【フランス映画祭】「テレーズ・デスケルウ」女性が男性の付属品だった時代の女のもがきを描きます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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フランス映画祭6作目は、「テレーズ・デスケルウ」を観ました。


ストーリーは、

1920年代、フランス南西部のランド県。テレーズは家同士が決めた結婚により、広大な松林を所有するデスケルウ家の当主ベルナールの妻となる。このような政略結婚が当たり前だったこの時代、何の疑問も持たずに結婚したテレーズだったが、愛のない結婚生活と旧態依然とした家族制度に次第に息苦しさを感じ始める。ベルナールの妹で、幼馴染みの親友でもあるアンヌが家族の反対にも関わらず若い青年ジャンと恋に落ちたことは、テレーズの心の中に今置かれている状態から逃れたいという思いを芽生えさせる......。

というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-テレーズ

ノーベル賞作家フランソワ・モーリアックの代表作にして、フランスのカトリック文学史上の不朽の名作と言われる同名小説の映画化です。


昔は、親の言う通りの結婚というのが、当たり前の時代だったから、テレーズのように、財産のために結婚するというのも、それほど違和感がなかったのでしょうね。それに、結構、大きな事を聞いておけば、自由な生活も保障されているし、これが幸せだったのだと思いました。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-テレーズ

でも、アンヌの自由な恋愛を目にしてしまった時から、どーも、自分の生きてきた道に違和感を覚え、今の生活に息苦しさを感じるようになります。確かに、政略結婚では、恋というものを感じる前に結婚ですから、結婚に物足りなさを感じるようになるのは当たり前かもしれません。そして、テレーズは、子供が産まれても、子供に興味を示さず、段々と暗い考え方を持つようになって行くんです。


政略結婚という籠の中から出られないテレーズは、なんとか、そこから出て、自由になりたいと思い、夫を手にかけようとします。夫が居なければ、自分は自由になることが出来て、息苦しさを感じなくて済むようになるのだろうと思ったのです。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-テレーズ

これって、解るなぁって思いました。だって、普通に恋愛して結婚していても、時々、自由に恋愛が楽しめたら良いなぁって思うこともあるし、お互いの親や親族の為に振り回される事って、多いじゃないですか。そういう事から解放されたら、どんなに楽だろうって思いますもんね。


でも、その自由って、相手が居なくなっても手に入らないと思うんだけど。だって、息苦しく感じるということは、夫に対してというよりも、周りの目を気にして、自由な振る舞いが出来なかったんだから、自分が、周りの目を気にしなくなるように変わるか、自分が、周りの人間の頂点に立って自分の思い通りに教育しない限り、何も変わらないと思うんです。その時代の常識が、そういう生活だったのだから、革命を起こさない限り、変わりませんよね。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-テレーズ

だけど、単純に夫を亡き者に出来ればと考えてしまう辺りが、この時代の女性の浅はかさなのかなと思いました。でも、従うだけの人間になるのを良しとせずに、変えてみようと考えて動いたという部分は、良かったのかもしれません。悪い方向に行ってしまったけどね。


あのキュートな”アメリ”のオドレイ・トトゥが、段々とダークサイドに落ちて行く女性を演じていて、ちょっと違う彼女を見ることが出来ます。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-テレーズ

私は、この映画、まぁまぁお勧めしても良いかな~というくらいです。はっきり言って、暗くて、陰鬱で、眠くなってしまうんです。観ていて疲れるしなぁ。でも、フランスの不朽の名作と呼ばれる原作なので、本を読むより、映画を見る方が楽だという方は、ぜひ観てみると良いと思います。

日本公開の予定が、まだ無いようなので、DVDで出たら、観てみてくださいね。

ぜひ、楽しんでください。カメ