「リアル~完全なる首長竜の日」を観てきました。
ストーリーは、
自殺未遂が原因で1年も眠り続ける幼なじみである恋人・淳美(綾瀬はるか)を救い出すため、浩市(佐藤健)は昏睡(こんすい)状態の患者と意思の疎通が可能となる先端医療・センシングを受けることに。センシングを繰り返し淳美の潜在意識に接触していくうちに、浩市は不思議な光景を見始めることになる。現実と仮想の境界が崩壊していく中、浩市は淳美と幼少時代を過ごした島へと足を運ぶ。
というお話です。
まだ原作を読んでいないのですが、これ、原作、面白いでしょうね。映画でこれほど面白いなら、2時間の映画で描ききれなかった部分も描かれている原作は、文句無く「このミス」だったんでしょう。そして、この作品の監督は、黒沢監督。黒沢監督といえば、日常をマットな雰囲気で描き、普通の事柄が恐ろしいことに見えたり、素晴らしいことに見えたりする、なんとも不思議世界を観せてくれる監督なので、どれほど、この映画が面白かったのか解りますよね。
”このミス”の作品だから、感想を書いてしまうと、どうしてもネタバレしてしまいそうで、とっても難しいです。かと言って、何も書かない訳に行かないから、困っちゃうなぁ。

昏睡状態の恋人を昏睡から起こそうと、センシングという技術で恋人の意識の中へ入り、中から刺激を与えようとするのですが、これが、結構、大変そうでした。だって、相手の意識の中だから、相手の思うがままじゃないですか。この映画の中では無かったけど、もし、心の中で、既に彼を嫌っていたら、意識に入り込んだ途端に、殺されちゃうかも知れないでしょ。結構、ドキドキものですよね。だって、相手の心の中は、普段、見えないもん。
彼女の意識の中を旅するのですが、浩市が現実に戻っても、幻影が見えるようになrます。センシングの後遺症が出ることがありますって言っているけど、この幻影が、とっても重要です。だって、自分の意識の中にあるからこそ幻影でしょ。彼女の頭の中にあることは、センシング中しか解からないはずなのに。ここで、あれ?おかしいなって誰もが思い始めると思います。そして、どんどん展開が早くなっていきます。
この先は、教えられないんだけど、所々の見どころだけ書いていきますね。タイトルに首長竜とあるように、確かに、首長竜、現れます。首長竜というのは、いったい何物なのか。そして、何故、首長竜が浩市を襲うのかということが、最後の最後で解かってきます。ここも、面白いですよ。
実は、私、もう一展開あるのかと思ったのですが、結構、ラストはスッキリでしたね。私、首長竜も、実は思い違いで、誰も首長竜ではなかったっていう展開になるのかと思ったんだけど、そこは、そのままスルーされちゃいました。早く原作を読んでみないと、最後がどうなっているのか、映画と同じなのか、知りたいです。
そうそう、首長竜のCGですが、確かに首長の竜なんだけど、身体は、アザラシやオットセイと同じでしょ。シッポは長いけど、身体は、ヒレでペタペタ歩く感じなので、イマイチ、迫力が無いのよね。かわいいって思っちゃうの。そんなに”でべでべ”歩くと、お腹が擦り剥けちゃうよって、心配になっちゃいました。あの形態の動物を、地上であまり移動させないで欲しかったな。大変そうなんだもん。(笑)
この映画、結構、私はお薦めしても良いと思います。でも、SFやミステリー小説などを良く読んでいる方は、この展開に着いて行きやすいですが、あまりSFやミステリーを読まない方には、グルッと展開してしまう舞台に、ちょっと着いて行けなくなるかも知れません。とても良く出来ている話なのですが、やはり、SFですから、受け入れやすい方と受け入れにくい方と居ると思います。
でも、佐藤くんもカッコイイし、綾瀬さんもステキだし、そこだけでも、観る価値はあると思いますよ。
ぜひ、楽しんできて下さいね。
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