「図書館戦争」の試写会に行ってきました。
ストーリーは、
メディアに対する取り締まりを正当化する法律“メディア良化法”が施行されてから30年がたった日本。読書の自由を守るための自衛組織“図書隊”の隊員にかつて助けてもらった笠原郁(榮倉奈々)は、憧れの図書隊員になる。担当教官・堂上篤(岡田准一)の厳しい指導を受け、女性で初めて図書特殊部隊に配属された郁。そんなある日、図書隊とメディア良化委員会の対決が避けられない出来事が起きる。
というお話です。
やっぱり、このお話は、面白いですね。メディアが規制された世界に生きる人々の話なんて、ハッキリ言って、考え付かないですもん。規制があったら困るなとは思うけど、本が規制されるなんて考えもしないし、想像も出来ませんでした。でも、この映画の中では、それが行なわれているんです。本が焼かれ、思想を持つ事も許されない。そんな世界に生まれていたら、私、”キィ~!!”ってキレてるだろうなぁ。

原作ファンの方も、不満は無いんじゃないかな。だって、笠原と堂上教官がピッタリだもん。他のキャラも、ほとんど不満は無かったし、納得が出来ました。一つ言えば、橋本じゅんさん、大好きなじゅんさんが、真面目な役をやっていたぁ~!劇団新感線では、いつも面白い役なのに、今回は、一回も壊れなかったわぁ~!最後まで、真面目な上司で、ステキな上司でした。カッコイイの。じゅんさんが、ずーっとカッコイイなんて、今まで観たことないよぉ。ちょっと嬉しいけど、ちょっと寂しい。でも、とっても合っていました。
笠原は、高校生の時に助けてくれた”王子様”を追って、図書隊に入隊し、図書館を守る為に訓練を受け始めます。図書隊というのは、今の日本の自衛隊と同じで、相手が撃つまで撃てないし、威嚇を基本とする攻撃しか出来ないんです。だから、どうしても沢山の犠牲が出るし、時には死ぬ事だってあるんです。
観ていて辛くなりました。だって、誰か犠牲者が出るまで攻撃出来ないんですよ。それって、生贄じゃないですか。古代マヤ文明じゃないんだから、生贄っておかしいでしょ。家族はたまったもんじゃないよね。そんな、命を大切に思わない考え方で戦わせるなんて、人道に反するよなぁ。
このお話は、戦いの部分も沢山描かれているけど、やっぱり、ラブストーリーの部分がとっても良いのよね。笠原は、気がついていないけど、堂上教官に惹かれていく自分を感じ始め、堂上は、笠原を部下であるという認識から、段々と女として見てしまう自分を押さえられずにいるんです。その二人の姿がいじらしいのよ。周りから見れば、とっても解かりやすいんだけど、本人たちは、良く解かっていないという典型的な天然ボケの二人。かわいいんです。戦いの中に、そんな姿が垣間見れて、面白いよなぁ。
と、普通の感想を並び立てましたが、この映画の凄いところは、その世界観かな。メディア規正法という法律を基本として、すべてが細かく設定されているんです。メディア良化隊の立場と、図書隊の立場、そして、法律の適用範囲など、これだけ設定がキッチリ決められていれば、本当に世界が広がりますよね。ただ、一つだけ文句を言うとすれば、警察の立場かな。どちらの隊に対しても平等ならば理解出来るんだけど、どーも、偏りがある。ここまで行ってしまった世界なら、すべてを国民投票で決めれば、面白い変化をするかも知れないね。今後の展開が楽しみです。あ、これは、映画ではなく、小説の方か。
とにかく、映画として、基本が完璧に決められた世界観があるので、内容がブレません。気持ちよく、最後まで、ハラハラドキドキしながら、本当に楽しめます。原作を読んでいても呼んでいなくても、アニメを観ていても観ていなくても、問題なく、その世界に入り込めます。
私は、超オススメしたい映画です。原作も好きだけど、この映画版も大好き!面白かったぁ。何度も笑って、何度もドキドキハラハラして、ちょっとしあわせになったりして、なんか、観た後に、ほぉ~って気持ちよくなりました。
最後に、やっぱり図書隊=自衛隊の人たちは、生贄になる為にいる訳じゃないから、撃たれたら撃ち返せるようにしてあげて欲しい。だって、相手はこっちが撃って来ないと知っているから、すごく惨酷なことしてくるよね。命を捨石にするのは止めて欲しいです。
ぜひ、楽しんできて下さいね。
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