「アンチヴァイラル」を観てきました。
ストーリーは、
セレブから採取された病気のウイルスが商品として取引され、それをマニアが購入しては体内に注射する近未来。注射技師シド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)は、持ち出した希少なウイルスを闇市場で売りさばきつつ、自身も究極の美女ハンナ(サラ・ガトン)のウイルスを投与していた。そんなある日、ハンナが謎の病気で急死したのを機に、異様な幻覚症状に襲われる。未知のウイルスの宿主でもあるからなのか、何者かに追われるようにもなったシド。休むことなく続く幻覚と追撃に疲弊する中、彼は自分を取り巻く陰謀の存在に気付く。というお話です。

この映画、賛否両論だろうなぁ。だって、気持ち悪いもん。映像としては、美しい場面もあるんだけど、なんとも、グログロで、この内容を受け入れられる人は、それこそマニアなのではないかと思いました。確かに、現在でも、誰かスターのファンで、狂信的な人っていますよね。私には考えられないことです。私、どれほどステキと思っても、所詮他人だとしか思えなくて、スターの為に自分の労力を使うということが理解出来ないんです。ファンだからと言って、追いかけるとか、何か欲しいとか、そういう執着というものが一切無いので、良いのか悪いのか解かりませんが、この映画で描かれているような事が、理解出来ないんです。

セレブと呼ばれる人たちのかかった病気のウィルスを売る会社に主人公は勤めていて、そのマニア向けのウィルスをこっそり自分の身体に保菌して、家に持って帰り、培養して売るというアルバイトをしています。それって、気持ち悪いよね。だって、ヘルペスとか、痔の病気とか、なんか、トンでもない病気を、自分の身体に入れるんだよ。なんでそんな事するんだろうって思うけど、そのスターと同じ病気を感じて、エクスタシーを感じるらしいのよ。もう、既に、変態だよね。

ある日、究極の美女と呼ばれるハンナが死亡し、死ぬ前に彼女からウィルスを取り出し、自分にも保菌したシドは、色々な組織から追われることになる。この時代、ウィルスは金を産む卵であり、誰もが、それを欲しがるんです。シドは、身体の具合がどんどん悪くなり、追われていた組織に捕まり、ウィルスを採取されるのですが、そのウィルスは、採取しても培養することが出来ずに死滅してしまい、どうも遺伝子操作された菌のようだということが解かってきます。

遺伝子操作で病気を創り、ハンナを殺す為にウィルスを投与したのは誰なのか、目的は何なのか、段々と、その謎が明らかになっていきます。唯の、グログロ、マニアっく映画かと思いきや、サスペンスもあり、企業間の戦いなどを描いています。そういう内容は、面白いんだけど、そのウィルスを移植するとか、細胞を培養して、ハムのようにして食べるとか、そういうのが、超キモいんです。いくら好きでも、その人の細胞培養肉を食べるって、どーいうことっ!!ムリムリっ!!私、ハムも、そんなに好きじゃないのに、この映画を観て、もっと食べられなくなったわよっ!!

キモいんだけど、映像は、結構、キレイなんです。バランスも良いし、印象的な場面がいくつもありました。とってもシュールで、怖ろしく恐い、何となく、チリチリっと、ウィルスが身体の中を這い回る音が聞えるような映像で、身体が痛くなるような気持ちになりました。
この映画、あまり上映している映画館が無いので、もし、近所で観れない方は、DVDが出るのを待って、観てくださいね。衝撃だと思います。デイヴィッド・クローネンバーグ監督の長男だといわれると、確かに頷けるような内容と映像でした。

恐いもの観たさってことで、映画好きな方には、ぜひ、お薦めいたします。あまり今までに無い映画で、全然、主人公に感情移入出来ない感じが、面白いですよ。でも、グログロがダメな方は、止めてくださいね。最後まで観るのは無理だと思います。私にとっては、結構、お気に入りの部類になるかな。楽しめました。
ぜひ、楽しんできて下さいね。