「the Future/ザ・フューチャー」を観てきました。
ストーリーは、
ロサンゼルスで暮らす35歳のソフィー(ミランダ・ジュライ)とジェイソン(ハミッシュ・リンクレイター)は、一緒に暮らし始めてから4年目になる。ある日、彼らはケガをしたノラ猫を助けて動物シェルターへと運ぶ。二人はパウパウと名付けた猫を引き取ることにし、彼を迎えるまでの1か月間、お互いに好きなことをして過ごすことにするのだった。というお話です。

ミランダ・ジュライ監督って、すごい方なんですね。実は、この映画を観るまで知りませんでした。現代美術や小説、音楽、パフォーマンスで活躍するスーパーレディーだなんて、驚きました。すごい多才な方なんですね。ニューヨーク近代美術館やグッケンハイム美術館に彼女の作品が展示されていたりするようで、本当にビックリです。
そんな彼女が監督、主演を努めたこの作品、とっても不思議だけど、とっても女性の深い心理というか、揺れ動く気持ちを表現していて、なんか、とっても考えさせられました。女として生きるということは、どういうことなのか。やりがいのある仕事を見つけて充実した生活を送るのか、子供を産んで育てることを中心とした人生を送るのか、妻として守られるだけの生活を送るのか、色々な人生があると思うんだけど、どれが自分に合っているかをチョイスするのって難しいですよね。
この主人公ソフィーも、ネコちゃんを迎えると決めるまでは、パートナーのジェイソンと自分の立場は対当だという認識の元、相手に寄りかかるのではなく、お互いを補い合って生活するということをしていました。対当だからこそ、相手が望むことに口出しをせず、束縛もせず、お互いを尊重しあう生活なのですが、反面、あまり頼ることも出来ず、ちょっと辛いかなって思う事もあるのかなと感じたんです。
そしてネコのパウパウを引き取ることとして、それまでの30日で、今までに溜め込んできたやりたかったことなどをやろうとして、二人とも仕事を辞めて、計画を立てます。このふたりにとって、ネコは子供を迎えるのと同じで、子供が来てしまうと子供中心の生活となることを考えて、自分たちの好きな事をしようと考えたのかなと思いました。

そして、ふたりは別々に、やりたい事を始めるのですが・・・。ソフィーは、ダンスを始めたり、なんだか、不思議な事を始めるのですが、ある男性と出会い、今までに感じたことの無い安らぎを感じる事になります。それは、対当とかそういう事ではなく、庇護される者、守られる者、いたわられる者という立場のように見えました。女性として扱われるしあわせという感じかな。それって、人によると思うのですが、庇護されることが苦痛に感じられる人間と、庇護されるべく生まれてきたように感じる人と、色々だと思うのです。
それまでの彼女は、人間として一人で立って、生きる事が自分の望むことだと思っていたのだろうけど、守られるということが、これほどに心に平穏を与えてくれるのだということを知り、以前の自分に戻れなくなっていくのです。ネコのパウパウと暮らす為に始めた、自分の生活の改革が、自分自身の生き方を変えてしまい、新しい道を歩き出すことになってしまう。
でも、パートナーだったジェイソンは戸惑いますよね。それまでは、とても上手くやっていたし、二人に何の不満も無かった訳ですから、納得が出来ません。そりゃ、そうですよねぇ~。そして、彼が起こした行動とは・・・。
とっても不思議な話だけど、内容を考えると、とても自分の身近にある問題を描いていて、女性って、どう生きる事がしあわせなのかなぁって考えさせられました。友達に、どんな映画と聞かれて、アメリカ版、大人のアメリって感じかなって伝えました。私には、少し年をとったアメリは、こんな風に、自分の生活に不安を感じたり、色々考えたりするんじゃないかなって思った作品です。
もう、上映が終ってしまった場所も多いので、DVDが出たら、ぜひ、観て欲しいです。私は、お薦めしたい作品です。これ、もっと宣伝すれば良かったのに。こんなにステキな映画だって、知らなかった。

女性は、ある程度の年齢になってきたら、自分の未来を選択しなければならなくて、その選択は、その時期でないと出来ない事なんです。年を取ってから考えればって訳に行かないの。だって、子供を作るのか作らないのかとか、結婚するのかしないのかとか、仕事をキャリアまで上げるのかそのままで良いのか、これらは、30代くらいで選択しないと、それ以上になると辛くなる事なんです。年を取ってからやり直せることもあるけど、30代の選択って、とても重要だと思うんです。だからこそ、20代までに、たくさんの事を経験して、自分の内部を豊かにしないとね。男と女とは違うんです。バカな男とヘラヘラして、内部に何も貯めないと、後からシンドイことになりますよ。頑張ろう、女の子っ!!
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