「最愛の大地」を観てきました。
ストーリーは、
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下の1992年、セルビア兵に捕まり収容所に送られたアイラ(ジャーナ・マリアノヴィッチ)は、女性としてのプライドをズタズタにされるような日々を送っていた。そんな中、以前付き合っていた将校ダニエル(ゴラン・コスティッチ)から、肖像画の制作を依頼される。やがて二人の間に愛が再燃するが、一方で戦況はさらに悪化していき……。
というお話です。
民族の紛争というのは、どちらにも言い分があって、それずれに理由があるので、どちらが正しいと言えないところが問題ですよね。誰もが正しくて、誰もが間違っている。どこまで行っても、解決はしないのです。でも、種の交配が進んで、子供の時代になったら、もしかして、大きな新しい国として立ち上がれるのかも知れない。その日を夢見て、少しづつ近づいていくしか無いのでしょう。辛い事です。
戦争になると、どうしても女性が性暴力の犠牲になる事が多いですよね。どんな国でも、そういう事が起きてしまう。性衝動は人間の本能だけど、女性が犠牲になるような事は避けて欲しいな。日本には、便利なTENGAとかがあるんだから、戦争が起きたら、そういうものを差し入れるとか出来ないのかな。どうしても、男だったらしたくなる訳でしょ。ガマンし過ぎて凶暴になって、戦争で残酷な事をされたら困るから、なんとかストレス解消してあげるために、そういう道具が必要なんじゃないの?ただ、犯罪だと騒ぐより、何か対処方法を考えてあげるのも大切だと思うんです。
この映画、戦争の恐ろしさを描いているんですけど、私、ちょっと、女の恐さを感じてしまいました。男のオフェンスは暴力を振るうのが王道なんですけど、女性のオフェンスは男性とは違うんですよね。女性の頭脳は文系と言いますが、頭の中で計画を組み立てて、それをジックリと進めて行くんです。だから、男は罠に落ちる。戦争ですから、そういう方法も必要だと思うけど、いやぁ、女は怖いと思いました。繊細な男の心は、壊れちやうよなぁ。

女って、残酷なんです。男よりも、数段上だと思う。そして、年齢を重ねるにつれ感受性が失われて行く動物です。だから、オバサンという新しい生き物が生まれてしまう。戦争の中でも、愛していると言いながら、自分が考えることは正しいと認識し、人の話を聞いて理解することは無いんです。この辺りが、根本的に男と女が違うのだという事を、適格に表していると思いました。
戦争の犠牲者は女性なのだと描いているだけの映画かと思いきや、戦争というものに翻弄され、男と女は、愛という武器を振りかざし、それによって壊れてしまうのだというお話でした。観た後に、考えれば考えるほど、愛という罠は恐ろしいと思ってしまいました。ネタバレになるから書けないけど、いやぁ、すごいラストでした。ショックを受けてしまいました。あれは、私も、心が壊れちゃうだろうな。
戦争によって、二人が敵味方に分かれてしまったからこそ、二人の意識も変わって行き、考え方も変わってしまうのだということですよね。その情勢によって、自分の命や同胞の命を助ける為なら、何をしても罪悪感が無くなるという事です。恐ろしいことです。日本だって、戦争の時は、国民の意識も狂っていたのだと思いますよ。そう思うと、二度と戦争はイヤですよね。
日本は、戦争をしないで済むようにと考えているのに、それを逆手にとって、威圧してくる近隣国があって、本当に汚い事をするなぁと思います。日本は、決して撃ってこないと判っているからこそ、酷い事をするんでしょ。ガス田開発だって、文句を言うだけで実力行使は出来ないだろうから、勝手に日本の資源も取っていこうとしているんでしょ。ガス田を掘れば、日本だって、エネルギーの供給が楽になるのが判っているのにどうして掘らないのかしら。まぁ、この話は、この映画とは関係ありませんね。
私は、この映画、単館系に慣れている方にはお勧めしたいと思います。結構、進み具合が遅かったりするので、私は、中盤に少し眠くなりました。単調な話が続くので、ちょっとダレるんですよ。それを越すと、深い愛憎劇があるんですけどね。アクションなどが好きな方には、ちょっとダメかも。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・最愛の大地@ぴあ映画生活