「セデック・バレ(太陽旗)(虹の橋)」 文明を進めたい日本と伝統を重んじるセデック族。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「セデック・バレ 太陽旗(第一部) 虹の橋(第二部)」を観てきました。


ストーリーは、

昔から台湾の山岳地帯で生活している狩猟民族、セデック族。日本の統治下でセデック族の人々は野蛮人とさげすまれる一方、日本人化を推し進める教育などを受けることを余儀なくされた。統治開始から35年がたったある日、日本人警察官とセデック族が衝突したことをきっかけに、ついにセデック族は戦うことを決意。セデック族の頭目、モーナ(リン・チンタイ)を中心に、日本人を襲撃。セデック族の襲撃により、日本人は女子どもの区別なく命を落とした。この事件に対し日本軍が報復を始めるも、険しい山中での戦いに悪戦苦闘する。一方、セデック族の女性たちは食料が不足することを案じ、集団自決するという結論に達する。やがて、武力に勝る日本軍を前にセデック族の戦士たちは後退。それでも、民族の誇りのために戦いに身を投じていく。
というお話です。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-セデックバレ

日本と台湾の間に、こんな歴史があったことを、初めて知りました。どの国もですが、どうしても、文明をもたらす民族と、古くからの伝統を重んじる民族とは、対立するのが当たり前だと思います。日本国内でも、アイヌ民族との戦いとか、琉球民族との確執とか、色々ありましたもんね。この台湾の原住民族との戦いは、どうしても起きてしまうことだったのでしょう。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-セデックバレ

思ったんですけど、日本人も間違って居ないし、セデック族のモーナの行動も間違っていないように思いました。日本人は、中国から移譲された台湾を良くしようとして、鉄道を通したり、道路を通したり、インフラ整備をし、街も整備して、近代的な生活を台湾人に与えて、同じように発展して行ければと考えていたと思います。もちろん、全ての日本人がそう考えていた訳ではないかも知れませんが。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-セデックバレ

モーナたちは、セデック族の掟を重んじ、自分達の猟場は自分達で守り、その地域で食べ物を得て、子々孫々に繋げていくという考え方なんです。でも、それは、まったく民族の発展などを考えていなくて、隣の部族との戦いも終ることが無い。いつまでも、血を見ることになるんです。それは、女の立場から見ると、納得出来ないですよね。夫や息子が、いつ亡くなってもおかしくない毎日で、自分の土地だって、隣の部族に襲われるかも知れない。いつまでも平安な日が来ない毎日なんて、耐えられないと思います。

そうなんです。いつも戦いが身近に在るような生活というと、まるで日本の戦国時代のようなもの。昭和5年辺りのお話なのですが、モーナ達の考え方は、サムライのような考え方なんです。ですから、明治維新を経て、近代日本となった時代の日本人にとって、今頃、何やってんのって感じだったと思うんです。そして、それを説明しても、セデックの人々には、受け入れられなかったんだと思います。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-セデックバレ

セデック族に、良かれと思って色々な教育をしていたのだと思いますが、彼らにとっては、強要された出来事でしかなく、そんな強要をする日本人を悪人だと思ってしまうのも当たり前だと思います。どの国が、どうやろうと、必ず起きてしまう、どうしようもない戦いだったのだと思いました。誰が悪いのでもなく、仕方の無い事。もちろん、中国人は、日本が強要したから悪いというのでしょうが、元はと言えば、中国が、簡単に日本に台湾を渡したことが悪いんじゃないですか。日本に近代化させておいて、戦後、さっさと自分の国だと言って、中国の一部にしてしまう。やっぱり、泥棒は、どこまでも泥棒ですね。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-セデックバレ


台湾の方々は、ある程度、理解してくれているのではないかと思います。だって、近代化したのは、日本のおかげだし、相手が中国だったら、もっと惨酷な事になっていたと思います。今のチベットとかを見れば解かりますよね。

第一部、二部に分けてあり、両方で5時間近いのかしら。続けてみたのですが、すごい迫力で、眠くなる暇はありませんでした。台湾人俳優さんと、日本の有名な俳優も出ていて、楽しめますよ。私、安藤くんが好きなので、嬉しかったです。良い役でした。木村さんは、ちょっとイヤな役だったかな。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-セデックバレ

内容としては、戦いの歴史を忠実に描いているだけだから、あまり細かく説明はしません。でも、一つ、文句を言わせていただければ、セデック族の銃は、10発撃って8発当たるのに、日本人の銃は、10発撃って1発当たれば良い方だったというのが、ちょっと笑ってしまいました。


一つ、観ていて驚いたのが、飛行機からの爆撃で、ガス爆弾だったのかな。化学兵器を使っていたのに驚きました。そんな酷いこと、しないで欲しかった。銃で打ち合うのも、刀で切り合うのも仕方ないけど、化学兵器は、周りの弱いものまで殺してしまう。それは、ダメでしょ。戦争だからと言っても、それは許せないと思いました。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-セデックバレ

細かく感想を書き出すと、映画が長いので、いつまでも書いてしまいそうなので、この辺りで止めますね。

私は、この映画、とってもお薦めしたい映画です。歴史に興味のある方、長い話でも大丈夫な方、ぜひ、観に行ってください。簡単に楽しく終る映画では無いので、娯楽として映画を観に行くのでしたら、ちょっと他の作品にした方が良いかも知れません。でも、映画としては、面白いと思いました。

何故か、すごく映画館が混んでいて、整理券が出るほどだったので、もし、観に行くようなら、少し早めにお出かけした方が良いかもです。


ぜひ、お時間が取れるようなら、観に行ってみてください。楽しんできて下さいね。カメ




セデック・バレ 第一部 太陽旗@ぴあ映画生活



セデック・バレ 第二部 虹の橋@ぴあ映画生活