イタリア映画祭、12作目は、「ふたりの特別な一日」を観ました。
ストーリーは、
大物になりたい若者たちの楽しくもほろ苦い一日を描く青春映画。芸能界入りを夢見るジーナは、後押しを得るために有力な政治家に会おうとするが、ローマ郊外の自宅から出かけた矢先に会う時間が延期に。時間をつぶそうと、ジーナを迎えに来ていた運転手のマルコと一緒にローマの中心部に繰り出すことにし、特別な一日が始まる。スペイン広場やパンテオンなどローマおなじみの観光スポットを二人がうろつくシーンは臨場感たっぷり。ヴェネチア国際映画祭コンペ部門出品。
容姿が良くても悪くても、頭が良くても悪くても、生きていくのは大変なのだということを言っているようなお話でした。別に、何か大きな事件がある訳でもなく、若いふたりの1日の出来事なのですが、ふたりは、まったく身分が違うという言い方は古いかな。住んでいる世界が違うようなふたりなんです。そのふたりが、たまたま出会うことになり、生きるということは、それだけの努力が必要で、成功したいと思えば、必ずリスクがあり、ただ、宝くじに当たるような人生は無いということを、この1日で体験するような内容でした。
ジーナは、モデルクラブに登録して、これから芸能界に入って、活躍したいと夢見ている女の子。母親も、彼女を応援していて、彼女の身体磨きを手伝うほどです。ジーナも、これからを夢見てはいるのですが、若いながらに、売り出すには何かリスクがあるのではないかと、心の片隅に感じています。
運転手のマルコは、その日からハイヤーの運転手として雇われ(試用)、これからは、この仕事で生計を立てていきたいと思っています。頭も良くなくて、人の紹介で仕事を得た彼は、報酬も良いこの仕事を、とても喜んでいるように見えます。
ジーナを政治家の事務所まで連れて行くように支持されたマルコは、彼女を向かえに行き、送り届ければ済む仕事だったのですが、政治家の予定が変わり、ジーナを、政治家に会わせるまで付き合わなければならなくなります。ジーナは、モデルクラブで、贅沢な生活を経験しており、マルコとは価値観が全く合いません。

ジーナは、そんなマルコをおもしろがり、ローマを引っ張りまわします。観光地のローマには、口を開けて写真を撮りまくるアジア人や、案内パンフを片手に観光をする中東人など、普通の人々がしあわせそうに移動する中、ふたりは万引きしたり、豪華な食事をしたり、イタズラを繰り返します。それは、その後にある、政治家と会う事を忘れるように、遊びまわります。
そして、夕方になり、政治家の予定が空き、事務所へ送ることに。そして・・・。と、この後は、ネタバレになるので観て、結末を知って欲しいのですが、人生は、そんなに簡単に進むことは無いということです。誰もがリスクを負い、辛い事も受け入れなければならない。子供の頃は、親に守られて、リスクは回避出来ていただろうけど、段々と、そのリスクを自分で受け入れていかなければならないし、そのリスクを受けることによって、ステップアップ出来たり、自分の地位は上がっていくのです。
大人になるって事は、リスクを受け入れ、自分で生きていかなければならないという事。守られる存在から、守る存在になるということが描かれていました。ちょっと、ローマの休日を意識していたのかなって場面もあったりして、でも、ジーナは、王女では無く、唯の女の子。そこには、リスクが発生する。当たり前の事を、良く示していたと思います。
でも、この作品、日本公開、難しいかな。あまり目に付くような話ではなく、まぁ、観た事があるような話なので、ちょっとなぁ。この主役のジーナが、とても美しいので、もし、売れたら、公開になるかも知れません。話としては、それほど、観るに値する作品とは思えませんでした。だって、超眠くなったもん。(笑)
もし、観る機会があったら、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭 2013 http://www.asahi.com/italia/2013/