イタリア映画祭が始まりました。
最初の作品は、「赤鉛筆、青鉛筆」です。
ストーリーは、
マルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、ロベルト・ヘルリツカの繊細な演技のアンサンブルが見事な、『もうひとつの世界』のピッチョーニ監督による爽やかな学園もの。生徒に意欲を湧かせようと熱心な国語の臨時教員、教育への情熱を失った美術史の老教師、しっかりものの校長。ローマの高校の3人の先生を軸に、物語は進行していく。先生と生徒の対立があれば、一方で恋愛もあり、重大な事件も起こるし、学校を去らざるをえない者も出るが、それでも学校生活は続いていく。
というお話です。
今、日本でも、学園ドラマって、結構、やってますよね。同じような問題が、イタリアでも起こっているんです。いじめがあったり、出席が足りなかったり、先生との確執があったり、生徒も悩んでいるし、先生も悩んでいて、本当に、同じなんだなぁって思いました。
新任のジョヴァンニ先生は、結構、真面目に生徒と向き合ったりしているんだけど、もう、何年も美術を教えているフィオリート先生は、何を教えても無駄だと諦めていて、まったく意欲が無いんです。同じ先生として、同じ学校に勤務していても、これほどの差があるのだという典型ですね。フィオリートは、ジョヴァンニも信用していなくて、全てを自分の中から疎外しています。誰も受け入れないの。でも、ある出来事があり、ちょっとだけ、やっぱり先生をやっていて良かったかなという思いに立ち返り、やる気を起こしていくという姿が描かれています。ちょっとイイナって思いますよ。
ジョヴァンニは、一生懸命生徒と向き合っているんだけど、ある生徒の事で、自分が生徒に騙されて、バカにされているのではないかと思い、生徒を庇うのを止めてしまいます。その後、真実が判り・・・という話もあり、先生って、難しいよなぁって思いました。だってさぁ、子供のいうことって、信用して良いのか、読めないよね。いつも一緒に居るわけではないし、1クラスに何人もの生徒が居て、全員、同じように向き合える訳ではないから、どうしても、失敗してしまうこともあるよね。先生というものの難しさを見せられました。

校長のジュリアーナは、一人の男子生徒が、母親に置き去りにされ、一人になってしまったことを知り、どうしようか悩みます。でも、自分が引き取って育てるなんていうことは出来ないし、かといって、すぐに施設に送ってしまうのも気が引けて・・・。ほおっておくわけにも行かずに、なんとなく、付かず離れずで面倒を見る彼女の姿は、ただの校長ではなく、その生徒に近い人になったような気がしました。
先生の姿と、生徒の姿を丹念に描くことにより、もしかして教師と生徒は、間違いを犯しながらも、成長して、良い関係が気付いていけるのではないかと思いました。

イタリアの学校なのに、日本の学校と一緒で、なんかとっても不思議でした。どの国でも、先生と生徒の関係は変わらないのだと判り、この映画、日本人にも受け入れられやすい無いようなんじゃないかなって思いました。
日本公開、してくれるかなぁ。この映画観ると、結構、先生の苦労もわかって、面白いとおもうなぁ。
もし、機会があったら、ぜひ観てみてくださいね。
イタリア映画祭 2013 http://www.asahi.com/italia/2013/