イタリア映画祭、11作目は、「家への帰り道で」を観ました。
ストーリーは、
短編などで実績を積んできたコラピ監督の長編デビュー作で、次から次へと予想外の方向に物語が巧みに展開していくサスペンスタッチのヒューマンドラマ。ジェノヴァで小さな会社を経営するアルベルトだが、経営は行き詰まっていた。会社を救うために、違法物を運ぶ仕事を引き受けることを決意し、それを受け取りに南部へ旅立とうとする。だがその直前に、謎の男たちが自宅に侵入して家族を人質に取り、違法物を所定の場所に届ける代わりに自宅に持ち帰るよう脅迫する。
このお話、思っていたよりハードなお話でした。なんか、観ていて、まったく先が読めなくて、クライマックスでトンでもない展開になります。ちょっと、今まで観た事が無いような展開で、え?この後、話はどうなっちゃうの???って驚いてしまいました。
イタリアは不況の真っ只中みたいで、会社経営しているアルベルトは経営も逼迫し、辛い立場に立っているんです。でも、家族も居るし、なんとかお金を用意しないとということで、怪しげな運び屋の仕事を請けるんです。それが、悲劇の始まりです。真面目な人間だからこそ、最後の最後まで頑張っちゃうんですよね。ある程度で、自分の利益を確保して、捨ててしまえば良いのに、捨てられないってかわいそう。

いつも思うんだけど、真面目な人間は、経営をしては行けません。ある程度、ギャンブル性を判って、一か八かの博打が打てる人でないと無理です。最後はケツまくって逃げることが出来ないとね。その時は、人を裏切ることになっても、後に、それを挽回して償いが出来るようにしないと。そういう考え方が出来ないと、会社なんてやってらんないよ。甘いです。キレイ事だけでやってらんない。
ということで、アルベルトは、良い人のせいで自分の身を滅ぼすことになります。何かわからないけど、重要な物の運搬を巻かされ、今夜出かけるという時、謎の集団に家を襲撃され、妻と子を人質に取られ、その物を受け取ったら、その集団に渡すようにと脅されます。仕方なく、物を受け取る為に、出かけることに。

しかし、物の受け取り場所に行くと、自分だけではなく、他の人間にも物の運搬を頼んだらしく、襲撃してきた集団が欲しがっている物を受け取ることが出来ず、物が無ければ家族が殺されてしまうし、いったいどうしたらと思っていたら、自分と同じ場所で取引らしきことをしている男を発見し、跡を付けることにします。
ここからが、ありえない展開で、驚くと思います。まるで、ショートストーリーをつなげたように、主人公が誰なのか、全く解からなくなり、誰もが主人公になりえるような展開になります。私、いままで、1本の映画で、1本のお話で、こんな風に展開していってしまう話を観た事がありません。驚きました。
でも、最後に思ったのは、悪人でも善人でも、家族が居るし、普通の生活を送っているのだということです。人殺しにも会社経営者にも家族が居て、その家族にとっては、その人が要であり、簡単に殺すとか生きるとか決められても、困りますよね。でも、映画の中では、ザコキャラとかは、簡単に殺されてしまったりする。それを、ちょっと考えさせられる内容でした。
この映画は、日本公開あるかなぁ。面白い展開なんだけど、大人しい題材なので、ちょっと解かりませんが、もし、観る機会があったら、一度、観てみてください。ちょっと驚くような展開になりますので、とても楽しめますよ。
ぜひ、楽しんでくださいね。
イタリア映画祭 2013 http://www.asahi.com/italia/2013/