「俺はまだ本気出してないだけ」を観てきました。
ストーリーは、
子持ちで離婚歴がある42歳、大黒シズオ(堤真一)。ある日、彼は「本当の自分を探す」と何も考えずに会社を辞めてしまう。だが、ゲームばかりの毎日を送り、同居する父親の志郎(石橋蓮司)から怒鳴られてばかり。そんな中、本屋で立ち読みをしていたシズオは漫画家になろうと決意し、志郎と娘の鈴子(橋本愛)に熱く夢を語る。しかし、出版社に原稿も持ち込むも不採用。さらに、生計を立てようとファストフード店でバイトするが、ミスを繰り返し、さらにはバイト仲間から店長というあだ名を付けられてしまう。
というお話です。

堤さんが、めいっぱいオッサンを演じていて、とっても面白いとは思うんだけど、内容が無いんですよね。40歳を過ぎても、まだガンバれるって言いたいんだろうけど、頑張れてないし、進歩もしないし、ダメ人間を楽しくやっているという感じなんです。だから、面白くて笑えるんだけど、観ても、身にならないというか、役に立たないというか、観た後に、この映画、ナンだったんだろうって感じなんですよねぇ~。まぁ、これで良いのかな?(笑)
確かに、内容は無いんだけど、結構、バブルをカスって知っている年代の人は、彼のような生き方が解かるんじゃないかなぁ。この年代、もしかして上手く行くんじゃないかって思い込んでしまう人が多いんですよね。でもね、バブル期じゃないから、そんなに上手く行くはずが無いんだけど、夢見ちゃうんですよ。不思議です。私から見ると、このシズオの上の時代の人が、バブルで踊って、すべて失敗しているじゃないですか。だから、冷静になれば、その失敗を知っている訳だから、ムチャな事はしないと思うんだけど、何故か、”オレ!オレ!”と、自分中心で考えてしまい、周りから見ると”アホ?!”と思うような事を平気でしてしまうんですよねぇ。笑ってしまう。
でも、何もやることが無い人とか、気力が無い人が多い中で、結構、”アホ”な奴って、輝いて見えますよね。自分に持ってないものを持っている人って、羨ましいし、憧れてしまう。山田くん演じる市野沢くんは、現代の若者っぽくて、シズオの事を、ちょっと羨ましいと思って、仲良くなったんじゃないかと思いました。今の若い人は、時代が悪いから、輝けるものも無くて、ちょっとかわいそうですもんね。
なんとなくやりたい事を探して、見つけて、意味も無く輝けるオッサンと、現実を知っているので、全くやる気が無が起きずに輝くことが出来ない若者、この二つの時代を上手く描き分けていて、どっちが良いのかなって思うと、やっぱり、アホと言われ様と、やりたい事やって輝いている奴の方が幸せかも知れないなって思えるところが、良いと思いました。
それにしても、堤さん、思い切りましたね。大笑いしてしまいました。舞台で極道の男を演じている顔と全然違うじゃないですか。(笑)あの、スッとした、柳の下に番傘をさして立っている着物姿の堤さんとは別人です。サギ!!と言いたくなっちゃう。(笑)
そんな中で、お父さんの石橋さんと、娘の橋本さん、良かったですね。特に、石橋さん。観る度に、違う姿を見せてくださって、いつも感動してしまうんです。今回は、ダメな息子を、怒りながらも見守っている、深い愛情を持ったお父さんで、良かったなぁ~。
そうそう、シズオの友達の宮田。宮田も良いんだけど、宮田の息子役が、あのコドモ警察の時のスマートをやっていた子だと思うのですが、これが、かわいいのよ。こんなにかわいい子が、あの宮田から産まれるとは思えんが、まぁ、お母さんが美しいからね。で、こんなかわいい子に、パンが好きって言われれば、そりゃ、お父さんは頑張っちゃうよなぁって感動しちゃいました。
私は、この映画、結構、まぁ、お薦めしても良いかな。なんか、この映画って、超お薦めとか、そういう押す感じの映画じゃなくて、まぁ、ヒマだったら行ってみて、気を抜いて観てみたらって感じなので、ダラダラしながら、なんとなく行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。