「さよなら渓谷」を観てきました。
ストーリーは、
緑が生い茂る渓谷で幼児の殺害事件が発生し、容疑者として母親が逮捕される。隣の家に住んでいる尾崎俊介(大西信満)がその母親と不倫していたのではないかという疑惑が、俊介の妻かなこ(真木よう子)の証言によって浮かぶ。事件を取材する週刊誌の記者、渡辺(大森南朋)がさらに調査を進めていくうちに、尾崎夫妻をめぐる15年前の衝撃的な秘密にたどり着き……。というお話です。

これ、ネタバレしないと感想が書けないと思うので、ある程度のネタバレが含まれます。それでも良い方のみ、読んでください。だから、観てから読んでくださる方が良いかもしれません。
内容が衝撃的なんです。あの「悪人」を書いた吉田さんの作品なので、すごい内容になるのは解ると思うのですが、それでも、観ていて、驚きました。

実は、ここがネタバレなんですが、自分を高校生の頃にレイプした犯人と一緒に暮らしているというお話なんです。それは、復讐をする為であり、犯人の男は、罪を償うため。この考え方って、不健康だよねぇ。もう、この秘密が解った時に、ちょっと気持ち悪くなりました。私なら、犯人を目の前にして、平然としていられるなんてあり得ないと思ったからです。私なら、自分が犯罪者になろうとも、相手を殺そうとしているかなって思いました。だって、レイプって、女性を殺す事と一緒ですよね。簡単に言うけど、この犯罪は、死刑にしても良い犯罪だと思っています。
これ、本当にひどいなって思ったのが、未成年だと犯罪を犯しても名前が出ませんよね。でも被害者は出てしまう。一度出てしまうと、その被害は、その人間に一生付いて廻るんです。名前が出なかった犯罪者は、更生したとして社会に出れば、誰にも、その犯罪は解らないのに、被害者は、いつまでも言われていしまう。やっぱり、これはおかしいと思うんです。だって、被害者は何も悪くないのに、その事件に合ってしまったばかりに一生、あの被害者だよねって言われてしまう。やっぱり何度考えても、納得が出来ません。
犯人の尾崎は、罪を償おうと、一生を彼女の為に捧げる覚悟をしていて、かなこの方は、自分が幸せな生活を送れなかったのは、彼から受けた犯罪のせいだとして、彼をどこまでも引っ張って行こうとしています。でも、その二人の間は、不幸だけだったのかと言うと、そうでもなさそうに見えるんです。静かに、そして優しい生活を送っている平凡な夫婦に、外から見ると見えてしまう。なぜ、そんなに落ち着いて見えるのか、不思議な関係なんです。
でも二人の間には、いつも悲しい犯罪が付きまとっていて、彼女の心は、潤うことが無いんです。こんな悲しい二人ってありますか?観ていて、どうしてって問い掛けたくなりました。かなこは、彼女の心を癒してくれる人を探して探して、でも、結局、誰も彼女の心を受け止めて、助けてくれる男は居なくて、最後に、この犯人である尾崎のところにたどり着いたんです。
何度、この映画を思い返しても、受け止める器の無い男ばかりで、腹が立ちます。男の性欲で身体をボロボロにされ、そして、男の独占欲の為に、心までも壊されてしまう。どんなに考えても、この不条理を許せません。どこまでも男に復讐してやりたくなるのは当たり前です。
ていうか、このレイプという犯罪をしたら、その男の局部を切り取るようにして欲しい。それが出来ないというなら、未成年でも名前の公表と、身体にチップを入れて、女性なら誰でもGPSで居場所をチェック出来るようにして欲しい。性犯罪なんて起こす男は、更生なんてしませんよ。もっと、女性の議員は、そういう事を訴えるべきでしょ。くだらない慰安婦なんて嘘の話に乗るバカはいりません。
本当に、女性に、この映画、観て欲しい。そして、もっとこういう犯罪について、考えて欲しい。いつ自分の身に降りかかるかも知れないし、自分の家族が犯罪に巻き込まれるかもしれない。ただ、女だというだけで、被害者になりうるんです。
私は、この映画、すごくお勧め映画です。ぜひ、たくさんの人に観て欲しい。モスクワ映画祭で、審査員賞も貰ったし、この映画の素晴らしさは、お墨付きです。男性も、この映画を観て、大きな心で女性を受け止めることの出来るように成長して欲しい。彼女の過去に何があっても、自分が守れば幸せになれるんです。女性の方は、過去に何があろうと、負けない心を持ちましょう。助けてくれる男も必要だけど、最後は自分の気持ち次第。女も、たくさんの武器を持ち、戦える心を持てば、男はペットと同じになる。何も、心配する必要はありません。ぜひ、この映画、観てくださいね。
楽しんできてください。