舞台、「ヴィーナス・イン・ハー/VENUS IN FUR」 を観てきました。
(写真は、ブロードウェイシアターで上演されたものです。稲垣さんと中越さんを想像して見てくださいね。)
ストーリーは、
オーディションを終えた貸スタジオに演出家・トーマスが居る。受話器に向かい、主役にぴったりな女優がいないと嘆く。そんな時、突然女優のヴァンダが駆け込んでくる。目立ちたがりで、がさつで、そして捨て身な印象の彼女は、トーマスが嫌いとする女性の全ての欠点を持ち合せていた。
そんな彼女を無視して帰ろうとする彼を、ヴァンダはありとあらゆる手段を使って引き止め、次第にまるで小説の中の登場人物の女のように、 トーマスを完全支配するようになっていく・・・。
ブロードウェイシアターで上演されていたものを日本で上演することになり、日本版として、ニューヨークから演出家を呼んでの上演となったようです。出演者は2人。トーマスとヴァンダ=稲垣さんと中越さんです。お話の基となっているのは、マゾッホの「毛皮を着たヴィーナス」。この題名を聞いただけで、なんか、ゾクゾクしそうでしょ。
演出家のトーマスが、オーディションの審査を終えて帰ろうとしているところへ、一人の女性が入ってきて、自分もオーディションをさせてくれと願います。彼女の名はヴァンダ。舞台のヒロインと同じ名前なんです。彼女の強引な口調に負けて、オーディションをやり始めるのですが、何故か、役にピッタリの彼女に、どんどん引き込まれてしまうトーマス。最初は、どーせ、役とはかけ離れた、現代女性なのだろうと思っていたのに、驚きと戸惑いが交錯し、彼女に振り回されていく。
最初は、オーディションを受けさせる方であり、上に立っていたトーマスが、どんどん演技を進めて行くうちに、今度は、ヴァンダに支配されて、従って行く様子が、とても妖艶で、ヴァンダという女性が、いったい何者なのか、とても不思議に感じてきます。
見ているこちらも、最初は、ただの現代女性としか見ていないのですが、その仕草までが、段々と、古典的な、それこそコンサバティブな女性に変貌して行き、まるで、舞台自体が、蛍光灯と白熱灯、コンクリートと木材、青と赤、のように、2種類の世界が描かれているように見えてくるんです。もちろん、演じている二人も、まったく違う二通りの人物になっていく。
この舞台は、演じる人の技量が、とても必要とされるものだと思いました。だって、二人だけで、その世界をどんどん変化させて行かなければならないし、まして、舞台はオーディション会場の部屋のみ。最初から最後まで、何も変化が無い部屋で、小道具と演技のみで、二つの世界を演じるというのは、凄いです。
稲垣さん、今度は、業界のイケイケ演出家でしたね。ちょっとテンションを上げ気味で、映画”~加奈子”の時の普通の男性とは、ちょっと違う感じ。そんな男性が、どんどん”虐められるのスキ~!”みたいな状態になっていく姿が、何とも言えずにステキでした。観る度に、新しい姿を見せてくれる稲垣さん。これからも、楽しみです。今度は、コメディーも観たいし、古典演劇も観てみたいな。
中越さん、本当にお美しくて、ヴィーナスと言っても良いほどに、かわいくて、妖艶で、怖ろしくて、逃げたくなるような女性でした。どんどん顔が惨酷な表情になって行くんですよね。もー、これ、Mの方は、耐えられないと思う。私は、Sだから、彼女のような事、したいなぁって思いました。(笑)どんなことをするのかは、舞台を観てくださいね。
私は、この舞台、良かったなぁ。もちろん、大好きなゴローさんの演技が生で観れたことも嬉しいんだけど、内容が、とっても魅力的でした。女とは男とはという解釈を、自分の考えのみで脚本を書き上げ、舞台化しようとしていた演出家に、ある人が、ガツッと鉄拳を与えるようなお話で、ただのSやMのお話ではなく、とても考えさせられる内容なんです。
見どころは、やっぱり、ヴァンダに引っ叩かれたり、蹴られたり、虐められるトーマスの姿。何をされてもヴァンダに従ってしまい、腿まであるブーツをヴァンダにゆっくり履かせるトーマス。どこまでも、虐げられるトーマス=稲垣さんは、やっぱり、ステキだわぁ~。私も、一緒に虐めたい~!!!(笑)

まだ公演は続いているので、気になったら、ぜひ、行って観てください。私は、超お奨めの舞台です。当日券が、ある程度あるようですし、まだ、チケットも、少し残っていそうなので、ぜひぜひ、お時間があったら、行ってみてくださいね。
ぜひ、楽しんできて下さい。
スミマセン。ブロードウェイシアターの写真しか載せられないので、こんな舞台だというのを想像してくださいね。
VENUS IN FUR / ヴィーナス・イン・ファー http://www.tbs.co.jp/event/vf2013/