかり方が違うようなんですね。どちらが下でも上でも良いんだけど、主人公のアダムが居る地域と、彼女エデンが居る地域では、重力のかかり方が全く反対なので、どんなに好きで、頑張っても、一緒に生活するのは無理だと思うんですよね。身体自体が反対なので、血の流れとか、体液の流れが、どちらかに無理に合わせると、おかしくなってしまうはずなんです。だって、ずーっと逆立ちしていると、頭に血が上って、めまいとかするでしょ。それって、死んでしまうと思います。(笑)
それなのに、まぁ、仲良くなっちゃうんですよ。無理があると思うけどなぁ。で、何とか、彼女と会いたいと思って、二つの星をつなぐ大きなビルを持つ会社に彼女が勤めていることを知り、アダムは、その会社に就職します。このアダム、見た目と違い、とっても頭が良いようで、空に浮ける物質を叔母から教えられて、それを改良して、色々な発明をするんです。で、彼女と上手く行きそうになるんだけど・・・。
この二人、まだ若い頃に、一度、密会しているのを見つけられ、逮捕されているんですね。それなのに、全く学習してなくて、また同じように逮捕される事になります。頭が良いくせに、学習能力が無いのかよって思うほど同じ捕まり方で、腹が立ちました。画面に向かって、”またかよっ！”ってつぶやいてしまいました。最近、学習能力が無い人間が多過ぎるっ！
２度も引き裂かれた二人は、もう無理だろうなって諦めているんだけど、ここで、アダムが会社で出会って、仲良くなったオッサンの登場です。このオッサン、使えね～って思われて、会社を解雇されるんだけど、実は、頭が良い人なんですよ。オッサン、大活躍っ！
オッサンのおかげで、なんとなく上手くいってしまうところが、何とも言えず、それで良いの？って感じでしたが、まぁ、根本的に無理があるから、ま、いっかって感じですかね。面白くない訳ではないんだけど、あまりにもちょっと、それで良いのって部分が多くて、納得するのに時間がかかってしまいました。
一つ言わせてもらえれば、上の星が下の星の石油を掘って、持って行っているという時点で、貧富の差を失くしたいなら、その石油ダクトを壊せば、あっと言う間に体制が逆転するのになと思ったんですけど、誰も、そこを壊そうとしないんです。一つのダクトで送っていて、まして、セキュリティがとても甘そうなので、爆破するのは簡単だと思うんだけどなぁ。この世界の人は、今の状態を打開しようと思っていないのかな。負け犬は負け犬のままで良いと思っているとは思えないんだけどなぁ。不思議でした。
私は、ファンタジーと思って、ゆっくり観るには、まぁ良いのかなぁと思い、まあまあお勧めしても良いかなぁと思いました。でも、SFを好きな人は、映像は良いけど、話に矛盾が多過ぎて、イライラするかも知れません。とりあえず、ファンタジーだから、なんでも許すと言える人のみ、観に行ってくださいね。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・アップサイドダウン 重力の恋人＠ぴあ映画生活