今日から公開の「マン・オブ・スティール」を観てきました。試写会もあったのですが、やはりシネコンのゆったりしたイスで観たかったので、今日まで待ちました。だって１４０分以上もあるんですよ。試写のイスではねぇ～。(笑)
ストーリーは、
ジョー・エル（ラッセル・クロウ）は、滅びる寸前の惑星クリプトンから生まれたばかりの息子を宇宙船に乗せて地球へと送り出す。その後クラーク（ヘンリー・カヴィル）は、偶然宇宙船を発見した父（ケヴィン・コスナー）と母（ダイアン・レイン）に大事に育てられる。そして成長した彼は、クリプトン星の生き残りのゾッド将軍と対峙（たいじ）することになり……。
というお話です。
スーパーマンと言うと、何か事件が起きると、飛んできて助けてくれるんでしょっていう、既にスーパーだった時の事しか頭に無くて、あんまり期待しなかったと言うか、知っている事をやるもんだと思っていたのですが、今回は違いました。スーパーマンが、スーパーマンたる由縁と言うか、何故、スーパーマンになって、人助けをするようになったのか。何故、スーパーな力を持っているのに、それを誇示しようとせず、善人で居られるのか。その理由が解るんです。
普通、子供の頃から天才と言われたり、素晴らしい力を持っていると知ったら、親も一緒になって、それを誇示したがるでしょ。自分の子供は一番なのだと言いふらし、学芸会では主役を、集団行動ではリーダーをやらせたがり、悪い事があれば、すべて教師のせいにする。そんなモンスターペアレンツが多い中、クラークの家は違いました。
彼を育てた両親は、彼の力を隠すように教育したんです。彼の力は強大すぎるので、まだ地球人は受け入れられないと思い、その時期が来るまでは、決して人前で力を使ってはいけないと教育したんです。子供の頃から、力を極限まで抑える事を学んだクラークは、その力を利用して自分の欲望を叶えたり、自分の力を誇示して権力を持とうとかは、一切考えない大人に育ったんです。親の教育が良かったんですよ。その力は、自分の欲望の為に使うのではなく、異星人の自分が地球人に受け入れられる為に使うのだと思うように教育したんです。だからこそ、彼は地球人にとって、正義の味方であり、英雄と思われるスーパーマンになれたんです。
だから、このお話は、スーパーマンのお話ではなく、スーパーマンがスーパーマンとなる為の教育をした父親達のストーリーと観ると、とても良いのではないかと思いました。父親とはどうあるべきなのか、母親とはどうあるべきなのかという姿が描かれています。クラークには、生みの親と育ての親が居る訳ですが、どちらの両親もとても立派な人間でした。
生みの両親は、自分達が失敗をした責任は自分達で取り、子供には、その責任を負わせずに、強く生きて行く事を望み地球へ送りました。育ての両親は、その性格を形成する上で、特殊な力に頼らず、自分の足でひとつづつ歩くことを教え、心の強さを持たせました。こんな素晴らしい両親を持った彼は、元々スーパーマンだった訳ではなく、スーパーマンとして作られたんです。凄いでしょ。
私も含めて、大人は、この両親に学ばなければなりません。子供を育てることって、とても大切な事なんです。誰もが、育て方によってスーパーマンになれるという事を知るべきです。考え方や知識、手先の器用さ、性格などの形成によって、スーパーになれるのだと。ただ自分の欲望だけで動く人間はスーパーマンにはなり得ないんです。自分の考えで、未来を切り開ける知識と経験を持った子供がスーパーになれる。それは、異星人でも地球人でも一緒なんです。
そんな大切な事を教えてくれる映画でした。なんか、スーパーマンの映画じゃないみたいだけど、そうなんです。もちろん、スーパーマンが地球を救うのは当たり前だし、とっても強いのも当たり前で、アクションシーンも満載なんだけど、今回の重要なメッセージは、彼を作った両親にあるんだと思うんですよね。そして、彼が親離れして、最後に一人で罪を背負った時の悲しい叫びを聞いて下さい。大人になるという事は、罪を背負い、傷ついて、それでも立ち上がることなんです。心の傷を持ち、やっと本当のスーパーマンとなった彼は、これからも地球を守ってくれることでしょう。
私は、この映画、超お勧めしたいです。普通のヒーローものとは違うけど、親がどれほど子供の事を愛しているかという事と、愛された子供は、悩みながらも親の愛に答えて行くのだという事が、その派手なアクションの奥に表現されていて、とても好感が持てました。親子で観て欲しいなって思いましたよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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