「フッテージ」を観てきました。
ストーリーは、
作家のエリソン(イーサン・ホーク)は、妻と子どもの一家4人で郊外の家に転居してくる。そこは一家が首をつるという残酷な事件の現場となった家で、エリソンは事件に関する新作を書くために越してきたのだった。その夜、エリソンは屋根裏部屋で映写機と8ミリフィルムを見つける。フィルムには楽しそうな家族が、一転して首をつられていく様子が記録されていた。というお話です。

予告では、なんとなくサスペンスっぽくて、ホラーのようでホラーじゃないと思って観に言ったんですが、普通のホラーでしたね。悪魔が出てきちゃうと、あー、また、それで片付けちゃうんだって気持ちになってしまい、恐さが無くなるんですよね。ま、今回は、ブギーマンでしたけど。ブギーマンは、アメリカでは一般的な悪魔と言うか、妖怪なんですけどね。
エリソンは、思うに、とても自己中心的な性格で、作家としては、ちょっとどうなのかなぁって思いました。殺人事件があった家に移り住むとなったら、いくら霊とかを信じていなくても、家族を連れて行くのは控えるでしょ。自分一人で、まず、住んでみて、問題が無いと解かったら家族を呼ぶとかすると思うんです。自分の仕事の為に、家族を犠牲にするなんて、許されないでしょ。自分中心の考え方をしていたのでは、人に読んでもらう作品なんて書けないよね。
引っ越した家で、色々不思議な出来事が起こっていくんですけど、何で暗闇で音がしたりしたら、すぐに照明を点けないのかなぁ。いつもホラーを観てて思うんだけど、変な音がしたら、まず、照明を点けて、その上で、武器とかを持って、探っていけば良いのに、何故か、まったく照明を点けないんですよね。暗闇でウロウロしていれば、恐いに決まってんじゃん。それに、戦いも出来ないでしょ。もー、ツッコミどころ満載なんだからぁ。
そして、フッテージ映像がすごいからって言って、殺人事件の映像を、警察にもどこにも届けないっていうのは、これ、犯罪なんじゃないの?証拠隠蔽にならないのかしら。不思議だよなぁ。警察官の相談相手もいるのに、全然、大切な事を話さないし、なんだか、この殺人者が悪いんじゃなくて、エリソンが一番悪い奴に思えてきてしまったのは、私だけかしら。最後まで、このエリソンの行動に納得行きませんでした。
首吊りの映像なら、死んだ直後に体内の水分が全部出てしまうはずだから、もっと汚いはずだし、水死も焼死も、なんか、死ぬ映像が、全然リアルじゃないんです。どーせやるなら、もっとグログロにしてくれれば、オオッと思って、恐さ倍増するのにな。それに、どう考えても、その犯罪、一人の力でやるのは無理なんです。やっぱり、悪魔的な力が味方したってことなのかしら。リアルじゃないなぁ。
そうそう、ブギーくんの印(邪教の印)があって、壁に書いてあるんだけど、このマークが、ジオン公国のマークにそっくりなのよぉ。一瞬、ジークジオンって、ギレン様でも出てくるんじゃないかと思ってしまった。(笑)確かに、グレートデギンが、息子のギレンにソーラレイで殺されたから、その怨念がブギーくんになってもおかしくないかもしれないが、それは、また別の話。(笑)
この映画、イマイチ、ゲロゲロにもなれず、かといって、美しいホラーにもなりきれず、笑えてしまうホラーにもなりきれず、なんとも、中途半端なホラーで終ってしまいました。悪魔を出さずに、悪魔のような人間が犯人なら、もっと面白かっただろうに、本当に残念な作品です。ホラーなら、笑えないとねぇ。
私は、この映画、あんまりお薦めとは言えないけど、イーサン・ホークが好きな方には、良いかな。他、見どころが無いんだよ。笑えるのは、ジオンのマークくらいかしら。どうしても、粗が見えすぎてしまい、かと言って笑えないし、なんとも、お薦め出来る部分が出てこないのよぉ。
もし、お時間があったら、行ってみてくださいね。何か、私が見つけられなかった楽しい部分が探せるかも。
・フッテージ@ぴあ映画生活