「モンスター」を観てきました。原作は、購入してあるのですが、まだ読んでいません。
ストーリーは、
醜い容姿のためバケモノ呼ばわりされ、周囲はおろか家族にまでバカにされ続けてきた田淵和子(高岡早紀)は、ある事件をきっかけに町を追われる。上京した彼女は整形手術を受けることを決意し、風俗で稼いだ金で整形手術を繰り返し、完璧な美しさを手に入れる。やがて鈴原美帆と名前を変え、レストランオーナーとして故郷の町に舞い戻った彼女は……。というお話です。

まず、主人公、本当にブスでしたね。驚くほど崩れていて、あの親と姉妹が居て、どうしてあんなに崩れたのかと思うと、遺伝子異常としか考えられないかな。それか、産む時に何かあったとしか思えないんです。かわいそうですよね。あれほどなら、親が整形とか考えてあげないと、幸せな一生を送れないって解かると思うんだけどな。親の愛情が少なかったことも、彼女がモンスターになってしまった原因だと思いました。
沢山のいじめや精神的虐待を受けて、彼女は、美しさを求めるようになります。確かに、あの容姿では、美しさを求めても仕方が無いと思いました。でもね、普通に社会生活を営んでいる人は、整形なんて、それほど受ける必要は無いと思うんですよ。コンプレックスで、どうしても耐えられないというなら仕方がないのかも知れないけど、整形は、やればやるほど、バランスが崩れていくと思うんです。

だって、基の骨格と合わない肉付けをしていく訳ですから。まして、骨を削るなんてしたら、肉体の遺伝子が、自分の思っているものと違っていると考えてしまい、ショートしてしまうか、もしかしたら攻撃を始めてしまうかも知れない。人間の身体は、まだまだ未知の領域です。短い人生で良いというなら良いけど、長く生きたいと思うなら、あまり整形をすると、肉体が崩れて行ってしまいますよ。
それでも、美しくなりたいと思うなら、この彼女のように、整形をして、新しい自分に生まれ変わるのも在りなのかな。でも、結局、彼女も自分の命を縮めるようなことになって、身体がどんどんボロボロになっていく様子が、とても良く描かれていました。何事も、やりすぎは良くないですよね。あまり大声で言えないけど、美容整形の医者って、やりすぎているから崩れてきていますよね。せっかく美しくしたつもりで、それこそ、モンスターになってきている。恐ろしいです。
和子は、美しくなるにつれ、どんどん強くなり、周りの人間を攻撃出来るようになります。自分に自信が出てきて、相手を見下げるようになっていくんですね。最低の位置から、最高の位置に一気に上ったら、そりゃ、相手に遠慮するとか、相手の気持ちを思うとか、そういう意識は育っていないですよね。普通は、自信を付けるまでに、色々な体験をして、自分の内部も成長して行くから、内面と外見の美しさが連動して、それこそ、ハッシュパピーのように、神々しく見えるようになっていくのに。
そんな和子は、自分が手に入れられなかった初恋相手の心を手に入れるべく、顔も名前も変えて、故郷へ帰ってきます。あまりの変わりように誰も気がつかず、東京から美しい女性経営者が、田舎に出店しに来たという触れ込みで、レストランは大繁盛、沢山のお客が来店し、和子が昔、嫌がらせを受けた男性も来店することもしばしば。和子は、昔の復讐をすべく、色々、動き出します。恐いでしょ。そして、和子の願いは叶うのか。しあわせを手に入れることは出来るのか。
この映画、面白いとは思うのですが、ハッキリ言って、恐いので、お薦めして良いのか悩みます。やっぱり、主人公が歩む運命は、あまりに過酷で、恐ろしいと思いました。たとえ、自分が醜くても、これほどの怒りを貯めて、その人生かけて生まれ変わるというのは、あまり受け入れられないなぁと思いました。女性の監督なので、結構、生々しく描いていて、女性が観ると、自分の汚い部分を覗かれるようで、ちょっと恐いと思うんじゃないかな。
気になったら、ぜひ、観に行ってみてください。

最後にひとつ。あの、高岡さんの胸、整形してるのかな。以前、「四谷怪談」という映画で脱いでいた時の胸と、まったく形が違うんですけど・・・。前は、巨乳で垂れていたけど、今回は、巨乳でマネキンのように堅そうだったので、あれ?と思いました。身体の吹替えってこともあるのかな?なんか、あまりの違いに、驚いてしまいました。(笑)CGってこともあるのかな?
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