イタリア映画祭、6作目は、「司令官とコウノトリ」を観ました。
ストーリーは、
男手一つで子育てする水道屋のレオだが、娘はネット上でトラブルに遭い、コウノトリに夢中の息子は学校をさぼりがち。貧苦にあえぐ芸術家のディアーナは家賃を滞納。仕事を辞めたアマンツィオは賃貸収入があるものの新しい生き方を模索中。『アガタと嵐』以来の久々のコメディーになるソルディーニは、懸命に生きる人々が織りなす人間模様を温かく描き、軽やかな群像劇に仕上げた。常連のアルバ・ロルヴァケルやジュゼッペ・バッティストンに加えて、ヴァレリオ・マスタンドレアが出演。
というお話です。

司令官というのは誰の事かと思ったら、何と、歴史上の人物で、銅像になって街中に置いてあるものが、秩序の無くなったイタリアを観て嘆いているんです。銅像になるほどの人物たちだから、○○将軍とか、指揮官とか、イタリアを立て直して、建国して来た方達なので、自分たちのイタリアが、秩序の無い、酷い状態になっていくのが許せないんです。
レオは、娘と息子を一人で育てています。妻は、何年か前に水難事故で亡くなったみたいで、たまに、レオの前に現れては、アドバイスをしてくれるんですけど、でも、子供たちは、どんどん奔放になっていき、手に負えなくなってきている。夫婦揃っていても大変なんだから、一人だったら、本当に大変ですよね。

息子のエリアは、ちょっと天才っぽいんですね。だから、学校でも浮いてしまって、馴染めないんです。そして、ちょっと引きこもりぎみなんです。でも、空地にくるコウノトリだけは、エリアの友達。コウノトリなのに、エリアの笛の音を聞くと、寄って来るんですよ。他の人が居ると、遠巻きにして見ているの。その距離が、なんとも、イイんだよなぁ。このコウノトリとの関係が、後々、色々な人を繋げていきます。
娘のマッダレーナは、今どきの高校生で、男と遊びまくり、ある日、エッチな動画をYouTubeにアップされてしまいます。恥ずかしさで、外にも出れなくなるマッダレーナ。父親のレオは、娘を助ける為、弁護士に対応を頼みに行くのだが、そこで、料金の交換条件として、不動産の裏取引の片棒を担がされることになるんです。この展開も、超面白くて、イタリアでも、不動産取引って、そういう規制みたいのがあるんだとか、色々わかって、それも面白かったな。

その他に、面白いキャラクターが何人も出てきて、ちょっおt群像劇っぽい感じもありますが、誰もが個性一杯で、とっても良いんです。アマンツィオは、働くのがイヤで、自分の大きなマンションを貸して、自分は安い賃貸に済んでいます。そして、社会秩序が乱れていることを問題視していて、格言をいつも言っています。芸術家のディアーナは、芸術が認められず、仕方なく壁画の受注などで食いつないでいます。彼女は、とっても要領が悪くて、いつも貧乏くじを引いているような感じなんです。その他、悪徳弁護士や、詐欺師まがいの金持ち、どれも個性的でしょ。

この映画、家族の温かさを再確認させてくれるし、やっぱり、生きていくには、曲げてはイケない事もたくさんあって、やっぱり、イタリア人、頑張ろうよっていう感じが出ていて、本当に面白かったです。これ、日本公開して欲しいなぁ。なんか、コウノトリも、不思議で楽しかったです。

ぜひ、公開して欲しい映画なんだけど、もし、DVDになってしまったら、借りて観てみてくださいね。楽しめると思いますよ。ぜひ、楽しんでくださいね。

イタリア映画祭 2013 http://www.asahi.com/italia/2013/