「命ある限り」を観てきました。
ストーリーは、
神に願い事をするたびに、何かを我慢することにしている敬虔(けいけん)なクリスチャンの令嬢ミラ(カトリーナ・カイフ)。ある日、彼女はロンドンの教会でストリート・ミュージシャンのサマル(シャー・ルク・カーン)と出会う。ミラには婚約者がいたが、サマルとの触れ合いに真の愛情を感じて結婚を誓い合う。しかし、サマラが交通事故に遭って意識不明の重体になる。サマラの回復を神に願い、それと引き換えに彼と今後一切会わないと誓うミラ。奇跡的に目を覚ましたサマラだったが、ミラの誓いを知ってがくぜんとする。
というお話です。
王道のラブストーリーではあるのですが、展開が、想像と違う方向に行ったりするので、とっても楽しめるんです。ま、どこかの陳腐な恋愛映画のように、記憶喪失になったりっていうことも、在るには在るのですが、でも、ネチネチしていないし、なんか、とっても気持ち良いんです。3時間もあるのに、最後まで展開が判らないって、凄いでしょ。面白いですよ。
サマルはとミラは運命的に出会い、どんどん惹かれあって行きます。だけど、ミラには既に婚約者が居て、自分を偽りながら結婚に進むこともイヤだし、結婚を喜んでいる父親を裏切ることも出来ず、とても悩みます。しかし、心を偽る事は無理だと気が付き、婚約を解消したいと父親に話す事を決意した矢先、サマルが交通事故に。生死の境を彷徨うサマルを生かす為に、ミラは、神様に、”サマルとの結婚は諦めるからサマルを生かして欲しい。”と願い、その願いは聞き届けられます。サマルと別れる事を誓ってしまったミラは、神との近いを守り、婚約者と父の元へ。サマルはロンドンから離れ、軍隊の爆弾処理班に所属することになります。
これが、前半のお話。ま、良くある話だとは思うけど、近づきそうで近づかないって感じの、ちょっとインド的な男女の付き合い方がステキなんですよ。そこまで一緒に熱くダンスをしたなら、キスくらい当たり前で、ホテルにでも行っちゃいそうな雰囲気なのに、それ以上、進まないんですよねぇ。これって、イスラム系だからなのかしら。(笑)でも、そういうところが、とっても斬新と言うか、期待を持たせてイイんですよね。
別れてしまったサマルとミラ。サマルの方は、爆弾処理班で活躍して、確か少佐になっていたかな?そこへ、”アキラ”というディスカバリーチャンネルの見習いディレクターが取材に来て、サマルに思いを寄せ始めます。サマルはミラを忘れられず、そんなサマルを振り向かせようと、アタックをするアキラ。このアキラというキャラクター、とってもイライラする女なんだけど、本当はとっても良い娘で、心からサマルを思います。サマルの頑なな心も、少しづつ解けて行くのですが・・・。またも、展開が。
展開が何度もあって、昔の日本のジェットコースタードラマ(古くてゴメン!)のようなんです。だから、途中でウトウトしそうになると、パッと目を見開くような展開となり、眠ることがありません。すごいでしょ。
ヤシャ・チョブラ監督の遺作だそうですが、これほどに熱く深く心を描く方だったんですね。まるで、インドの山田洋次監督というような雰囲気の方で、この映画のエンディングで、監督の映像が流れるんですけど、撮影はとてもこだわっているように見えて、ちょっと難しそうかなって思うんですけど、普段の映像は、キャストとも仲良く話しをしていて、明るい顔を見せていました。観るからに、監督って感じの方です。もっと、この監督の作品、観てみたかったな。日本でも観ることが出来るのかしら。調べてみたいと思っています。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。インド映画を初めて観る方にも、これなら受け入れてもらえるんじゃないかな。インド映画は、長くて、ダンスばかりで、話が良く解からないみたいなことを思っている方、それとは全然違うっていうことが、この映画で解かると思います。ラブストーリーの奥深さ、映像の美しさ、バランスの良さなど、ハリウッドに負けないくらい楽しめる映画だということが、解かっていただけると思いますよ。
ぜひ、楽しんできて下さいね。
・命ある限り@ぴあ映画生活