イタリア映画祭、5作目は、「それは息子だった」を観ました。
ストーリーは、
ベロッキオやトッレの作品で撮影監督としても活躍するチプリのブラックテーストな悲喜劇。パレルモ郊外に暮らす6人家族のチラウロ家は、主人が廃船の鉄屑を売ることでなんとか生計を立てていた。ある日、マフィアの抗争中に流れ弾が娘を襲う。悲嘆にくれる家族は娘の死が金銭的に賠償されることを知り、その申請をする。しかし、それが更なる悲劇の始まりだった。父親役のトニ・セルヴィッロの怪演ぶりは圧巻。ヴェネチア国際映画祭で新人俳優賞と撮影賞を受賞
というお話です。
ハッキリ言うと、この映画に出てくるような家族って、人間と言えるのかしら。そこに愛があると言えるのか。私は、この家族は、プライドも何も無く、愛も無く、生きている価値が無いのではないかと思ってしまいました。生きている意味が無い、無駄ですよ。他の人間にぶら下がって、栄養を吸って生きている、蚊のような人間たち。まるで、生活保護を受けている人間たちのようです。
この原作は、実際にあった事件を描いているそうで、こんなことが本当にまかり通ってしまう社会って、どういう社会なんだろうって思いました。だって、娘が死んで、お金がもらえると解かると、そのお金を当にして、どんどんお金を使っちゃって、借金を重ねるんです。どうしてあればあるだけ使ってしまうんだろう。貯蓄とかいう考えは無いのかよって思いました。
それに、娘が死んで、その賠償金でしょ。まずは、死んだ娘の為に使ってあげて、余ったら、生活に使うべきじゃないの?そのお金を全部使って、趣味の車を買うって、どーよ。車なんて、必要無いでしょ。そんなに生活が困窮しているのに、なんで車を買うんだよっ!私が、その家族の一員だったら、すぐに、そのお金を貯蓄して、毎月、一定の金額しか下ろせないように設定しちゃうんだけどな。(笑)

そんな家族に、この後、もっと衝撃的な事件が起こります。それは、やっぱり言えないけど、この最後の事件を見ると、本当に、この家族、イッちゃってるなって思うと思います。本当に、酷いです。人間としての、秩序とか尊厳とか、そういう基本的なものが、すべて賭けてしまっているような家族の姿に、驚くことになると思いますよ。
この映画、私は、面白いというより、衝撃でした。あまりの酷さにイライラしてしまいました。どうして、ちゃんと出来ないのっ!!て思ってしまう。映画としては、コメディっぽく描いている場所もあるんですけど、根本に暗いものが漂っていて、良い作品なのだと思います。
もし、観る機会があったら、観てみてくださいね。
イタリア映画祭 2013 http://www.asahi.com/italia/2013/