「パパの木」突然父親を亡くした子供たちと母親の再生の物語。母親であり女である妻は・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「パパの木」を観てきました。


ストーリーは、

ピーターは、長期間にわたる仕事が終わり、ドーン(シャルロット・ゲンズブール)たちが待つ自宅に戻る途中、心臓発作が原因でこの世を去ってしまう。残されたドーンは子どもたちを抱え、この先どうやって生きていけばいいのかわからない状態に陥っていた。そんなある日、8歳の娘(モーガナ・デイヴィーズ)が庭の大きなイチジクの木に父が宿っているのではないかと感じ、木と対話していることを知る。
というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パパの木

父親を突然亡くした家族が、ボロボロになりながらも、なんとか再生していくお話です。父親は、広大な土地を有するオーストラリアならではの仕事である、家の搬送をしていて、結構、精力的に働いているように見えたのですが、心筋梗塞なのか、心臓発作なのか、突然死をしてしまいます。まだ30代後半の夫婦と子供は、上は18才くらいから下は3才くらいの子供4人の家族なのですが、柱である父親を失い、どう生きて行ったら良いのか、途方に暮れてしまいます。


家族の家の横には、大きなゴムの木(チラシや宣伝ではイチジクになっていましたが、映画の中ではゴムの木と訳されていて、子供たちが木を植えているのを観たら、確かにゴムの木の葉でしたし、樹液もゴムの木の樹液でした。)が生えていて、どんどん根を伸ばし、家族の家にまで影響を及ぼし始めていました。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パパの木

父親が亡くなった後、ゴムの木に登って休んでいたシモーンに、木からの声が聞こえる。木から聞こえる声が父親の声だと感じたシモーンは、母親のドーンにもそれを伝え、寂しくなると、木の声を聞くようになって行きます。でも、木は家を壊していき、ドーンが新しい道を歩き出そうとする事の妨げにもなり、段々と、家族の生活を圧迫して行く事になるのです。

突然、家族を失ったら、本当に、どうして良いのか、解らなくなりますよね。それまで横に居た人が永遠に消えてしまうのですがら、心にポッカリ穴が開いてしまうのは当たり前です。だけど、生きている人間には、まだまだ人生は続くのです。何とか、元あった人生に戻りたいと思うのに、欠けてしまった心は元に戻らない。他のもので埋めようとするけど、ぴったりハマるピースなど、見つかるはずも無い。だから、良い思い出として、心にしまっておくしか無いんですよね。無理して穴を埋めたり、忘れたりするのは無理だと思うんです。死んだという事を受け入れて、慣れるしかない。慣れて、新しい道を探していくしかないんです。そんな事を、この映画は訴えていたように観えました。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パパの木

ドーンは、夫が亡くなり、新しい男性と出会い、ちょっとイイ感じになるのですが、子供たちは、まだ父親を忘れられず、母親の行動を受け入れられないんです。ドーンの気持ちになれば、将来の不安もあるし、助けてくれる男性が居たら、頼ってしまいたくなるのは当たり前だと思うんです。子供を4人も抱えて、そりゃ、辛いですよね。でも、子供から見れば、そんなに簡単に父親の代わりなんて受け入れられないし、まして、木がパパだと思っていて、木はそこにあるのに、新しい男性を母親が連れてくるというのは、不潔だと思うだろうし、難しいと思いました。どちらの気持ちも解るから、難しい選択だなぁと思いました。

子供たちも、それぞれが、一生懸命、母親を助けようとしていて、いじらしくて、可愛くて、でも可哀想で、やっぱり、子供を置いて親が死ぬのはダメだよって思いました。子供を持ったら、自分の健康管理はキチンとしなくてはね。子供に悲しい思いをさせない為にも、健康でいなければいけません。もちろん、身体的にも精神的にも。だから、無理ばかりせず、時には、家族に文句を言われても、休むことが大切です。子供は、お父さんやお母さんがゴロゴロしていても、あまり無理をさせないようにしましょうね。(笑)

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パパの木

映画の宣伝に関してですが、映画をキチンと観ていればゴムの木をイチジクと間違える事は無かったと思います。ただ、向こうから来た紹介文などを翻訳しただけで、それを元にチラシや宣伝文句を考えてしまっているのでしょうね。宣伝をするなら、映画を最初から最後まで丹念に見なければねぇ。映画を観ていれば、木にクギを打って、そこから白い樹液が出ているのも解るし、子供が植えている苗木の葉は、まさにゴムの葉でした。観葉植物でゴムの木って、結構、置かれているでしょ。固くて、厚い、強い葉で、新芽のところは、丸まっていて、中心から登ってきます。確かに、大きな木の映像は、葉がゴムの葉とは違うように見えるし、家に入って来た木は違うようでしたが、話の中では、ゴムの木として設定されているし、子供が大切に植えている苗木を見れば解りますよね。そんな解りやすい事を間違えて宣伝するなんて、酷い会社だなぁと思いました。自分の会社が宣伝するなら、宣伝する映画くらい、良く観ましょうよ。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パパの木

宣伝は置いておいて、この映画、私はお勧めしたいと思います。ドーン役のシャルロットもステキですけど、子供たちが、とても自然でかわいくて、辛い場面も多いけど、最後に心がほっこりするような気持ちになります。もう、上映が終わってしまうと思うけど、良かったら、観てくださいね。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




パパの木@ぴあ映画生活