【演劇】「レミング~世界の涯まで連れてって~」 寺山修司という天才の作品を体験してみたかった。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

イタリア映画祭の合間に、映画祭前に観た舞台の感想を入れてみますね。ちょっとお口直ししてください。ずーっとイタリア映画だと、疲れるでしょ。(笑)この舞台は素晴らしかったです。上演始まって、結構、すぐに観に行ったんですよ。まだ上演中なので、調べてみてくださいね。


寺山修司さんの没後30年ということで、寺山さんのイベントなどが催されていて、このレミングも上演されることになったようです。舞台が面白いと思って、色々観始めましたが、やはり、寺山作品をどうしても一度は観てみないとと思い、今回、観に行きました。だから、全く内容を知らずに、行ってみたんです。


内容としては、

寺山修司(1935-1983)が主宰した「演劇実験室◎天井棧敷」の最終公演『レミング』を上演する。初演、再演時、寺山修司の超現実の言葉と洗練された造形美で観客を圧倒した舞台。壮大な野外劇や「ヂャンヂャン・オペラ」という独特の表現で、世界を震撼させ続ける維新派の松本雄吉が新解釈で挑む。


ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-レミング


「都市とは、そこにすむ人々の内面を外在化したものである。」

「都市は、一個の生命体である。それ自身あらゆるものを貪り、排泄し、呼吸し、増殖する巨大な生き物である。」

東京都品川区五反田本町二丁目一番七号、幸荘三号室。

コックのタロとジロと、タタミの下にはその母親が住む下宿屋の仕切り壁が消えた。

隣の部屋には熱にうなされる夫を必死に看病する妻。

修理を依頼しても、大家は下宿屋の存在そのものを否定する。

壁のなくなった部屋には、次々に奇妙な訪問者が訪れる。

部屋に都市が流れ込んでくる。

映画の撮影所、病院、牢獄。

世界の涯へ、行くか残るか。

というお話です。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-レミング

寺山さんのお話って、こんな風に展開して行ってしまうんだという感じのお話で、ストーリーをお知らせしても、観てみると、まったく違うものだったりするので、これを言葉で説明するのは難しいなぁ。だって、最初は、中華屋さんのコックかなって思ってるんだけど、あれ?もしかして、病院の患者?異次元の住人?それとも、ただのおかしな人?って感じに変わっていくんです。


アパートの壁が消えたことから、いきなり、すごい展開で、変わっていく。それは、大きな街の中にたくさんの人間が住んでいて、行きかっていて、レミングと同じように、誰かが飛び降りたら、次々と同じように飛び降りしてしまう。そんな気持ちは一切ないんだけど、なんとなく、一緒に行動してしまうというレミングと同じなんです。だから、病院と言われれば、病院かも知れないと思い、そんなアパートは無いと言われれば、無いのかもと思ってしまい、どんどん、人に左右されてしまう。それがレミングなんです。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-レミング

寺山さんの舞台って、こんなに面白いんですね。私、驚いちゃいました。こんなに笑えるとは思っていなくて、難しい話ばかりかと思っていたんです。すっごく楽しかった。でも、楽しいだけではなくて、不思議で、考えさせられる部分もあり、考えれば考えるほど、面白いと思いました。

子供が出てきて、街の模型を持っているんです。きっと、人々は、その模型の中に住んでいる人々。その模型は、一瞬で、表と裏というか、二つの姿に分かれるんです。それは、街というものが、いくつもの顔を持っていて、見る方向や、見る部分によって、まったく違うものに見えてくるという姿を描いているのだと思いました。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-レミング

この舞台で繰り広げられている世界は、まったく知らない異次元の世界でもあり、今、自分が住んでいる世界でもある。何が都市であるのか、私たちはまったく意識していないけど、でも、そこに存在するし、都市に飲み込まれている私たちは、都市の意志により、右に行ったり、左に行ったり、無限に動かされる、ただのコマなのだ。そして、都市にとって、不要なものと見なされれば、即座に排除されることとなる。いや、無かった者となるのだ。

この感動を、どうやって伝えれば良いのか解かりません。なんだろう、この不思議な感覚は。不条理な世界に飲み込まれた自分を感じて、フッと、今在る自分を感じて安心するような、そんな感覚でした。
なんと言って良いのか解からないけど、面白いっていうのは、こういう事を言うんだと思います。

この舞台、すごくお薦めです。ぜひぜひ、お時間があったら、観に行ってください。チケットが無いかも知れないけど、もし、機会があったら、観に行ってくださいね。

ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!-レミング


私、寺山修司さんの舞台、観たかったな。もっとやってくれないかな。これから探して、また行こうと思います。カメ


寺山修司 没後30年記念作品「レミング ~世界の涯まで連れてって~」


http://www.parco-play.com/web/page/information/lemming/