「ハッシュパピー バスタブ島の少女」 一人立つ少女は、プライドと決意を持って神々しく見える | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ハッシュパピー バスタブ島の少女」を観てきました。


ストーリーは、

6歳の少女ハッシュパピー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、“バスタブ”と呼ばれるコミュニティーで、父親のウィンク(ドワイト・ヘンリー)と暮らしている。彼らは、閉鎖的な場所であったものの穏やかな日々を送っていたが、ある晩、嵐が全てを奪い去る。突然大好きな場所や仲間を失ったハッシュパピー。途方に暮れる状況の中、ウィンクが重病であることを彼女は察知し……。
というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パピー

バスタブ島という地域に、父親と暮らしているハッシュパピー。パパと魚を取ったりして生活しています。何故か、家は別々に建ててあって、私たちから見ると、不思議な親子関係だけど、でも、親子の愛情は深くて、父親は、もしものことを考えて、娘を強く育てています。

その地域は、水位の上昇により、居住出来る区域としては不適で、公的機関から退去を命じられてしまい、そのコミュニティーで生活している人々は、居住する場所を追われてしまいます。でも、彼等は、そこで生活し、子供を育て、老いて死んでいくという暮らしをしてきたので、その場所が故郷であり、ふるさとを捨てるなんて出来ません。それは、彼等の意地です。誰がなんと言おうと、そこで死ぬことになろうと、その場所で生きることが大切なんです。誰にも、それを止めることは出来ない。彼等の誇りなんです。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パピー

日本でも、震災でふるさとを追われた人がたくさん居ますよね。だけど、彼等だって、好きで離れた訳じゃない。どうしても仕方なく離れるしか無かったんです。でも、出来るなら、ふるさとに残りたかったはずです。その気持ちは、この映画に繋がると思うんです。そんな気持ちを潰した原発は、キチンとした責任を取るべきだと思います。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パピー

ハッシュパピーが、すべてを無くしても、その場所に誇らしげに立ち上がる姿は、神々しくて、誰にも止めることが出来ないように見えました。彼女は、その場所で生きていくという決意を持っていて、彼女に対しては、古代に生きていた動物でさえ、頭を下げるんです。誰も、何者も、彼女を止めることは出来ないし、小さな身体に大きな心が宿っていて、まるでその地の王様として君臨しているように見えました。

この映画って、難しい事は一切描いていなくて、人間とは、こうあるべきなのだということを、ハッシュパピーと父親を通して伝えているんです。昔から動物とは、誰かに飼われるものではなく、強く、自由に、そして命ある限り、前に進み続けるということを、教えてくれます。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パピー

私たちは、文明というものに絡められて、牙を抜かれてしまったので、甘い考えのまま、誰かが何かをしてくれるから、自分は何もしなくて良いという考え方に陥ってしまっているのだという事を強く感じました。今、本当に、人任せだもんね。人が倒れていても、助けてあげない人が多くて、驚いてしまう。ゴミが落ちていても拾わないし、タバコは投げ捨てるし、マジで見ていて気分が悪くなります。そんな人間ばかりなら、この先、長く続かないですよね。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パピー

大人だからとか、子供だからとか、年寄りだから、若いからなんて、関係ないんです。人間としてのプライド、尊厳は、自分で持つものだし、その重要な二つを持ち合わせない人間は、生きる資格が無いと思う。それは、ゾンビと一緒です。ただ生きているだけ。身体は腐っていて、脳も活動していない。そんな人間ばかりの世界なら、要らないです。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-パピー

私、この映画、素晴らしいと思いました。すっごくお薦めしたいです。でもね、人間のプライドというものを理解出来ていない人間は、この映画を観ても、重要性が解からないと思います。とても大切な事を、ハッシュパピーは伝えてくれている。それを、ぜひ、感じてきて欲しいです。
ぜひ、楽しんできて下さいね。カメ



ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~@ぴあ映画生活