「100回泣くこと」を観てきました。
ストーリーは、
4年前に起こしたバイク事故で記憶の一部を喪失した藤井(大倉忠義)は、友人の結婚式で出会った佳美(桐谷美玲)と交際をスタートさせる。交際間もなくプロポーズした藤井に、佳美は1年間は結婚の練習をしようと提案。そんな幸せ絶頂の最中、佳美を病魔が襲う。実は、佳美が練習期間と言い出したのには理由があり……。
というお話です。
これ、あまり私は、ダメでした。だって、全然泣けなかったんですもん。大泣き出来て、ストレス解消と思っていたのに、ガクっという感じです。
話としては、事故で記憶を喪失してしまった彼と、再度出会って、再度、恋をするというお話で、彼の方は、それを全く知らないけど、彼女の方は、ガンの再発を恐れながら、すべてを黙って、彼と付き合っているというお話なんですけど、あまり悲壮感が無いんですよ。なんか、元彼と知らない振りして付き合うって、結構、辛いと思うから、途中で少しづつボロが出てしまったりすると思うんだけど、佳実ちゃんは、まったくボロを出さずに、本当に新規に付き合っているような感じで、再度付き合っているという辛さが、ほとんど出てないんです。
普通、付き合っていたら、相手が違っても、同じような場面があると思うから、同じ人と再度付き合ったら、同じ場面というか、デジャブのような感覚が付きまとうと思うんですよね。そうしたら、どうしても、あれ?と思って、変な顔をしてしまうと思うんだけど、そこら辺が、まったく描かれていなくて、2度目の付き合いな
のに、それが表現されていませんでした。
大倉くんが、藤井君を演じているのですが、ちょっと、やっぱりまだ、主演映画というものに慣れていないのかなという感じで、あまり感情移入が出来ていなかったように思いました。とっても新鮮で良いのですが、もう少し、舞台とかドラマで勉強してくると、もっと良かったのかも。桐谷さんも、とってもかわいくて、病気の役はかわいそうなんだけど、あまり悲惨さが出ていなくて、キレイすぎちゃって、観ているこちらに、辛さが伝わらなかったです。ガンを患って、もし、大切な人と別れなければならないとなったら、もっと辛くて、耐えられなくて、もっとめちゃくちゃに苦しむ場面とかがあっても良かったのではないかと思いました。どーも、病気が伝わってこないんですよね。

そんな訳で、どーも、この映画は、入り込めませんでした。
それにしても、いくら事故で記憶を無くしたって言っても、みんなで嘘を突き通すなんて、無理でしょ。親まで嘘をついて、彼女との記憶を隠すって、酷くありませんか?記憶は無くしても、それまでに残した記録は残っている訳でしょ。すべての記録を消していくなんて、無理だし、自分が記憶を無くしたなら、それまでの記憶を取り戻そうと、色々な場所を周って、記録を辿りますよね。無くした記憶を、そのまま放置して、思い出さなくてよいなんて、そんな人居るのかな。私なら、耐えられなくて、色々な自分を知ろうとするけどねぇ。

原作は読んでいませんが、原作と同じなのかな?申し訳ないけど、私は、この映画、あまりお勧めは出来ません。悪い映画とは言いませんが、あまりにもキレイすぎて、悲劇じゃなくなってしまっているんです。悲しいお話なら、悲しいお話らしく、死というものに向き合って、もがいて、苦しむ姿も描かないと、人間じゃないんですよ。
大倉くんと桐谷さんのファンの方には、ずーっと彼らが観れるので、嬉しいと思いますよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。