「奇跡のリンゴ」 奇跡とは、人間の強い心とやさしさから生まれるのだと、このリンゴが教えてくれる。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「奇跡のリンゴ」の試写会に行ってきました。


ストーリーは、

1975年、秋則(阿部サダヲ)は青森県弘前市で妻の美栄子(菅野美穂)と共にリンゴを栽培していた。彼は、年に十数回にわたり散布する農薬が原因で皮膚に異常をきたしてしまい、寝込むこともある妻の体を心配して無農薬でリンゴを育てることを心に誓う。だが、農薬を使わないリンゴ栽培はその当時「神の領域」ともいわれ、実現するのは絶対無理だと思われており……。

というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-リンゴ


私、途中から、またも泣きっぱなしでした。だって、木村さんが高校生の頃に、母親から「100回失敗しても、納得出来るまで続ければイイサ。」みたいな事を言われて、それを大人になっても忠実に守って、かたくなに無農薬リンゴを作ろうとして、どんどんお金も無くなり、落ちていく。その姿が、あまりにも辛くて、悲しくて、木村さんの家族も、あまりにもかわいそうで、どうして家族を苦しませてまで無農薬にこだわるのかっていう気持ちになっちゃって、こんな自分勝手な男をどうして奥さんは許すのかなって思ってしまいました。でも、その後をどんどん観て行くと、木村さんの深い思いと、奥さん=美栄子さんのやさしさが理解出来て、またも、泣けてきて、自分の考えが浅はかだったことに気がつくんです。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-リンゴ

リンゴの花って、とても美しいんですね。真っ白な花びらの中に、ちょっとピンクが入っていて、桜の花より子供っぽくて守ってあげたくなるような花なんです。そんなリンゴの花を咲かせる為に、何年も何年も、身を削って、木の為に尽くした家族のお話です。人間とは、これほどに同類でないものでも愛せるのだろうかと思いました。樹木とは、意思の疎通も出来ないし、言葉も交わせないはずなのに、木村さんとリンゴの木の間には、愛があるんですよ。話しかけて、触ってあげて、それを感じたかのように、リンゴも、その思いに応えていくという関係が、そこには在りました。その愛が、映像の中に描かれていて、それにも、感動してしまうんです。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-リンゴ

確かに、家に置いてある観葉植物でも、言葉をかけてあげて、世話を焼いていると、なんとなく元気になってきたり、ちょっと旅行に行っていたりすると、何となく艶が無くなっていたり、見るこちらの気持ちもあるのかも知れませんが、感じる事があります。私は、ぬいぐるみやフィギュア、PCなども、気持ちが通じるのではないかと思ってしまうことも在るほどです。だから、何年も一緒に生活しているリンゴの木なら、尚のこと、心が通じ合えるのだろうと思いました。


それにしても、人と足並みを揃えずに、新しい事をやろうとすると、これほどに周りから奇異の眼で見られて、辛く厳しい道になってしまうのかということを考えさせられました。日本では、学校で、みんなと一緒に同じようにやりましょうと教えられ、個性というものを否定されて生きてきたから、どうしても新しい事をやろうとすると仲間外れにして、潰してしまおうという気持ちが働いてしまう。良くしようとしている人を、受け入れようという気持ちを持ちたくても、恐くて持てないんです。そんな日本人の特性が、とても良く描かれていたと思います。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-リンゴ

内容については、あまり書いてしまうと、観てのお楽しみが無くなるから書きませんが、とっても感動出来るお話です。そして、これを観た後には、リンゴが食べたくなると思いますよ。でも、今の時期はリンゴが無いから、リンゴジュースでガマンしてね。”奇跡のリンゴ”は、今は、あまりにも貴重で、ほとんど手に入らないとのことです。


そうそう、リンゴの木に巣食う”虫”がたくさん出てくるのですが、本物を使っていて、毛虫の巣も、リンゴの木に這わせたそうです。観ていて、超痒くなりましたよぉ。(笑)撮影も大変だったようで、監督も、その撮影が唯一、憂鬱だったそうです。(笑)助監督が刺されたみたいですよ。毛虫が気になったのは、もう一つ理由があって、安倍さん演じる木村さんが、虫を手で駆除している場面で、誰かに呼ばれて振り返ったとき、その後ろにいる虫が、まるで ”あ、あっち向いたから、今の内に逃げなくちゃ。”みたいに、急いで動き出したことです。ちゃんと演技しているんですよ。ちょっとかわいいでしょ。恐いんだけど。(笑)


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-リンゴ

私は、この映画、超お薦めして良いと思います。梅雨で憂鬱になりそうな時期、この映画を観て、やさしい気持ちになって、雨は悪い天気なんじゃなくて、雨の日は静かで落ち着けるから良い天気なのかもって思って貰いたいです。人と違っても、決して間違ってないんだよって思ってください。

ぜひ、楽しんできて下さいね。しあわせになりますよ。カメ




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