「マニアック」を観てきました。
ストーリーは、
真夜中の町で女性のみがターゲットにされた猟奇殺人が次々と発生し、犠牲者は全員、毛髪ごと頭皮をはがされていた。マネキンの修復師フランク(イライジャ・ウッド)は生身の女性を愛することができない上に、誰にも言えない恐ろしい秘密を抱えていた。そんなある日、彼は仕事の芸術性をわかってくれる美しい女性カメラマンのアンナ(ノラ・アルネゼデール)と出会い、彼女こそ運命の女性と信じ込んでいたが、アンナは友人以上の感情を持っておらず……。
というお話です。
1980年の伝説的スプラッターホラーを、『P2』の製作、監督コンビ、アレクサンドル・アジャとフランク・カルフンがリメイク。でも、私は、古い映画を知らなかったので、超ビビリました。
これ、良く上映出来たなって思うほど、恐ろしい映画でした。連続殺人鬼のフランクを、イライジャ・ウッドが演じているんだけど、普通、主人公の姿をカメラは追っていくでしょ。でも、この映画は違うんです。主人公の眼として、カメラが動いていくので、鏡に映ればフランクが映るんですけど、普通は、殺人鬼が、殺す獲物を見ているから、殺される女性が中心の映像なんです。で、殺人鬼って、こんな風に獲物を狙っているのかとか、結構、周りにも目を配っているとか、色々な事が解かるんですけど、それ、解かって、どうなるの?っていう気も・・・。

フランク(イライジャ)は、見た目はかわいくて、誠実そうで、マジメそうでしょ。だから、女性も、あまり疑わないんです。そして、仲良くなっていくと、段々と様子が変わってきて・・・。怖ろしい殺人鬼に変貌する。でもね、言葉はやさしくて、そんなにすごい力があるように見えないんですけど、ナイフでバッサリとか、惨酷になるの。この恐ろしさというか、気持ち悪さは、ホラーに勝ります。だって、自分が殺しているような感覚になるんですよ。それが、マジで気持ち悪いの。
彼がおかしくなったのは、母親の影響が強いようなんです。フランクの母親は、黒髪の美しい女性で、とっても淫乱な女性だったようで、フランクが子供の頃から、たくさんの男を連れ込んでは、楽しんでいたようなんです。その一部始終を見ていたフランクは、女性に対しての普通の性欲が起こらず、ちょっと曲がった欲望を抱きながら成長してきました。
女性を殺しては、身体ではなく、永遠に残る髪をコレクションするようになり、その髪を、自分の自慢のマネキンにかぶせることが彼の日常になって行きます。そんな彼を、映画の中で一緒になって体感していくことになるので、観ていて、とても辛かったです。自分が切られている訳ではないのに、とっても痛いような気持ちになったり、こっそり獲物に近づいていく時には、いっしょになって、ドキドキしてしまう。
本当に、心臓に悪い映画でした。以前に製作された映画も、こんな風な映画だったのかしら。それとも、内容だけ一緒で、殺人鬼を体験出来るというのは、今回の映画だけなのかしら。とにかく、私には、衝撃的でした。色々な、スプラッタとか、ホラーとか、サスペンスとか観ているけど、こんなに殺人鬼の気持ちに添ってしまったのは初めてです。自分が怖くなりました。
私は、お薦め映画なんですが、スプラッタとかホラーとか、恐い映画がダメな方には無理です。あと、痛い映画がダメな方も無理だと思います。でもね、映画好きなら、この映画、体感してみるべきじゃないかなって思いました。体感した後、面白いと変換してしまえば、大丈夫だと思いますよ。
ぜひ、楽しんできて下さいね。
・マニアック@ぴあ映画生活
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